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ナルシスト、排水路に向かう

「……休みもあと一日。有意義に使わなくてはな」


「この世界の言語は、完璧と言えんがある程度はできるようになった。しかし、図書館に行くことは多そうだな。調べることもある」


ヤナギは部屋の椅子に座りながら予定を立てていた。


「そうだな……筋トレは毎日してるとはいえ、最近はまともな戦闘をしていないからな……金も無くなってきた」


「一度、ギルドに向かうか」


ギルドに着いたヤナギ、だが今のヤナギは紋章がなく、一人で依頼は受けられないため時間を持て余していた。


「……時間の無駄だったな。やはり図書館に向かう――」


「お!久しぶりだな」


急に話し声が聞こえてきた。その声の先を見てみると、昔ギルドで世話になったリャックが立っていた。少し後ろにはそのパーティメンバーらしき人達も立っている。


「む?リャックか、久しぶりだな。どうしてここに?」


「それはこっちのセリフだぞ?お前さん、あれからパーティを組めたそうだな。色々聞いてるぞ?」


「紆余曲折あったがな……何とかなっているぞ」


「それは良かったな。だが、パーティメンバーが見えないんだが……捨てられたのか?」


「やめてくれ、たまたま予定が合わなくてな。明日集合する。今日は暇だからここにいるだけだ」


「そんならちょうどいい。暇なら依頼を一緒に受けねぇか?今回の依頼、四人でしか受けれねぇんだが、あと一人足りねぇんだ」


「それは本当か?喜んで受けよう。ついに俺のこの美貌と力を発揮できる時……!」


「決まりだな。依頼を受けに行こうじゃねぇか」


運良くパーティを組むことができたヤナギ。

リャックのパーティメンバーと一緒に依頼の場所に向かっている。


「確か、排水路の奥にモンスターが湧いたんだったか。そいつのせいで一部地域の水が出なくなったとか。しかも、前にここに来たパーティが軒並み行方不明になったとか」


「……リャック。ホントにこいつでいいのか?こいつ、前あんな演説してたじゃないか」


「こいつとは失礼なやつだな。俺はヤナギという素晴らしい名前があるのだ。それに、疑うのは勝手しろ。実力で見せてやろう」


「……一応名前は教えてやるよ。俺はタティ・ハアルド。もうひとりはネフル・リルード。俺たちは、お前を信用していない」


険悪な雰囲気のまま排水路に着いた。

大きな排水路のため、道が色々入り組んで分かりずらかった。


「確か……この道をまっすぐ進んで、奥に着いたら右、だったな。行くぞ」


コツコツと靴の音が反響する。その音がなんだか不気味で、嫌な気分になる。

道のりは特に何も無く、すぐに奥に着いた。

そこには重厚感のある扉が一つだけあり、明らかに異様な雰囲気を漂わせている。


「早く終わらせよう。ただでさえジメジメして髪が崩れるんだ」


「よし、俺が開けよう。お前さんらは後に続け」


リャックが扉を押し始める。相当な重さをしているのか、開くのに苦労している。

すると、ヤナギがあることに気づく。


「……まて、この扉、あそこのスイッチを――」


――バゴンッ!!


大きな音がなり、ビックリしたヤナギが振り返ると、重厚感のあった扉は、思い切り凹んでいた。


「……すまねぇ」


「これの修理費……どうなるんだ……?」


まだモンスターと対峙すらしていないのに、もう絶望的な空気がパーティを取り囲んでいた。

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