ナルシスト、疑いがかかる
パーティメンバーと一緒に待ちへ帰り、ギルドにもどる。一応スケルトンキングは討伐できたのだが、証拠を持っていないため、依頼の達成をできていなかった。
「…こんなふうになると思ってよ……暴食に大剣を割られて注目されてない時に、一応王冠拾ってきたんだよ」
ヨウはポーチから王冠を取り出し、それを机の上に乗せた。一気に空気は盛り上がり、証拠を提出しに受付嬢の元に向かった。
「依頼達成できました。これ証拠です。あと、今回あそこに居たのは、通常のスケルトンキングじゃなくて、クリスタルスケルトンキングでしたよ」
「申し訳ございません…変異種に関しては、こちらで判断出来兼ねますので、報酬の上乗せを行わせてもらいますね」
受付嬢がどこかに行っている間に、報酬の割合などをパーティで話していると、受付嬢が戻ってきた。
「こちら、クリスタルスケルトンキングの討伐報酬、金貨十枚と、こちらの不手際の補填金の金貨一枚となります」
「…まあ、こんぐらいですよね」
報酬受け取り、机の上に置く。
「今回、なんだかんだ活躍していたのは、やはりヤナギさんでしょう。ヤナギに一番多く金貨を渡すのが妥当では?」
「俺は別にそれでいいぜ。ミラはどうだ?」
「別になんでも…」
「何やら随分簡単に決まったな…すると、だいたいみんなは金貨二枚ほどで、俺は金貨五枚となるのか?…差がすごいな。ルーキーにとってはこういうのも重要じゃないのか?」
ヨウ達は首をかしげている。
「ルーキー?俺とミラは紋章二つ持ってるぜ。ハノは紋章一つだが。てっきりナルシも二つは持ってると思っていたが…」
「まだ俺はこの仕事をして二日目だ」
ヨウとミラが驚いたような表情をする。洞窟でのヤナギは、明らかにルーキーのそれではなかったからだ。
「…まあ…とりあえず、それぞれ自分の戻るところに戻るか。それじゃ、また明日」
「明日も朝ここに集合でいいのか?」
「はい、大丈夫です。それじゃあまた明日」
解散し、それぞれ宿などに戻る。ヤナギも、戻ろうと街を歩いていると、武器が壊されたことを思い出す。
「…まさか一日でなくなるとは…そろそろメイン短剣では限界か」
ヤナギは武器屋に寄り、木刀と剣、短剣を一本ずつ買った。
「だいたい金貨一枚と銀貨六枚か…まだまだ余裕があるな」
色々な店に寄りながらも、ヤナギは美容系の店を探し回った。しかし、どれだけ探しても見つからなかった。
「…これは俺の学習不足か……仕方ない。紙を補充してからまた図書館に向かうか…」
ヤナギはペンや紙を補充し、図書館に向かった。
前のように原語本と字の学習用の本をとり、また机へと向かった。
日が暮れ、辺りが暗くなってきたところで学習を終え、ゴリナの待つ果物屋に帰った。
「ただいま…この匂い…どうやらもうご飯ができているようだな」
今夜は鳥の揚げ物だった。食事を終え、部屋に戻る。
日課のトレーニングと柔軟を終えると、風呂に入るのではなく、木刀を持ち、剣の練習をした。
「短剣なら感覚的に使えたが、剣はそうはいかんからな…」
一時間ほど剣の練習をし、汗が程よくかき始めたぐらいで、練習を終え、風呂に入った。着替えはさっき買ったものを着衣し、歯磨き用具を使い、そのまま眠りについた。
「朝か…」
目覚めてすぐに手鏡で色々と確認をし、身なりを整える。すぐに軽いストレッチで身体を起こし、ゴリナの用意したご飯を食べ、箱を運びギルドへ向かう。
「…この生活も慣れてきたな……変わりゆく環境でも変わらない俺の美貌…」
いつものようにギルドの扉を開けようとすると、横から声がかかる。
「失礼、少し時間はあるか?」
「ええ、ありますが…」
ヤナギはどこかに連れ去られ、小さな部屋に連れ込まれる。そして、目の前にいる人が開口一番にこう言った。
「…サナカ・ヤナギ。率直に言おう。お前に、【色欲の罪】【メモータル】ではないかという疑いがかかっている」




