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173.回収スケジュール


あれから。

数匹ほど魔物と戦い、そろそろ町に戻るかというところで、フォレマンティスの群れとエンカウントした。

ちまちま相手してたら町に戻るのが遅くなるという理由で従魔組も参戦。

…びっくりするくらい短時間で片付いた。僕たちも奮戦したけど、微々たる活躍だった。

とりあえずそれだけの戦いで僕とナズとハルはレベル21に。シルバーは7になった。

ステータスの確認なんかは後にするとして、さっさとギルドに依頼報告をしてカーくんに引っ込んだ。


そして一旦ステータスを確認しよう、と集まったわけで。



「ベルさんや森族姉妹は見ても暇だろうから温室とかで作業してくれてていいぞ?」

「いや、何だかんだで気になるから見たいのだよ。隠したいなら去るが」

「私も気になるわ」

「私もですぅ」

「別に一緒にいる以上隠す意味はないから、見る分には構わないけど」

「俺も、今更だしな」

「もうぶっちゃけちゃってるもんな。シルバーさんも嫌がらないなら皆で見るか」

「せやな、じゃあアキ兄から見よっか」



名前:アキ(狭山 茜)

年齢:14

性別:女

LV:21(あと1874)

職業:異世界料理人

HP:417/440

MP:273/330


スキル:料理LV15(あと714) 剣術LV14(あと502) 体術LV13(あと709) 火魔法LV10(あと133) 水魔法LV10(あと942) 付与魔法LV10(あと272) 従魔術LV12(あと1118) 生活魔法LV9(あと517) 魔法耐性LV9(あと488) 状態異常耐性LV12(あと184) 栽培LV10(あと941)

テイム:エレメンタルスライムLV148

権能 :倍化



「ん?水魔法と栽培がレベル10になってる、かな?」

「ほんまや。これ派生能力あるやつちゃう?」

「えーと、水魔法が『水流』、栽培が『成長時間短縮・微』だったな」

「お、今でも早く収穫できるのに更に早くなるのか。いいな。特にアキ兄さんが育ててるのって食材だし」

「水魔法の『水流』ってのは、広範囲の水鉄砲みたいな感じか?まあ俺はしばらく覚えねえけど」

「水鉄砲で間違ってないですよ。ぴゅーって出るのから、消防車が噴射するみたいな規模まで調整できます。サンが調整上手いんですよ」

『そ、そうか?まあ我は水属性の魔物ゆえにな』

『はい、水魔術はサンが一番上手いです』

「そうなのか…あとで見せてくれ」

『うむ、承った!』

「シルバーって才能だけで突っ走ってるのかと思えば勤勉なのね。そりゃ強くなるわけだわ」

「リオさんが『クソほど強い』って散々言ってましたしねぇ」

「本人の前でバラさんで欲しい」

「知らねえより知ってる方がいいからな。ただの知りたがりだ。で、リオのステはどうなんだ?」

「まあ順番だし、僕のいくか」



名前:リオ(村雨 涼)

年齢:14(24)

性別:女

LV:21(あと1984)

職業:万物使役者

HP:294/305

MP:1241/1850


スキル:無機物干渉LV16(あと1522) 蹴術LV14(あと248) 護身術LV13(あと711) 投擲LV13(あと589) 従魔術LV9(あと154) 物理耐性LV8(あと113) 魔術無効 状態異常無効 真偽LV9(あと227) 結界LV8(あと285) 咆哮LV3(あと102)

テイム:フェリックスLV147

権能 :空間作用



「リオくん、リオくん、無機物干渉スキルがレベルアップしてらっしゃるけど?」

「戦輪使ってたら上がりましたよね。派生能力はありませんでした」

「初期スキルは報告してくださいよ…」

「すみませんでした」

「アキに比べてやたらHP低くねえか?」

「ああ、アキ兄さんは私たちの中でHP高いんですよ。剣術持ちで前に出て戦うタイプですし。ちなみに私とリオ兄さん、HP同じくらいです」

「じゃあ別にひ弱ってわけじゃねえのか。MPと比べると弱そうって思ったんだが」

「リオ兄のMPの方が異常なんやで…あたしら基準では」

「シルバーさんの登場でその辺の認識狂いましたけどね」

「従魔術あとちょっとで10だな」

「早く『伝心』覚えたいよね。次、ナズ見ようか」

「うん」



名前:ナズ(波川 静)

年齢:14

性別:女

LV:21(あと2043)

職業:服飾職人

HP:331/350

MP:293/390


スキル:被服LV15(あと708) 鞭術LV13(あと224) 風魔法LV12(あと511) 土魔法LV12(あと282) 付与魔法LV10(あと229) 従魔術LV13(あと1223) 詠唱短縮LV6(あと421) 魔法耐性LV9(あと443) 状態異常耐性LV12(あと171) 糸操作LV12(あと1127)

テイム:ヴェノムタランチュラLV47

権能 :伝達



「うんうん、順当に経験値稼いでるな」

「魔法スキルのレベル、アキより高いな」

「私たち四人の中で、ナズ姉が一番魔法攻撃力高いんですよ。それに、シルバーさんと会った山って魔法が弱点の魔物多くて魔法使いまくってましたからね」

「経験値、ガンガン溜まったよねっていう」

「俺は魔法より属性剣使ってたからなあ」

「全員が魔法攻撃すると、前衛僕だけになるからアキ兄さんも前衛やってくれたんだよな。従魔のみんなもいるっちゃいるけど」

「なるほどな」

「多分シルバーさんの方があたしなんかより魔法攻撃力ぶっちぎりで高いよな」

「シルバーには杖術もあるし、魔法攻撃力は高いはずなのだよ。杖術の派生能力に魔法攻撃力上昇があるから」

「そういえば、私たちのスキルで魔法攻撃力が上がる派生ってありませんね。シルバーさん、魔法特化ですか」

「詠唱してるよりさっさと物理でボコった方がいい気もするんだが」

「わかる」

「シルバーはアキ兄さんタイプだったか」



名前:ハル(林 千晴)

年齢:14

性別:女

LV:21(あと1923)

職業:影

HP:262/282

MP:327/465


スキル:隠密LV15(あと558) 短剣術LV14(あと1285) 投擲LV14(あと1137) 光魔法LV11(あと1052) 闇魔法LV12(あと1051) 回復魔法LV9(あと743) 浄化魔法LV6(あと349) 付与魔法LV11(あと418) 従魔術LV10(あと228) 詠唱短縮LV6(あと344) 魔法耐性LV9(あと492) 状態異常耐性LV12(あと188) 栽培LV10(あと513)

テイム:シーサーペントLV118

権能 :分身



「短剣術と投擲がレベル14になってるな。あと魔法系も上がってるか?」

「派生能力は無しでした」

「次覚えるとしたら15だもんねえ」

「HPが不安になるな…いや、俺のHPが210だったんだから、そうでもないか…?」

「私、リオ兄さん以上のもやしなのですよ」

「こうして並べるとリオのMPが異彩なのだよ」

「本当に人間族なのよね?」

「実は精霊族とか言いませんかぁ?」

「純度100%の人間族だよ!?」

「ハルも人間族としてはかなりMPが高いが、リオの前では霞むな」

「レベル20ちょっとでMP400超えっておかしいですもんねぇ。召喚者なのでまあ有りと言えば有りなんでしょうけどぉ」

「ヒエ…クラーフ組からの指摘怖いわぁ」

「ステータスは普段誤魔化してるので…大丈夫のはず、です…!」

「そうなのか?」

「隠密スキルの派生能力に『隠蔽』『偽装』ってあるんです。ステータスはこれで誤魔化せるんですよ」

「…すげえな。俺もやってくれ」

「既にやってますよ」

「そうなのか。ありがとう」

「シルバーも見るか。昨日は3だったけど今日は7になってるんだよな。上昇幅凄そう」



名前:シルバー(ル*…)

年齢:*…

性別:男

LV:7(あと124)

職業:渡り人

HP:481/490

MP:813/3500


スキル:杖術LV3(あと51) 体術LV5(あと331) 火魔法LV4(あと24) 水魔法LV3(あと210) 土魔法LV2(あと84) 風魔法LV3(あと254) 闇魔法LV2(あと58) 空間魔法LV3(あと42) 付与魔法LV1(あと23) 従魔術LV1(あと52) 詠唱短縮LV2(あと143) 魔法耐性・大LV1(あと58) 状態異常耐性LV1(あと34) 空間収納LV2(あと113) 感知LV5(あと183) 強化LV4(あと224)

テイム:ダークLV159

権能:時間作用



「レベルたった7で僕らのHPとMP余裕で超えてんだけど」

「やっっっば」

「あっ火魔法があとちょっとで5ですよ!火球覚えますし、これ経験値稼いで今日中に覚えましょう!」

「あー、死骸燃やしまくったから経験値稼げたんだなこれ」

「ところで杖術の派生って何だっけ?」

「レベル2で『魔法攻撃強化・微』、3で『攻撃強化・微』なのだよ」

「せやったせやった。桜庭くんも持ってるスキルやったな」

「何だかんだで一通りは使ってるんだな。使いやすそうなのとか好みの魔法あったか?」

「まだ一種類ずつしか使えねえから何とも。けどMP多いから詠唱短縮と併用して経験値稼ぎしようと思ってる」

「あー、詠唱短縮、使い慣れたら絶対便利やけどMPの消費多すぎてあんま使えてないやつ」

「そうだな、シルバーはそれでいいんじゃないか?あと気になるのは権能か」

「絶対これMP消費大きいやつですよね」

「つっても時間ちょっと止めるくらいしか出来ねえぞ。物ならいいが生き物に使おうとするとMP消費デカい気がする」

「生き物に使えるって時点でこえーんだわ」

「権能進化したらもっとやばいことになりそうですね…」

「あとレベル3上がれば進化するんだよなあ…」



ヤバすぎんか。

下手したら明日レベル10まで上がったりしない?一日で権能が進化?こわ。

現在は時間停止しか出来ないらしい。ちなみに単品というよりは、範囲だ。

その範囲は狭く、今は座布団くらいの範囲しかない。ただ、その範囲内にあるものは全て止まるという。

停止時間は様々。力を使う時に消費するMPで決まるそうだ。僅かなら本当に一分くらいの停止、多ければ。



「一年くらいは止まってんじゃねえか?」

「単位がおかしい!」

「てかさ、それ出来立ての料理止めたら、解けない限りずっと熱々のまま…」

「料理スキル持ちがいなければ有用。例えばアイさんの組とか、桜庭くん組とか」

「抉れ海組かぁ。まだ一緒にいるから大丈夫としても、そうだよね、いずれ別行動するなら…?」

「使い道あるっちゃあるのか。俺、何に使うんだって思ってたんだが」

「権能進化したら時間巻き戻したり進めたり出来るようになる予感」

「味噌と納豆作りが捗りそうだな!」

「俺の権能を発酵食品作りに使おうとすんな。でも味噌汁飲みてえから協力はする」

「召喚に味噌あるんじゃないの?」

「手作りもしてみたい」

「やりたいならやった方がいいです。経験値稼ぎにもなるでしょうし」

「ミソシルは僕も聞いたことがあるのだよ。作業小屋にミソを安置する場所作るか?」

「ミソシルって何ですかぁ?異世界の料理?気になりますぅ」

「明日の朝に作ろうか!」



凄い。時間を操る権能って絶対ヤバい能力なのに用途が凄まじく平和。

力は使い方次第ってのを目の当たりにした気分。そうだな、どう使うかが重要なんだよな。



「そういえばアキ兄さん、料理スキルの派生に『発酵』ってありませんでした?」

「………あった…」

「それ、そっちで作った方が絶対美味くなるやつだろ。まだ覚えてもねえ俺の権能なんざアテにしねえでそっち使え」

「…チーズとヨーグルト作りにしか使ってなかったからすっぽ抜けてたわー…」

「使ってはいたんですね」



これで一通りステータスの確認は終わった。

あとはスキルの経験値稼ぎに散るか、と決まりかけたところでラムとスーから話があった。



『クラフェル様から神託という名の連絡です。クソガキくんの件、解決したそうです』

「………クソガキくん???」

「あ、虎!?解決したのか!」

「じゃあハルのことはもう諦めたんだな?」

『諦めなかったから、領に閉じ込めるって策をとったそうなのだ』

「はあ?諦めなかったの!?あのクソにゃんこめ!」

「待て待て、何の話だ。何が起きてたんだ」



言ってなかったんだっけ?まあいいか。

最初から説明すると、オーレンのダンジョンからか。結構前だなあ…

シェリルVSティムのこと、ゼイレムでディーンさんというオリジンタイガの眷属に会ったこと、ディーンさんが交渉すると言ったこと。

それらをかいつまんで話すと、しょっぱい顔をしていた。以前話を聞いてたはずの森族姉妹も同じ顔をしていた。

この三人、それぞれ粘着ってものに嫌な思い出ありそうだし、そのせいかな…

シルバーは見た目と能力で擦り寄られた経験があるし、森族姉妹も有用な魔道具を持ってるので、礼儀知らずに寄越せとか言われまくったらしい。

全部跳ねのけたんだろうけど、嫌な思いをしたことには違いない。


恐らく、創造神からの神託というのは、交渉の結果についてだろう。

解決と言っていたので気楽な気持ちで詳細を聞いていたわけだけど…



「他のオリジンの眷属まで参戦なんて、そんな予定無かったよな!?さらっとスーの眷属までいるぞ!」

『うっかり話しちゃったのだ』

「どうしてそうなった!どうしてそうなった!」

「私はそれより、イェガー母子の思考回路がわかんないわよ!召喚者って時点で諦めるもんじゃないの!?バッカじゃないの!?」

「オリジン様が遠い存在、ということを差し引いても頭おかしいですぅ。虎の脳ってちっちゃいんでしょうか~それとも脳まで筋肉?」

「リーゼさんめっちゃ辛辣やん」



森族姉妹、毒全開である。

彼女たちはほぼオリジンの眷属のようなものということもり、イェガー家とは立場がかなり違う。

そのせいでもあるだろうけど、僕たちの味方寄りの感性にちょっと嬉しくなった。



「てかさあ、オリジンを舐めてるっていうか、都合のいい時だけ利用しようって軽く考えてるっぽくないか、これ」

「アキ兄さんの意見、わかります。ウルム家に対抗するためにティグム家を用意するところとか、その割には敬ってないところとか、まさに」

「オリジン様が身近にいないと、ここまで増長するの…!?私たちの集落じゃ考えられないわ」

「それに加えて母親の頭が狂ってんだろ。お山の大将気分ってのもありそうだ」

「ああ、イェガー領の領主の妻って、その領内では二番目くらいに偉いんだろうしな。井の中の蛙か」

「その認識のまま、外で振舞ったようなもんだろ。自分の言い分が通って当然みたいな考え方してるみてえだし」

「シルバーもリオもかなり毒づいてるのだよ…ところでいのなか…とは何だ?」

「一言で言うなら世間知らずって意味かな」

「なるほどですぅ」

「…何であれ、あのクソガキにゃんこが二度とハルの前に現れないっていうなら、俺たちとしてもそれ以上は何もしなくていい、よな?」

「ええ、私もそれでいいです。顔見たくないです」



まさか隷属なんて手段を取るとは思わなかった。

そして、イェガー母子の態度を聞いて期待はしてなかったのに、父親がまともであることにびっくりした。

家族の大黒柱であり長である父親が母子を領から出さないと決めた以上、それは絶対だろう。

馬鹿はこっそり抜け出すし、あのクソガキの行動力ならそれをしかねない。が、それを隷属という手段で封じた。

ということは、奴らに会うとしたら、こちらからイェガー領へ出向く以外に手段はない。が、そんな所に用はない。

関わりのない場所でひっそり生きる分には構わない、ということで決着した。

…ハルを見てるとほっとしてるようだ。隷属には思うところがあるだろうが、子供の死や領が滅ぶという結果にならなかったことに安心したらしい。

ディーンさんの言い方から察するに、普通にその手段もありえたみたいだしな。



「…確かに、これだと解決したようなもんか。あー、安心した!ディーンさんにお礼言いたいな」

『もう獣族領にいるですし、そのまま自分の領に戻るみたいです。クラフェル様とタイガを経由してで良ければお礼伝えとくです』

「お、おお、伝言ゲームか。うん、でも伝えといて欲しいかな」

「そうだな。少なくとも、僕たち召喚者組はその結果に納得してる。ありがとうって伝えといてもらえれば。スーもお願いしていい?」

『合点なのだ!』



問題がひとつ片付いてほっとした。

ていうかハルのモテ具合凄いな。羨ましくはないし、ハルだって望んでないだろうけど。



「あれ、それが解決ってことは、ビスムズに向かっても問題ないってこと?」

「確かにそうですね。ディーンさんは奴がビスムズにいるからしばらく来ないで欲しいって言ってましたから、解決したなら行って問題ないはずです」

「…ギルドに微妙に目をつけられてるし、さっさと移動しちゃってもいいかもな」

「ああ、討伐依頼ねじ込もうとしてくるもんな。アキ兄さんも対処大変だろうし…」

「あんた達、銀級への昇級考えてないんだもんね。発ってもいいかも」

「なら残る問題というか、やるべきことはヒャッハー組の捕獲かー」

「そうだな。それ、俺が来た理由だしな」

「シルバー、何日くらいで戻れそうなんだ?今捕まえても地球に戻れないんじゃ捕獲しても意味ないからなあ」

「さあ…二回目だしな。安定するのが早くなるか遅くなるかまだわからねえ。とりあえず一週間を目途に考えてるが…」

「なら、三日か四日は坂下さんに権能の熟練度上げとかレベリングを優先するよう伝えた方がいいですね」

「あたしは布への『刺繍』大体終わってるよ!あとはネロくんが潜んで、それを坂下さんに届けるだけ」



ナズはひとまず三枚用意したらしい。つまり、三人をネロ分裂体に捕獲させて、空間魔法でこっちに転移させると。

必要なら四枚目も作るそうだ。…そうだな、何人回収するか、まだちゃんと決めてないもんな。



「三人なら問題なく連れ帰れるな」

「あと一人二人増やしても大丈夫な感じ?」

「多分問題ねえ」

「…ならさ、向原、今回回収しちゃうか?」

「確かに、残しておいても仕方ありませんしね。唯一所在がはっきりしてる人ですし、いいかもしれません」



現時点で、11人が対象だ。そのうち、向原がいつでも回収出来そうな奴。

そして残り10人のうち三人がラージフールの城でほぼ監禁状態。七人が野放しになっている。

ラージフールにいる三人は一旦手出ししない。やるなら最後。

となれば…向原を含めて八人をシルバーに連れ帰ってもらわなければいけないわけで。



「今回で四人連れ帰って、次回残り四人。その次が最終、ラージフールにいる三人…で、どう?」

「そうだな。三回ならいいだろ。正直、一回につき一人か二人を想定してたから、予定より早く終わりそうでありがたい」

「次回回収してもらう時はとんぼ返りでもいいかもな」

「今回、空間が安定する周期を確認して、時間かかりそうならそっちの方がいいな」

「せやな、こっちに滞在やとどうしてもすぐ回収ってわけにいかんからな」

「俺らも元の世界に戻るの遅くなるしなー」

「…シルバーさんが行き来しなければならないなら、リオ兄さんは元の世界に戻れませんもんね」

「まあしょうがない。『上』の意向でもあるなら従わないと」



そもそも、僕が『何かがある』と知っていながら何も対処出来なかったのが原因のようなものだ。

異世界転移なんて起こしてしまったこと。32人もの生徒が飛ばされてしまったこと。

元凶である芝を捕らえられたのは僕の尽力のおかげ、と報告はしてくれたみたいだけど…

単にあっちが勝手に現れただけだしなあ…

まあ、そんなわけで、この32人をどうにか元の世界に戻すところまでは僕の任務のようなものだ。

冷遇組に関しては、クラーフに残りたい人がいれば残ってくれてもいいけど。

最低、ヒャッハー組の全回収は僕の仕事だろう。シルバーがいないと出来ない仕事って時点で僕いらない子だけどな。



「今のスケジュール、仮案として掲示板に書いといたよ」

「アキ兄さん仕事早い。あ、向原さんとっとと回収してくれって鈴城姉弟が…」

「せやろな。同じ世界にいるのも嫌かぁ」

「坂下さんも、レベル10の権能進化目指すみたいだな」

「消費MP減るだけで大勝利ですもんね」

「大量にいんな…これが冷遇組全員か?」

「そうですよ。19人全員います」

「ちょっといいわね…私も見てみたいわ」

「そうだなあ、僕も錬金調合の召喚者と細工の召喚者と話してみたいのだよ」

「誰だそれ?」

「タークくんと永塚さんだな」

「ナガツカ…さん?ハッ…女!?女なの!?浮気者!」

「何でそうなるのだよー!?」

「召喚者はみんな14歳っていうなら、子供じゃないですかぁ?さすがにないと思いますよ~」

「…それもそうだったわね!」



ていうか永塚さん、ベルさんのこと何とも思ってないと思うからマジで誤解である。

一度も会ってすらいない上、ベルさんのへっぴり飛行光景(画像投稿した)を見て爆笑してたうちの一人だ。

大丈夫…ロマンスは発生しないよ…ていうか、浮気相手にされてるなんて想像さえしてないと思うよ…?


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