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中級者ダンジョン14、攻略中。

一階層は地中と言うべきか、周りは木の根が多いフロアだ。森の地下なのかもしれない。上下左右、そこかしこに木の根が張っている。

ほぼ土なので土属性の強いフロアなのだろう。根っこが多いので火はほぼ使えない。火玉が使えない子になってしまった。

が、ラテにとっては得意分野のフロアらしい。森出身だからか。地下もアリなのか。


いくつか部屋は見たものの、未だ救出対象者には会えていない。



「くそ、頼むからモンスターハウスには入っててくれるなよ…!」

「やっぱりオーク系の群れになるんですか?」

「え…楽園じゃね?」

「アキ兄」

「ごめん」

「…まあ、オークまみれの部屋もあるが…」

「…『が』?」

「案外、テソまみれの方が厄介なんだよな」

「…ん?待って、その言い方…モンスターハウス、まさか一部屋じゃないのか?」

「三つあるな」

「嘘っっっ!?何ですかその鬼畜仕様!」

「中級者ダンジョンやだもう!」

「ねえ、テソって何?」

「ネズミ系」

「嫌ああああ!」

「落ち着いてくださいナズ姉!マスフとは全然見た目違いますから!」

「ほんと!?なら大丈夫かな!?」

「…マスフの方が簡単だろ」

「いやあ、マスフの顔が、ナズにとって嫌なオッサンを連想するみたいで。初心者用ダンジョンで出た時、暴走したんだよな。俺ら前衛が出る前にナズが殲滅したよねっていう」

「そういう意味で嫌がってんのかよ」

「何であれ、ネズミの魔物は集団でかかってくるから面倒なのだよ」



一階層のモンスターハウスは、オーク系かマウス系のどちらかの群れらしい。

同時に存在する部屋の種類はランダムで、オーク二部屋かマウス一部屋、もしくは逆のこともあると。

一度殲滅すれば一時間は復活しない。逆に言えば一時間で復活してしまう。

そして以前オーク部屋だった場所が、リポップ後はマウス部屋になってることもあるそうだ。



「一時間か…こっちでモンスター部屋を三つ全部潰せば数十分は救出する人たちの脅威を除けるってことだな」

「お前らが思った以上の戦力だったのは確かだが、やるつもりはねえぞ。銅級のガキを危険にさらしてたまるか」

「アキ兄さん、肉が手に入るとか考えてるだろ。駄目だぞ」

「あ、案のひとつとして、どうかなって思っただけで…」

「全部マウス部屋の可能性だってあるでしょうに」

「何それ旨味ゼロじゃね?何だそのクソ仕様。クレーム窓口はどこだ、ダンジョンコアか?」

「ダンジョンにそんな文句言っても仕方ないだろアキ兄さん…」

「テソは素早い上に防御力が高いから面倒なのだよ。鉄製の武具も普通に齧るし、魔法攻撃の手段がないと面倒くさい」

「げ、それ系か。じゃあ無理だな。モンスターハウスをあえて探すのは無しにしような、アキ兄さん」

「そだな」



というか、ひとつの階層に色々な魔物が混じってる。こういう所も初心者用ダンジョンと違うな。

初心者用は、ある程度同じ傾向の魔物が出てきたから対処はしやすかった。

スライム系とか、キノコ系とか。でもここはオークにマウスという共通点のない魔物が出る。

攻撃力が高く、防御力の低い、鈍重だがしぶといオーク系。

攻撃力が低い代わりに防御力と素早さが高いマウス系。

しかもオークの中にはアーチャーやメイジが混ざることもあるという。

攻略法がバラバラなのが一気に出たら崩壊しかねない。なるほど、中級者ダンジョンに定義されるわけだ。

それに数ってのは、それだけで脅威だからなあ…


慎重に進んだものの、それでも魔物と会敵しないわけじゃない。

従魔組も偵察はしてくれたが、全てを避けるのは無理だ。が、先制攻撃をするという形で戦闘での有利をとれたので、貢献度は半端ない。



「…思った以上に役立つな、お前らの従魔。熱感知のレベルが高いのか?」

「ふふん、ウチのラテは最高だからね」

「凄いでしょう、サンは可愛くてすべすべで偵察も出来るんですよ」

「可愛くてすべすべ関係あるか?」

「あります」



本当は魔力感知もあるので、その分精度が高いだけである。

けどそれを言う訳にもいかないので、親馬鹿(?)で誤魔化したのだろう。…誤魔化した、んだよな?素か?



『…ぷ?』

『…んん?』

『あれ?あそこ…何か…』

『…何も見えぬが、熱源を感じるな』

『…二人分の、呼吸音みたいなのが聞こえるよ』

「え、みんなどうしたんだ?」

「あん?何だ?」



ラム、スー、ラテ、サン、そしてダークまで念話で参加してきた。

全員魔力感知持ちだし、何かを察知したのかもしれない。

そして熱源と呼吸音ってことは、確実に誰かがいるってことじゃないか?

…姿は、見えないが。


曲がり角、木の根が多く張っているあたり、感知持ちがそこを気にしている。

従魔が全員同じ方向を見たことで、バッカスさんも念話が聞こえないながらも察したんだろう。



「何もねえ、が…まさか…」

「ダンジョンの仕掛けって可能性はありませんか?」

「一階層に罠の類はねえ。オークもマウスもトラップ仕掛けるこたあねえ。その心配はいらねえ」

「なるほど」

「隠蔽の魔道具か薬か…それで隠れてる可能性があるな。しかしこんなとこに10人いるわけねえ」

「一人か二人なら可能性あるんじゃないか?」

「…分断されたか、クソ」



ダークが言うには二人分の呼吸音だから、生きてる人が二人…で間違いはないだろう。

そしてこんな曲がり角、大人数が潜んでたらさすがに魔物に気づかれる。

僕たちが近づいても気配が変わった感じ…警戒の素振りがないらしいので、十中八九気絶してるんじゃないか。



『ヒト族が二人、気絶してるようなのだ』

「近づいて反応がないなら気絶してるんだろ。バッカスさん、普通に触っちゃっていいやつか?」

「あ、ああ、そうだな。認識が出来りゃ隠蔽は剥がれる」



スーは千里眼持ちだから、見えないはずのものも見えたんだろう。

鑑定を使えばわかるかもしれないけど、今はいい。

こういう時、人間だとしても千里眼持ちのアイさんや看破スキル持ちの坂下さんなら見つけられたんだろうな。

念のためということで、バッカスさんとベルさんが『見えない誰か』に触れることになった。

まあ、運ぶとしたら上背あってがっしりしてるこの二人だろうしな。



「…ん!?」

「おお、珍しい…こともないか?まさか森族とは思わなかったのだよ」

「え、森族って…あ!」

「ん?何だ!?」

「えええ!?知ってる、あたしらこの人たち知ってる!」

「はあ!?」



バッカスさんとベルさんが該当の二人に触れて、動かしたことで僕たちにも姿が見えるようになった。

そして見えたのは、プラチナブロンドの長髪と、そこから見える長い耳。

どう見ても負傷して体力が尽きたであろう状態の、森族の女性が二人。


…この人たち、ガレメナで奴隷商人に捕まってたぽやぽや森族じゃないか!

あれからすぐガレメナは出たらしかったけど、ゼイレムに来てたのか。もしくはこのダンジョンに来てたか。



「ガレメナでちょっとだけ話したことがあるんだ。森族珍しかったから覚えてるけど、この二人が俺らを覚えてるかはわからない」

「ともかく、運びましょう。セーフティエリアは遠いですが、戻ります?それとも今まで入ったどこかの部屋に一時避難します?」

「…ここまでで作成した地図見せてくれ」

「はい」

「…遠いがセーフティエリアに戻る。ここまで通った部屋は、魔物が発生するし場所が悪い」

「わかりました」

「この森族さんくらいなら、あたしでも運べるかも」

「…よし、リオ、ナズ、お前らで運んでくれ。他のメンツは魔物の警戒だ。牽制は…悪いがレスパイダーに一任する」

「キー!」

「了解だって」

「助かるが、知能の高いレスパイダーだな…」



そんな感じで、バッカスさんの指示のもとセーフティエリアに戻ることになった。

ナズは横抱きで(薬箱リュック背負ってるしな)、僕は背負う形で進んだ。たまに戦闘中こっちきた魔物は蹴り飛ばしたけど。

この森族の二人はどちらも弓使いらしい。そういえばバッカスさんも弓使いがいるとか言ってたな、この二人か。

魔法使いでもあるようだけど、今MPが残ってるかどうか怪しいな。

むしろ、隠蔽の魔道具でMP使い果たしてマナ酔いで気絶してた可能性すらある。


早足でセーフティエリアまで戻り、バッカスさんが出していた寝床台に二人を寝かせる。

寝ている相手にポーションは誤飲の危険があるため、振りかけるだけにしておいた。

目に見える傷は回復したけど、目は覚まさない。

バッカスさんの指示でダンジョンの外にいる冒険者を二名連れて、アキ兄さんとハルが戻ってきた。



「連れてきたよ、バッカスさん」

「ああ、ありがとよ」

「救助対象者、見つかったんですね、バッカスさん」

「とりあえず二人だけ発見したが、あとの八人はまだ不明だ。この二人が知ってる可能性もあるが、気絶してて話聞けてなくてな」

「わかりました。私たちで見ています。バッカスさんたちは…」

「また潜る。今度こそ全員見つけられるといいが…」



女性冒険者が二人、どちらも負傷しているが、軽傷の部類ということでポーションは使っていないそうだ。

もっと酷い怪我の人に使うため、こうして我慢してるんだろう。いい人すぎる。

あと、森族の二人が女性なので同性が来てくれたらしい。



「バッカスさん、これを。私たち、ここに待機してますので、何かあれば連絡してください」

「近くでしたら助けに行けます。ここは一階層ですしね」

「…MP尽きかけてんだろ、無理すんな。まあ、魔道具は借りとくが」

「あー、通信の魔道具か」



レンドルさんから借りたことがあるやつだ。

ダンジョンで使う場合、同階層なら通じるそうだ。そうか、他の階層だと通じないのか。

そうして再度突入するかと考えてると、場違いな声がした。



「あれぇ~…見たことある人がいますねぇ…」

「うぉあっ!?」

「あー、思い出しましたぁ。ガレメナで奴隷商人から助けてくれた子たちですねぇ」

「ぅ、うおお、起きてた…!びっくりした…!」



マジでびびった。

まさか起きるとは思わなかった。

すげー変な声出ちゃったよ。まだ心臓バクバクいってる。

ポーション使うために近くにいたせいか…離れとけばよかった。



「会ったことあるっつってたが、どういう会い方だお前ら…」

「あたしらだってあんな出会い方するとは思ってなかったよ」

「また助けてくれたんですかぁ?あ、妹もいる。よかったぁ…あのですねぇ、申し訳ないんですが、あと八人、お願いできますかぁ?」

「…八人、居場所知ってんのか!?」

「わぁびっくり。おじさんは誰ですかぁ?」

「この人はバッカスさん。金級冒険者だよ。俺たち、この人の指示に従ってこの階層で行方不明になってる10人を探してたんだ。さっき、二人を見つけたとこ」

「あと八人を再度探しに行こうって話してたところだったんです。もし居場所に心当たりあるなら教えてもらえませんか?」

「そうだったんですねぇ…MP余ってますかぁ?多分、他の人たちも隠れてると思うので…これ、使ってくださいな」



これ、と言って差し出してきたのは、方位磁石のような形をしたものだった。

バッカスさんが言うには、探知系の魔道具だそうだ。

特定の隠蔽が施されたものを察知できるもの。ただしMPの消費が少し多いという。

彼女たち森族特有の隠蔽の術…というか、魔道具を使って潜んでいたらしい。

高レベルの感知系持ちでないと見破れなかったレベルの隠蔽…森族ヤバイな。



「オークは女性を嗅ぎつけますし、テソも嗅覚がそこそこ。…隠蔽の魔道具でも使わないと、見つかると思ったんですよぉ」

「…いや、大正解だ。あんな道の曲がり角、隠蔽術がなきゃ即見つかって殺されてたはずだ」

「バッカスさん、僕こう見えてMPそこそこあるから、その魔道具僕が使うよ」

「リオが疲れたら僕が使うのだよ」

「じゃあベルさんが疲れたら私が」

「その次はあたしかな?」

「俺MP少なくてごめんな!」

「…すまん、オレもあまりMPに余裕なくてな。任せていいか、リオ」

「もちろん。置物よりは働かないとな」

「…任せて、いいですかぁ?力及ばずで申し訳ないですぅ」

「いや、これ以上ないくらい助かった。あんたはもう休んでてくれ。シーラ、セリーヌ、ここは任せていいか?」

「「はい」」



本当はベルさんや魔物組のMPの方が豊富だけど、それ明かすわけにはいかないからな…

それに、この中で一番役に立ってないのは僕だ。ちょっとは役立ちたい。


そして女性冒険者はシーラさんとセリーヌさんと言うらしい。

魔道具を託してくれた森族…リーゼロッテさんは限界だったのか、寝てしまった。

どうやら魔物の集団に襲われた時、彼女と妹が囮になり、隠蔽術を八人に渡して別れたらしい。

襲ってきた魔物はどうにか殲滅したが、そこで力尽きたのだろう。

なので、八人の行方は彼女にもわからないそうだ。逃げててくれるはずだと信じてはいるようだが。



「虱潰しに変わりはないかー」

「まず、さっき森族の二人がいたあたりまで行くぞ。近くにいるかはわからねえが、指針にはなる」

「はーい。八人は一緒にいてくれるといいな」



急ぎ足でさっきの場所まで向かう。

森族の隠蔽は、森の恩恵…ここでは、木の根が多い場所の方が効果が高いそうだ。

だから木の根が重なってる場所にいたのか、あの二人。

その性質を知っていれば、他の八人もそういった場所にいるはず。

とはいえ、そんな都合のいい場所があるものだろうか?特に八人も隠れられる場所となれば。



「バッカスさん、さっきの話で気になったんですが…オークって女の人見つけるの得意なんですか?」

「ん?ああ、そう言われてるな。厄介な質だよ」

「ダンジョンにいるオークも女性を襲ったりする、んでしょうか…?」

「いや、そういう意味で襲うのは野生のオークだな。ダンジョンのオークは繁殖しねえから」

「え、そうなんだ?」

「ああ、だが、女を見つけるのが得意っつー性質は持ってる。つか、オークは女と強い奴を求める魔物でな」

「それは僕も聞いたことがあるのだよ。オークは男しかいない場合、一番強い奴に向かってくると」

「うわ、ってことは戦闘狂なのか」

「ああ。だから野生のオークは繁殖優先、ダンジョンのオークは戦闘優先で襲ってくる。このメンツだと、オレか、ベル優先かもな」

「僕はオークのこと、味しか好きじゃないのだよ。こっち見ないでほしい」

「俺もー」

「それ、大半の奴がそうじゃないか?」



僕だってオークの好きなとこなんか味だけだよ。

ちなみにオークのオリジンはかなりの武人気質らしい。強い相手と戦うのが大好きなバーサーカーだそうだ。

よくドラゴンとやり合ってたのだとか。…待って、ドラゴンとやり合うってヤバくないか?

ラムやスーはオークのオリジンを見かけると戦いを挑まれる前に逃げ出し、ダークは影に引っ込んで逃げたと。

ああ、うん、同格のオリジンでさえ逃げ出す戦闘狂なのか…ヤバイな、絶対会いたくない。


森族の二人がいたあたりまで来ると、ラテが警戒の態勢をとった。



「曲がり角の向こうに魔物いるっぽい」

「チッ、戦闘態勢とれ。前衛は前に来い」

「またオークかな」

「いや、これは…マウス系だ。足音が軽い」

「ゲッ」



バッカスさんの見立ては正解で、マウスズとテソというネズミ系の魔物が出た。

マウスズは所謂大ネズミ…デカいネズミで、テソは鉄鼠だと思われる。毛が固く、防御力が高い。

大きさはマウスズの方がデカいが、むしろ脅威はテソの方らしい。

何であれ、ネズミという特性上、群れで襲ってくる。テソは1~2割だが、自己回復力が高いため放置すると怪我が治るという。

絶対HP自動回復とかのスキル持ってるだろそいつ!

幸い、普通のネズミと言っていいのか、いつかのマスフの顔とは似ても似つかないため、ナズのバーサーカー化は無かった。

それはそれとして、ネズミは嫌いなので嫌がってはいたが。


一度の戦闘で20匹以上出るのか。ネズミやばいな。経験値も、多分やばいけど。

さっきのオーク集団もかなりの集団だった。このダンジョンはそういう仕様なのだろうか。



「ドロップは毛と歯か。いらんな」

「まあ旨味のねえヤツだろうさ。進むぞ」

「はあい」

「テソはたまに良質の鉄鉱石を落とすが…無かったのだよ…」

「おい、ドロップは放置だぞ放置」



ごめんな、アキ兄さんが肉を欲しがったばかりに…ドロップ集めたがる集団って思われたかな?

肉に関しては間違ってないけど、それ以外は別に集めはしない。余裕があったら拾って、ラムのおやつかタークくん行きだったりするくらいか。



「そういえば、さっきの二人とバッカスさんて会ったことないのか?」

「ああ、話に聞いただけだな。つか弓使いの姉妹って情報しか聞いてねえ。森族とは思わなかった」

「じゃあ、あとの八人は?」

「そのうちの三人は知ってる。救出に行った奴らだな。腕の立つ奴らだよ。あとの五人はこの辺の町の冒険者じゃねえから知らねえ」

「ああ、このダンジョンは付近の町以外の冒険者もいるのだな。旨味のあるダンジョンだと色んなところから来るそうだが」



五人はひとつのパーティを組んでいて、男四人女一人だそうだ。

道中で負傷し、ボス部屋手前のセーフティエリアにかろうじて辿り着いたが、そこで倒れたと。

たまたまいたパーティに下級ポーションを分けてもらい、多少の傷は癒えたが完全復活とはいかず。

自分たちにこのダンジョンは早いと判断し、外に救援を出し、休んでいたあたりで『変動』が起き、巻き込まれたそうだ。

運が悪すぎる…

ただ、救援を出していたのが良かったのか、三人の冒険者が駆け付けてくれ、合流して今脱出を図っているはずとのこと。

なので、今このダンジョンにいるのはその未熟な五人パーティと、熟練の三人の冒険者という組み合わせ。

森族の二人は同じくセーフティエリアにいたそうで、それで途中まで一緒にいたのだろう。


あまり大人数での移動は移動速度の問題もあるし、ダンジョンの狭い道中ではうまく戦えない。

そういう意味もあって、セーフティエリアにいた22人は10人と12人のチームに分かれて脱出を図ることにしたそうだ。

そのうちの12人が無事に外まで出られたということだろう。

マッピングの余裕などあるはずもなく、ただガムシャラに駆けてきたため、元セーフティエリアまでの道もわからないという。

なお、通常だと一階層はスタートからボス部屋手前に辿り着くルートは複数あるが、いずれも迷わず進んで一日半の道のりだそうだ。

変動の前兆が出てから24時間で脱出は難しかったのだろう。



「外に救援とか出せたんだ?」

「中級者や上級者ダンジョンはな。初めて行く奴らにはギルドから救援用の使い捨て魔道具が貸し与えられる」

「ああ、今回のように攻略は無理って判断する人たちのためのものですね」

「そうだ。大抵の奴は舐めんないらねえって突っぱねるんだが、そいつらはちゃんと持ってたんだろ」

「中級者用は初心者用とかなり違うらしいのだよ。安全策としてそういうものがあるのはいいな」

「まあ、実力に見合わねえダンジョンに挑んで…ってのがあまりに多くてな。そうなったらしい」

「…確かに、こんなとこ俺らだけじゃ怖くてホイホイ挑もうと思わんよな」

「そもそも銅級で低レベルって自覚してんのに中級者なんて逆立ちしたって思えんだろ…」

「どう考えてもあたしら初心者だもんねえ」

「…お前らなら何だかんだ攻略しそうって思うのはオレだけかね」



いや、ここ30階層とかあるんだろ?攻略しないよ…

一階層目から割と面倒くさい魔物のラインナップだしさ。



『おなか、空いてきたです…』

「ハッ、ウチの子がお腹空かせてる!何てこった!」

「…ああ、もう日が暮れてる時間だろうしな。スライムには悪いが、メシ食ってる暇は…」

「ご飯が…食べられない…だと…!?今日、おやつも食べてないのに…ッ!」

「くそ、言われてみればもうそんな時間か。体内時計が正確なせいで空腹が…」

「毎食規則正しく食べてきた弊害ですね…あ、お腹鳴った」

「うえー、成長期なのにー」

「…お前ら、今までどういう生活環境だったってんだ…!?冒険者のくせに規則正しく生きすぎか!」

「うう、僕まで腹が減ってきたのだよ…数日で生活習慣が塗り替えられた…!」

「お前は大人だろ我慢しろ!」



…思えば、毎食おやつきっちり食ってるし日付変わる前に寝てるな?

健康優良児の生活習慣だ。まさか、こんなトラブルでそれが歪められるとは…

これでも食ってろってバッカスさんから渡されたのは、冒険者御用達の携帯食。マズイと噂の携帯食。

まだ干しシブベリーの方がマシじゃないか!ラムなんか絶望してるぞ!



ガレメナでシェリルを狙う奴隷商会探してる時に潰した奴隷商会に捕まってた森族と同じ人たち

捕まっちゃいましたまあいっか~という感じだったボケボケ姉妹

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