161.モンスターハウス
何と言うか、改めて、僕たちって他の冒険者と全然違うんだなって思い知らされた。
そうだな、普通に考えて毎食普通のご飯食べてぐっすり寝るとか、冒険者にあるまじき生活習慣だよな。
必要最低限の栄養補給だけして行軍、なんて僕たちには出来そうにない。
まあもらった携帯食は食べましたけど。まっずいの何の。噴き出すかと思った。
ラムは普通に食べてたけど、全然ぷるぷるしてなかったので美味しくなかったんだろう。
「いや、これ普通に冒険者なら食うやつだろ、そこまで顔しかめんな」
「僕もたまに世話になってるが、果物や木の実の方が美味しいから本当に万が一の時の食料扱いなのだよ」
「ん?そういやアンタは冒険者じゃなかったか。…いや、冒険者になれよ。めちゃくちゃ強いじゃねえか」
「お断りなのだよ。僕は物作りの方が好きだから、どちらかと言えば職人になりたい」
「ああ、なるほどな。目標があんなら無理に誘えねえな」
「…うう、空腹は解消されたし、頑張るかぁ」
「リオ兄、魔道具に反応は?」
「いや、ないな」
方位磁石というか、計測器というか、針のような棒状のものが中に仕込まれていて、隠蔽術の反応があれば揺れるらしい。
が、ここまで微動だにしていない。なら近くにはいないんだろう。
「さっきの二人のように、一ヶ所に動かずにいてくれればいいんですけどね」
「そうだな、お互いに移動していてすれ違ってるのが一番まずい」
「…その可能性はあるが、こっちと違って動きは鈍いはずだ。あっちは負傷者の上、戦力に換算出来るか怪しい奴がいるからな」
「ああ、五人パーティの人たち」
「もっとも、戦力にならねえってよりはここの魔物と相性が悪いって方が適切らしい。だから冒険者としての能力はあるんだ」
「…僕たちも相性はあんま良くないけどな?僕とかほぼ置物だし?」
「魔物を仕留められる相手がいる方に魔物蹴り飛ばす奴は普通に戦力換算出来るわ馬鹿野郎」
「ああ、リオ兄、ベルさんやバッカスさんの近くにテソとか蹴り飛ばしてたもんね」
「自分で仕留めるの無理だからお任せした方がいいかなって…」
スライムとか出たらやってるもんな、アキ兄さんやハルの方に蹴り飛ばすとか。そのノリでやってたんだけど。
五人の冒険者は、魔法系の能力に乏しいらしい。遠距離は弓。範囲攻撃もほぼ無し。
数で攻めてくるオークやマウスは確かに相性が悪いかもな…
道中や部屋も見て回ったが、現時点でまだ見つからない。宝箱がひとつあって開けたけど、薬草だった。
森族を助けた後に再出撃して、二時間ほど。もう完全に夜だろう。
『変動』が起きてから五時間は経っているそうだ。精神状態は大丈夫だろうか。
前兆が出てからということも考慮すると、既に30時間近い。
「…そろそろ、自棄になる可能性が出てきやがったな」
「まあ、助かるかどうかわからない状態が長く続けばそうなるか」
「…随分わかったような口きくじゃねえか。経験でもあんのか?」
「僕自身のじゃないけどな」
「闇、闇が見える発言きた。リオ兄、それ以上言わないで」
うん、まあ、仕事でね、見ましたよねっていう。
自傷なら可愛いものだ、というあたりで察して欲しい。
この状況で一番の悪手は、人に当たり散らすことだ。戦力を削るだけじゃなくて、魔物に察知されかねない。
今が隠れてるような状況だと、魔物に見つかるのはイコールで全滅になりかねないからだ。
それなら、自傷なんかで苛立ちを自分に向けてくれる方がまだ対処しやすい。
一番は、そんな精神状態になってないことだけど。
ダンジョンの構造は不思議なもので、部屋に入るとゲームのようなマップが切り替わるというべき状態になる。
ゲーム画面だと部屋の外の範囲も画面いっぱいに見えるはずなのに、その部分は黒く塗りつぶされた状態になって部屋の中の詳細しかわからなくなると言えばいいのか。
早い話、部屋に入らないとその部屋の状況はわからない。つまり、外から部屋の中が何なのかがわからないのだ。
なのでいくら広範囲の感知系も、部屋の中ばかりは調べられない。
が、千里眼や地獄耳のスキルはかなり効力が弱まるものの、調べることが出来るそうだ。MPも多めに使うらしいけど。
千里眼って壁の向こうさえ視えるスキルだもんな。同系統の地獄耳も似たようなものなんだろう。
もっとも、全てのダンジョンがこうだというわけじゃないらしい。
ただ、このダンジョンに関しては、部屋の中は完全に別のフロアのような扱いになるというだけで。
多分、モンスターハウスもスーとダークなら判別できるんじゃないかな?
バッカスさんにはそれがわからないから、全部の部屋を開けるつもりらしいけど。
言った方がいいのか?いやでもスーはともかくダークの話をするわけにもいかんか。
『…まずいのだ、次の部屋、モンスターハウスみたいなのだ。大量の魔物の影が視えるのだ』
『マウス系みたいだね。甲高くて不快な鳴き声がするよ』
考えたそばからモンスターハウスかよ!
なお、魔物以外はいないそうで、この中に救助対象の八人はいないのが判明している。入ってしまって全滅という最悪の事態は考慮しない。
避けられる戦闘は避けた方がいい、けど、どう説得したものか。
「バッカスさん、その部屋は開けない方がいい」
「…あ?最初に全部の部屋を確認するっつったろうが」
「多分モンスターハウスだ。しかも腹立つことにオークじゃなくてマウス系!オークの群れなら俺は喜んで突っ込むけどマウスはいらない!」
「いや何言ってんだお前」
「勘以外に根拠は説明出来ないけど、オークがいないのは確実だから!まったくワクワクしない!」
「アキ兄…この食材バーサーカーめ…」
「今までの見る限り、オークがいねえって点はまあ信用してもいいが、それは部屋を確認しねえ根拠にはならねえよ」
「っあーーーーーー…」
無情。だが致し方なしとも言える。
結局その部屋の扉はバッカスさんによって開かれ…
「…ッ!?本当にマウスのモンスターハウスだと!?」
「信じてくれてなかったー!」
「いや、普通信じないでしょ…」
「げぇえ!テソまみれなのだよ!めんどくさいやつ!」
「うわー!マウスズ一匹もいないじゃん!あいつなら僕でも対処出来るのにー!」
「ギチチ、ヂュゥウ…」
「ギキ、ギィイイ…」
100匹を超えてそうな数の、テソが密集していた。
さっきの20匹なんて可愛いもんだった。当然のように、部屋に入ってきた僕らを敵と見做したらしい。
なお、モンスターハウスについては、開いた時点で部屋の中に取り込まれる。
扉を開けてモンスターハウスだからさようなら!みたいに回れ右とか出来ないのである。
案の定、部屋を開けた直後は部屋の外にいた僕たちもいつの間にか部屋の中にいた。扉は閉ざされてるので脱出も不可。
慌てて全員で武器を構えるが、さすがに数が多すぎる。四方八方、全部ネズミだ。微塵も嬉しくない囲まれ方。
これが犬猫だったらまだいいのに…いや魔物なら何だとしても危険か。
「ギ、ヂョォアアア!!!」
「ギキャォアア!!!」
「ギチギチギチィイイ!!!」
「う、うるせーーー!!!」
一匹でさえうるさいのに100匹超えのネズミの威嚇音なんて聞くもんじゃない!耳が死ぬ!
何かダークが『ぴぇ』って言ったけど、地獄耳スキル持ち、大丈夫かこれ?
一斉に飛び掛かってきたので、もうとりあえず傍に来たやつからぶちのめすしかない。
「くそが!死ぬなよお前ら!」
「ごめん聞こえない!」
何か言っただろうとはわかるけど、マジでネズミの鳴き声にかき消されて何言ってるかわからない。
やばいなこれ、連携取れないんじゃないか?少なくとも声かけで合図、という方法は使えない。
え、これ…本格的にまずいのでは…?
いつものメンツならまだしも、共に戦闘をこなした回数が少ないベルさんとバッカスさんとは声かけなしで連携できるとは思えない。
僕は一応『空間把握』があるから、上から俯瞰して見る、くらいは出来るけど…
ベルさんが杖をフルスイングして一匹殴り飛ばし、吹っ飛んだテソにぶつかって二匹のテソが一緒に吹っ飛んだ。
ハルは針腕輪から出した針を飛ばして目や口なんかの柔らかい部分を狙って攻撃している。効果はあるようで、何匹か仕留めている。
ナズもどちらかと言えば、テソを弾き飛ばす形で鞭を振るっている。足元を狙った牽制などは、身軽なテソ相手じゃ効果が薄いんだろう。
アキ兄さんはテソしかいないとわかった瞬間、属性剣に持ち替えてそれを振るっている。物理より魔法攻撃の方がいいと判断したようだ。
さすがと言うべきか、バッカスさんは一振りで2~3匹仕留めている。大振りなので隙は大きいが、それだけに威力も範囲も貫通力もあるんだろう。
地味に従魔のみんなも数減らしに協力してくれている。スーの翼撃やばいな。それでもヂュンの姿なので控えめにしてくれてるようだが。
―――ああ、クソ、物理壁とか使えないって不便だな!
スキルについては封印してるため、衝撃波も物理壁も糸操作なんかも無しだ。ついでに権能もなので倍化や分身も封印。それが、ここまでの制限になるなんて。
強撃や急所攻撃くらいなら発動しても誤魔化せるけど、これだけじゃ心許ない。
…いや、この状況だ。スキル使わないように、なんて言ってる場合じゃ。
そんな風に迷ってる間に、状況が悪化した。
「ご、ぉあっ!」
「バッカスさ…!」
ナズは中距離攻撃と魔法攻撃くらいしか攻撃手段がない。
加えて身体強化の派生などもないので、接近されると弱い。
そうされないように普段は鞭術や糸紡ぎで敵を寄せ付けないようにしている。ラテも協力して。
けれど、今回のように物量が多い場合は捌ききれない。
一匹のテソが攻撃を搔い潜り、ナズの元へ駆け、そのままナズの足を齧り取ろうとして。
…それを、バッカスさんが庇った。
血が飛び散り、脛の辺りを齧り取られ…抉れているのかもしれない。テソの口から零れた赤黒いものは何かなんて考えたくもない。
何であれ、最大戦力であるバッカスさんが負傷したのは、さすがにまずい。
「―――っこのぉ!」
「ヂ、ァ…!」
自分に襲い掛かろうとした…バッカスさんの足に噛みついたテソは、ナズの鞭を喰らい、消えてドロップに変わった。
軌道が不自然だったので、糸操作を使い、恐らく強撃も入っている。
マスフ以来の初討伐、なんて言っていられる場合でもない。
そして、ここまで劣勢ならスキルを使わず、なんて言ってられない。
最大戦力でもあるバッカスさんの負傷を見て、そしてそれがナズを庇ってのことで。
きっと全員が同時にそう判断した。ここからは全力で対処すべきだ、と。
『…詠唱破棄を併用した回復魔法でバッカスくんを回復するです!』
『任せるのだ!わたしは詠唱短縮しかないからラムほど早く魔法が使えない!』
『あそこにいるテソの集団が、土魔法を使おうとしてるですの!みんな気を付けて!』
『いかん、詠唱が完了する!みな、足元に注意せよ!』
『ナズさんとバッカスさんの足元、『地穴』が発動するよ!』
テソ大合唱の中でも『念話』だけはちゃんと聞こえるのか。
いや、バックミュージックがネズミの鳴き声だからうるささは変わらないけど。
ていうかテソって土魔法使うのかよ!『地穴』はそのまんま、落とし穴のことで…え、待って、それやばいんじゃ。
ダークの言葉を聞いたナズが、蹲ってるバッカスさんに咄嗟にしがみついた。
バッカスさんは足の痛みが消えたこととナズの行動に不思議そうにして…
「っうおあああ!?」
「フギャーッ!?マジモンの落とし穴やんけーっ!!!」
『あるじさまーっ!』
『捕まって!』
ナズは恐らくバッカスさんを連れて『地穴』の範囲から逃れようとしたのだろうが、間に合わなかったようだ。
二人揃って『地穴』に落ち、すぐさまラテの糸とダークの触手のようなものがナズとバッカスさんの体に絡みついた。
ああ、影だから?影を実体化させて伸ばして絡めとったと。やっぱりオリジンはチートだった。
よく見れば、その影はベルさんの影から伸びている。ダークはベルさんの持ってるペンダントの中にいるからそうなったのだろう。
白い糸はともかく、黒い意味わからん触手にバッカスさんは未だ状況が飲み込めていないらしい。わかる。
『引き上げるよ、ラテさん!』
『了解ですの!いっせーの!』
『せっ!』
「う、うわーん!助かったー!ありがとラテ、ダークくんー!」
「な、なん、何だ、誰の声、だ…!?」
「ごめんバッカスさん手伝って!…って聞こえてないかこれ!」
念話はともかく、僕らの声は聞こえてるか怪しい。
いやマジでうるさいな大量のネズミ!アキ兄さんは衝撃波解禁したし、ハルも分身苦無投げまくってる。
スーも翼撃でガンガン仕留めてるし、ラムだって鞭術でしばき倒している。数は既に半減してるだろうに、未だこのやかましさ。
『…っええい、またしても魔法を使おうとしておるな!』
『サンちゃん、そっちの集団は主が戦輪で詠唱キャンセル狙うみたいなのだ!左のテソの魔法を邪魔してほしいのだ!』
『あいわかった!咆哮をぶちかまして阻止しよう!』
テソの毛皮は石並の硬度らしい。逆に言えば石程度でしかない。
遠心力も加えた戦輪での攻撃なら、充分ダメージは狙える。一発で仕留められるかは怪しいけど。
このモンスターハウスはテソがいるせいか、仕様なのか、木が少なくて地面がほとんどむき出しだ。
火を使っても危険は少ないので、ハルも僕も投擲玉の火玉などもガンガン使っている。
多少範囲攻撃になる上にテソは火に強いわけでもないので普通に効くのである。
鉄鼠っていうけど、牙が鉄並の硬度ってだけらしいからな。
やや戸惑いつつも、バッカスさんも参戦してくれている。
どうやら従魔組は念話をバッカスさんにも届くようにしてくれたようだ。
これで多少は僕たちの行動が読めるだろう。後で説明するから今は堪えてくれ…!
「ギ、ギャァアア!!!」
「ヂュギェエエエ!!!」
「もおおお!うるせええええ!」
「黙らんかいネズ公があ!」
「半減してもこのやかましさ!公害か!」
どれだけ叫んでも近くの人にさえ声が届かない。むしろ自分の声さえ届いてるか怪しい。
それでも叫ばずにはいられないのは、ストレスからだろう。もう耳イカれてるよな、これ…
飛び掛かってくる時も攻撃されてやられた時も絶叫しやがるこのネズミ。
堪えてたけど僕も無理だ。思いっきり叫んでやろうか。
「ギヂュァアアア!!!」
「うるっせえええええ!!!」
思わず真正面から飛び掛かってきたテソに叫び返してしまった。
頭の冷静な(?)部分が口より先に足を繰り出せと思わなくもないけど、うるさすぎて無理だった。
鳴き声に怒号を返したところでテソは痛くも痒くもないだろうに。
と思っていた時期が僕にもありました。
《『咆哮』スキルを取得しました》
「…ヂュッ…!?」
「嘘だろ!?」
口を開けて噛みつこうとしてたであろうテソが驚愕したように震え、動きが止まった。
まあ飛び掛かって来てたのでその勢いは殺せてないけど、こっちに向かって来てるだけなら蹴り飛ばせばいい。
思った通り、こっちが繰り出す蹴りには一切反応できず、無防備状態で思い切り攻撃をくらったことで吹っ飛ばされ、ドロップに変わった。
まさかここで新スキル…咆哮ってスーやサンが持ってたな。
あ、あと高浜さんの初期スキルでもあるのか。ちなみに彼女は犬の遠吠えの真似で繰り出すそうだ。へえ…としか思わなかった。
何であれ、対処法が増えたのはありがたい、か?レベル1じゃそうそう効果はないだろうけど。
それより戦輪での攻撃を繰り出すだけで無機物干渉スキルと投擲スキルに経験値がガンガン入ってる気がするな…
ていうか皆、スキルレベルも基礎レベルも上がってるだろこれ。
所々テソの動きが鈍いと思えば、ダークの仕業だった。テソの影から触手のようなものが伸び、絡みついている。
これのおかげで素早さという武器が殺されている。素早くないテソなんてでかくて丈夫で土魔法使うだけのネズミ…いや充分脅威だな。
『また魔法来るです!多分『地穴』です!』
「ワンパターンだな!馬鹿の一つ覚えか!」
『あ、ベルとバッカスさんの足元だよ。ぼく助けないから頑張ってベル』
「ギャーッ!?何故なのだよー!?」
「う、うおあっ!」
「またバッカスさん狙われてんの!?何で!?」
『多分、テソにとってこの二人が一番脅威と見做されてるから集中攻撃されてるのだ』
バッカスさん、前衛に復帰してしまったばかりに…
二人の足元に円形の穴が出来てそこに落ちてしまった。なおほっといたら30秒程度で穴は埋まるそうだ。ナズが落ちた穴は既に塞がっている。
それにしてもダークがベルさんを助けないって妙だな?何か考えがあるんだろうか?
と思ったら、それは正しかったらしい。
『ほら、頑張ってベル。あとちょっとだよ』
「しっ、心臓がっ、止まるかと、思ったのだよ…!」
「ま、魔族…ッ!?」
『あっベルくんが飛んでるです』
『そんな力まなくてもお前ならもっとちゃんと飛べるのだ…』
「あー、ベルさん自力で飛べたやんおめでとー!」
「ありがとう褒美はご馳走がいいのだよ!」
「オッケー任せろ!」
めちゃくちゃガニ股で羽ばっさばっさいわせながらベルさんが飛んでた。
おお、へっぴり腰直ってないけどちゃんと飛べたじゃん。バッカスさんはベルさんの小脇に抱えられてた。
ダーク、これを狙ってたのか。スペック自体はあるから、あとは飛べないのは気持ちの問題みたいなもんだったしな。
そういえば、ダークにとってベルさんは教え子か。飛行スキルについても知ってたか、ラムたちから聞いたのかな?
こんな手段に出るあたり、案外スパルタ教師なのかもしれない。
いや、いざとなったら助けるつもりではいたんだろう。バッカスさんもいるし、何よりダークも一緒に落ちてるわけだから。
ていうかバッカスさんにベルさんが魔族ってバレてら。もう色々バレてるからひとつくらい多めにバレても誤差みたいなもんか。
…そういえば、会話出来るくらいには騒音の原因もといテソの数が減ってるな。あと少しで殲滅できそうである。
「ラストスパート行くぞ!」
「もーっ!ネズミにいい思い出がないー!」
「マルルちゃんは可愛かっただろ!」
「せやったわ!ネズミでも獣族は別!」
「まあ動物のネズミは不潔の温床ですからね!殲滅したらぁドブネズミ野郎!」
「魔物のネズミも害獣だ殲滅で問題ない!」
「あーーー!声が届くってステキ!」
気の抜ける叫びとともにテソ殲滅に乗り出した。
もう残り20匹きってたからな。完全に消耗戦である。
戦いの疲労とは別の疲労でげんなりしたバッカスさんの顔が見えたけど、今はスルーしておく。
「あとで、絶対、説明してもらうからな…!」
うん、後で説明するからごめんな!
マルル。オーレン出身の獣族。鼠種の女の子。素早い。
シェリルと一緒に奴隷商人に奴隷にされてた。今は家族とともに平和に過ごしてる。




