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違和感

その後森を探索したが、イータに怯えたのか分からないが何も起きずに時間が経った。


「そろそろ時間ですね。皆さんはテントの用意をお願いします。僕は料理をしています。テントの用意はそこに置いてありますので」


「疲れた……」


「やっと着いたか…もうクタクタだぜ……」


「俺も手伝おう。料理には自信があってな」


ハノとヤナギは料理をし、他三人は宿泊の用意をした。


「ファイア…よし、ヤナギさん。鍋に水を入れてください。その間にオーガベアーの手に下味を付けときます」


「了解」


二人は順調に料理を進めた。ハノは料理になれているのか、かなり手際よく準備をしている。


「…美しい手際だ、料理をよくするのか?」


「親の手伝いをしてたら、いつの間にか料理が趣味になってまして…初めの頃は料理人になりたかったんですけど、ちょっと事情がありまして」


ヤナギは深く聞かず、そのまま料理をすすめた。調味料を加える度、美味しそうな匂いがどんどん大きくなり、食欲を唆る。


「そろそろ熊の手をあげてください。こっちもスープの用意が出来ました」


「完成か。ふむ…いい出来だな」


料理が出来上がり、パーティメンバーを呼ぶ。どうやら美味しそうな匂いが漂っていたようで、お腹がすいているようだった。


「いただきます…おお、オーガベアーの手、肉は確かに硬いがよく味が染みてて美味い…肉球は柔らかくて食べやすいな。俺ポイント二十やろう」


「なんですがそのポイント…」


そんな掛け合いをしながらも料理を平らげ、就寝の準備をし始める。しかし、ヤナギは就寝の準備を終えるとどこかに行ってしまった。


「ヤナギさん、寝ないんですか?」


「ん?寝る前に運動をしなくては気が済まなくてな。それに、風呂にも入りたいし、歯も磨かなければ」


「別に今やることじゃないと思いますけど…」


「美を追い求めるものにとって、当然のことだ。俺は朝日が昇っていようが、相当な負担が身体にない限り俺はこのルーティンを崩さない。イータ、剣の稽古を手伝ってくれ。ついでに魔法を使って風呂を作ってくれ」


「ふふっ、お易い御用さ。それなら水源を探そうか。それを浄化して……」


イータとヤナギは森どこかに行ってしまった。ハノ達はそのまま就寝し、イータとヤナギはその二時間ほど後に就寝した。


「…布団があるだけマシだが…やはり背中が固まる……」


「おはようございます。もうご飯できてますので、勝手に食べちゃって大丈夫ですよ」


ヤナギは朝のルーティンを終えた後、ゴリナから貰ったナナバと一緒に朝食を平らげた。

その後それぞれの時間を過ごし、出発の時間となった。


「ちなみに、遺跡にはどの位で着く」


「十時間ほどですね。時間はまだあるので、ゆったり行きましょうか」


森を真っ直ぐ進み、時間よりも少し早いくらいに遺跡に着いた。


「ここがあの遺跡ですね…」


「よし、手早く終わらそうか」


ヤナギ達は武器を構え、遺跡の扉を開けて中に入る。中は思っていたよりも綺麗で、ジメジメとした感じもなかった。


「…依頼内容はちなみになんだ?」


「最奥にある宝石の回収です。金貨二十枚の依頼なんで、気張りますよ!」


気張ったパーティだが、最奥まで特に何も起きなかった。そして、最奥にある扉を見つけた。


「……ここが最奥か、前の洞窟そう変わらんな…俺が先に行こう」


「気を付けてくださいね」


ヤナギが先陣を切って、扉を開ける。すると階段があり、一つ一つ降っていく。すると、ヤナギの周りを甘い香りがした。


ヤナギが行ってから数分が経った。戻ってくる様子もなく、不審な音もしていない。


「…遅いですね……僕たちも行きましょうか」


ヤナギが帰ってこないのを怪しく思い奥に進むと、宝箱の前にヤナギの姿があった。その顔は、なんだか無気力に見える。


「ヤナギさん!遅いですよ。何してたんですか?」


「…ああ、すまない。少し頭が痛くてな…報告が遅れた」


「それ、多分依頼の物が入ってるんじゃないです?開けましょう!」


ハノがウキウキで宝箱を空けると、そこには確かに目当ての宝石だった。


「よし!さっさと撤収しましょう!」


「ああ…そうしよう」


ハノ達は遺跡を出ようと出口に向かった。


「ヤナギさん。前髪崩れてますよ」


ハノが口にする。


「ん?そうか」


ヤナギは何もせず、そのまま出口に向かう。ハノは少し、違和感を持った。

遺跡を後にし、前回とは違う地点で就寝準備をする。前回と同じように料理を行い、就寝準備を行う。


「あれ、ヤナギさん。今日はルーティンをしないんですか?」


「今日はもう夜遅いだろ?さっさと寝よう」


「……疲れてます?」


「ん……確かに疲れたかもな。今日は少し早く寝たい」


ハノは浮かんでいた疑問が確信になり、イータに小声で話しかける。


「イータさん……今日のヤナギさん、おかしくありません?性格的にルーティンを崩す人だとは思えませんし、髪が崩れていても気にしてません」


「…君も気づいていたか。何か、違和感がある」


「ちょっとだけ探ってみますね……」


「…………手鏡、割れていません?」


「ん?ああ、大丈夫だ。割れてはいなさそうだ」


その後、一時間ほどたち森全体も寝静まった時ヤナギがゆっくりと身体を起こし、剣を拾う。

イータの方へとゆっくりと近づき始め、心臓に向けて剣を向けた。その時。


「やはり、違和感は正しかったようだね。君はヤナギくんじゃない」


イータは一瞬で飛び上がり、何かを蹴り飛ばした。一瞬そのなにかの輪郭が歪んだ。


「全員、武器を取れ!」


全員が起き上がり、武器を構える。ミラは全員に強化を与え、戦闘態勢が整う。


「残念だったね。偽ヤナギくん…いや、【色欲の罪】【メモータル】」


「……あら?意外に気づかれるのが早かったわね」


ヤナギの身体が変化する。まるでスライムのようにぐにゃぐにゃと身体が歪み、筋骨隆々の姿になる。

髪は左に流れている黄緑のモヒカン。

上裸でズボンはピンク色。

紫のリップで塗られている唇がある。


「知ってるようだけど、一応紹介させてちょうだい。私は七囚人の一人【色欲の罪】名前を【メモータル】と言うわ」

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