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久々の投稿です。
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「報告します!東京より極秘暗号電受電!」
「見せろ。」
「はっ!失礼します。」
紙を受け取った大河内少将は顔色を失った。
「ヴァンガードへ発光信号出せ。」
大河内は通信文を鉛筆でさらさらっと紙に書くと通信兵に渡した。
「報告します!日本海軍揚陸艦対馬一より発光信号です。」
「内容は?」
「緊急事態発生ニヨリヴァンガードニテ至急会議開クコトヲ要請ス、以上です。」
「何故かわからんな。」
「報告します!ロンドンより特別電です。」
「何?」
「はっ!」
と言って通信文をひったくる用にしてウィンゲートは目を通した。
「ビスマルクより発光信号です。対馬一と同じ内容です。」
「無線封鎖解除、全部隊に連絡、演習中止!日独英の三カ国司令官はヴァンガードにて緊急会議を開く。総員戦闘配置につけ!」
「演習中止!全艦戦闘配置につけ!陸上部隊は大隊ごとに点呼!全員が確認され次第揚陸艦に撤収!対潜対空哨戒厳にせよ。」
「撤収用意!」
陸上と海上で慌ただしく移動が行われる中カッターでトップと大河内がヴァンガードに到着した。
「貴官らにも連絡が入ったと思うがイランがトルコとインドに宣戦した。それだけではない、伊仏西も我々独英に宣戦布告、フランス海軍とスペイン陸軍がジブラルタルを奇襲、同時にイタリア海軍がスエズに奇襲を仕掛け伊仏両陸軍は英領エジプトを目指し進軍を開始、伊仏両陸軍は更にドイツにも攻撃を開始した。二時間前の事らしいがな。現在大西洋から我々同盟が地中海に入ることはかなり難しい、アジアからの派遣部隊は帰国が困難な状況になりつつある。先程亜細亜西太平洋同盟も伊仏西に宣戦布告し、交戦状態となったからだ。よって貴艦隊には大西洋に留まり我軍と共闘してほしい。」
「あぁ、同盟参謀本部からそれを命令して来た。私大河内は大将に昇進、この演習参加部隊は大西洋方面軍とするとの事だ。ただし、指揮系統は貴方方の三国同盟大西洋戦線総司令部の直轄となった。」
「そうか、英海軍デヴォンポート海軍基地を使うようにせよと指令が出ているはずだ。」
「あぁ、確認している。」
「ドーバー海峡では仏軍と我軍が制空権を巡って激しい航空戦を繰り広げているらしい。そこでトップ少将はどうする?ドーバー海峡を突破してハンブルクに戻るのは難しいぞ。」
「そうだな、我が艦隊も一旦はデヴォンポートに入港したい。」
「まぁ、大丈夫だろう。」
「一つよろしいですか。」
「ん?」
日本海軍の宮嵜俊男准将だ。今回亜細亜西太平洋同盟艦隊の司令官だ。
「それは良いのですが砲弾はどうしますか?我等の四六糎砲に対しそちらは三八糎砲または四六糎砲ですが互換性が充分とは言えないですよね、又航空艦隊に関しても弾薬の互換性も充分とは言えないです。それは我大西洋方面軍の動きを制限する要因となります。」
「あぁ、仕方ない、弾薬は欠けているし弾薬輸送艦が随伴しているとはいえ仕方ない事だ、今あーだこーだ言ったところで事態は好転せん。」
「ですね。」
「まぁ、弾薬は我が国の生産ルートをいじる訳にもいかんからな。そこは我慢してくれ。」
「はい、わかりました。」
「よし、では各軍に司令官の君達から説明してくれ。では解散。」
一方東京では俺が緊急閣議を招集していた。総統である俺、総理大臣の石橋湛山、陸相の阿南惟幾、海相の米内光政、空相の河辺正三、蔵相の池田勇人、外相の松岡洋右、運輸相の小倉康臣、海兵隊総司令官の太田実、特殊作戦軍司令官の重信吉固、統合参謀本部長の梅津美治郎が参加していた。
「二時間前、五月十七日日本時間午前11時、イランがインド及びトルコへ侵攻した。同時に伊仏西は英独に宣戦布告、交戦は開始された、我が国及び亜細亜西太平洋同盟は日独英三国同盟及び亜細亜西太平洋同盟条約に基づいてイラン及び伊仏西に宣戦した、イラン軍はインドイラン国境のインダス川沿いに作られた防衛要塞線を攻撃し始めた、伊海軍と西陸軍はジブラルタルを奇襲して伊海軍はスエズを奇襲し、アフリカ、ヨーロッパでそれぞれ交戦が始まった。我軍の今後の対応プランを伺いたい。」
「よろしいですか。」
「なんだ梅津参謀総長。」
冷房の音が響く会議室は静まり返っていた。
「はっ!イラン軍は恐らく伊仏軍と通じてスエズ運河を抑えに行く筈です。なぜならそうすれば地中海の出入り口を抑えたことになりイギリス地中海艦隊とイギリスアフリカ軍への補給を断てるからです。つまりイラン軍は三方面作戦を強いられます。ここで我軍の大西洋方面軍を太平洋に呼び戻す為にもイラン軍に大規模機甲部隊を中心とした攻撃とそれを陽動としてイラン軍の後方へと上陸作戦を展開、予定地はチャーバハールです。そしてインダス川に釘付けになっているイラン軍の後方を確保、一気に内陸部に展開、首都テヘランを目指します。これはシナイ半島に展開している英独軍がやられる前に完遂しなければなりませんが現在シナイ半島のハンス=ユルゲン・テオドール・フォ ン・アルニム元帥率いるドイツアフリカ軍はイラン軍との交戦を互角にまで持っていけそうな予備兵力を有しています。我軍はそのイラン軍の背後からアフリカへと打通スエズ運河を再確保し、地中海への航路を開きます、ソコトラ島には我軍の機動部隊も展開しているため問題は無いかと思われます。」
「私から一つよろしいですかな。」
「なんだ松岡君」
「はい、対米交渉ですが米国はこの戦争に積極的に関わる様子がないと思われます。理由は我省の諜報員が挙げてきたお手元の資料にある情報です。」
手元に置かれた紙をめくった。手元には暗号解読された米国外交電報が置かれている。
「これは?」
俺の質問に松岡が答える。
「米国より在仏米国大使館に送られた電報です。」
ここには合衆国の軍備が整っていない現状なのに開戦した仏政府に文句を言っていた。それと同時に米国は今回の欧州情勢に関与しないことを伝えるように命令が書かれていた。
「やつらの外交電報は筒抜けか。それにしてもあれだな、仏政府の返答はどうなってる?」
「はい、仏政府は怒っているのか暫く返答の電報は返していません。」
「これを傍受したのは?」
「一週間前です。」
「つまり一週間前から外務省は伊仏軍によるなんらかの軍事行動の予兆を掴んでいたと、俺の所にそんな報告は来てないのだが。」
「すいません、偽の電報で我々をはめるものかと思っていました故です。」
「英独は解読していたとは思えないな。現在暗号戦では我国が一歩リードしていると考えて良いのかな。」
「そうですね。」
「まあいい、池田蔵相、我国はどれくらい戦争が続けられる?」
「はい、ロンドンでの戦時国債の発行、同盟内部での戦時国債、増税で賄えますから五年程はまず余裕があるかと。」
「そうか、大きな輸出相手たる米国が敵になったとしてどうなる?」
「はっ、現在綿や生糸の輸出先はアジア諸国にシフトしつつあります。のでそこまで問題にはならないかと思います。」
「石油などの資源は?」
「地下資源ですがインドネシアから石油は輸入しています。フィリピンが親米国家なので輸送ルートは対米開戦した場合途切れるかとは思いますが。」
「そうか、阿南陸相と太田海兵隊総司令官に聞くが先程梅津参謀総長から発案された大規模攻勢作戦の用意はどれくらいかかる?」
「はい、インド軍だけでいえば二ヶ月で行けるかと思われます。」
「よろしい、すぐに作戦を煮詰めて提案したまえ。」
「はっ!」
「今回の閣議はこれにて解散とする。」
「はっ!」
インド軍はインダス川防衛線に全域合わせて約100万の兵士、1500両の戦車、数千門の火砲をかき集めたのに対しイラン軍はこの方面に推定で120万の兵士、800両の戦車、数千門の火砲を投入してきた。戦車は同盟は九九式中戦車の砲を105mm砲に換装した九九式中戦車改を主力として、少数の六式重戦車を配備していた。それに対しイラン軍は旧ソ連のT34やアメリカのM3中戦車リーやM4シャーマンを装備していた。質量ともに上回るインド軍戦車はイランを圧倒するかと思われたがイラン軍による五インチ高射砲の平射により次々と撃破されていった。インダス川沿いの塹壕陣地は150cmの深さの塹壕にヘスコ防壁を土嚢代わりに入れていた。日本から供与された三八式歩兵銃を担いだオム軍曹は近づいてくる物音を察し射撃時に乗る台に乗り防壁から顔を出した。
「敵襲!」
舟艇でインダス川を渡る敵兵を待ち構える。舟艇から敵兵が飛び降りるタイミングを待ってる。ズシーンと大地が揺れ砲弾が飛んできた事を知らせる。先程一時間にも渡る事前砲撃を行ったのにまだ撃ち足りないようだ。実際そこまで砲撃で損害は出ていなかったが。
「用意!」
照準器をのぞき込む。敵兵が舟艇から飛び降りて走ってくる。鉄条網の手前まで来たところで号令を下した。
「撃てぇ!」
引鉄を引いた。鉄条網を切ろうとしていた兵士が後ろにのけぞる。新兵器の六式分隊支援火器が火を吹いた。ソ連のRPKを素にして有坂弾を使えるようにした新兵器だ。イラン兵がバタバタとなぎ倒されていく。
「手榴弾!」
ソ連式の手榴弾が塹壕内部に投げ込まれた。
「どけ!」
オムはそれを対手榴弾用の穴に蹴り入れた。ドン!穴の中で爆発した手榴弾は被害を与えなかった。
「うわ!」
銃撃されて分隊支援火器手が倒れた。
「くそ!俺が代わる!」
三八式歩兵銃を肩にかけると六式に取り付いた。
「死ねぇ!」
ダダダダダ!薬莢が素早く排出される。すぐに三式突撃銃と同じ三十発弾倉は空になった。近くに弾倉が落ちている。拾って再装填しようとしたが敵兵が迫ってきた。柄付き手榴弾を投げ込んで敵兵が破片で死傷した隙に素早くリロードして構える。その時イラン軍からバズーカが放たれてその対戦車弾はヘスコ防壁を貫いた。
「くそ!怯むな!」
この弾倉が最後だったようだ。弾切れになると分隊支援火器を放棄した。三八式歩兵銃に素早く着剣する。
「こい!」
PPSHサブマシンガンを抱えた兵士が塹壕に飛び込んできた。素早く銃床を奴の腹に叩き込む。塹壕の床に尻餅ついた奴の腹に銃剣を突き立てる。大量の返り血が顔にかかる。
「グゥ・・・。」
敵兵はあの世へと旅立った。
「喰らえ!」
PPSHを奪うとそれを乱射する。シャーマン戦車が遂に川を渡ったようだ。
「敵戦車!」
六式歩兵携帯噴進弾を抱えた兵士が成形炸薬弾を発射して仕留める。
「良くやった。」
PPSHは弾詰まりを起こしたので捨てた。敵の死体に刺さったままの三八式歩兵銃を抜くと下士官と思われる奴の背中を撃ち抜いた。
「退却!退却!」
イラン軍は退却を始めた。ボルトを素早く操作して弾を薬室に送り込むと発射した。川を挟んで第1次世界大戦さながらの塹壕戦が行われている。ドイツ軍はスツーカを空飛ぶ砲兵として利用したが同盟軍はインダス川河口近くに展開していた二式改対地攻撃機を投入した。AC130に倣い二式大艇の左側に二〇ミリリボルバーカノン二門、四一式山砲一門、三〇ミリリボルバーカノン一門を搭載して左旋回しながら攻撃する機体である。実戦投入はこれが初めてでまだ試作段階にあったが四機が投入された。護衛にはインド空軍の飛燕十二機がついた。
「左下にイランの物資集積所発見、攻撃開始!」
旋回を始めた二式対地攻撃機が砲撃を開始する。
「目標、敵物資!発射!」
ガウン!榴弾が発射されてイラン軍物資に命中する。
「次弾装填!」
「装填よし!」
「テッ!」
ガウン!75ミリの榴弾が次々とイラン軍物資を破壊していく。程なく物資集積所は火に包まれた。
「攻撃目標敵砲兵陣地に変更!」
アメリカ製の3インチ榴弾砲がメインのイラン軍砲兵部隊陣地に砲撃を仕掛ける。
「燃料が問題です。そろそろ帰投しましょう。」
「そうだな。全機に、帰投せよ。」
「了解!」
翼を翻しゆっくりとその場を離れる地上攻撃機を追うように空に対空砲弾が撃ち上がったが無意味だった。
今後投稿が不定期になりがちでしょうがしばらくしたら元のペースに戻します。




