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第214夜 独り川
要らない
慰意も褒言も
知らない
頂景も贅味も
竈門の粥に水を足し
五度目には白湯
それでも
何かを数える日々
我欲は溶け
見栄も虚勢も
嫉妬も自喪も
みな剥離した
枯淡の身に降る雨は
慈しみ深く
わずかに残る鼓動を
うっすらと湿らす
鎮まる周囲
朽ちゆく身
話すことなどない
只管黙それでいい
静かなることを学べ
アイザックは言い
語れり得ぬことは沈黙せよ
ルートヴィヒは説く
黙重する毎
その圏は成層し
宙を超え
膜を貫く
尚も欲せず
食すらも
霞で済むなら
救かるものを
花は散ることを恐れず
裏を見せ表を見せて
風に任す
黙して語らず
役目を終える
後ろに居場所なく
前を向き紡いだ草船で
滔々たる川を行くのだ




