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戦斧の追憶2

 アスールに負けてから、俺はひたすら鍛錬に励んだ。いつか来る彼との再戦の為に。


 しかし絶望的な差は全く埋まりそうもない。


 そんな俺はある日自国で行われた武闘大会を見に行った。


 その武闘大会は、十八歳以上の成人だけが出れる大会で、もちろん観客として参加できるのも十八歳以上。


 しかし国内の同世代にすでに敵なしとなっていた俺は、何か強くなるためのきっかけがあるのではないか、そう思った俺はローブで顔を隠し裏口の番兵を気絶させ闘技場に侵入した。


 場内に広がっていた光景は想像を絶するものだった。


 人間を遥かに超えるスピードで拳をぶつけ合う闘士達。


 その拳には光が宿っているようで、彼らが拳を振るい蹴り技を放てば、その軌道に沿った光の線の残像が目に焼き付く。


 そこで俺は思った。


 俺が強くなるにはこの術を会得することだと。


 翌日皇帝である父が公務で家を開けている時、普段使うように指示されている自分専用の図書室でなく、多くの兵達が利用してる大図書室に向かった。


 そこでいくつかの本を読み漁り闘技場で闘士達が使っている術について理解した。


 その術は大気中のマナを吸収し、自らの力として利用することで、人間の枠を超えた力や速さに到達できるというものだった。


 なぜ様々な武道の鍛錬を積みながら、この術を今まで知らなかったのか?


 それは国の法律でこの技について十八歳以下は、鍛錬することはおろか情報を知ることも罪。また意図的に未成年に教授した者も罪を問われる。


 そんな厳重な情報管制があったため未成年の俺は知ることさえができなかった。


 そしてそれを知った俺はその日からひたすらその術の鍛錬に励むようになった。


 なぜそれが未成年に禁止されていたかも知らずに……


 一年も経たないうちに術を会得した俺は、それ以降一日の半分に当たる武道の練習中その術ばかりひたすら練習し続けた。


 さらに一年の鍛錬を経て父が数年ぶり久しぶりに俺を三大帝国の会議に連れて行くというので俺は期待に胸を膨らませてその日を待った。


 異変は俺がアスールに復讐する記念すべき会議の一ヶ月前に起きた。


 俺はいつも通りの朝食、金属製のコップに入った水を飲もうとした時、少し持ち上げるとなぜか手に力が入らずコップがすっぽ抜けてしまった。


 地面に転がる水とコップ、慌てて拾いそれを拭おうとする使用人を制止し自分で拾おうとするがどうしてもうまく拾えない。


 思考は明瞭としてい、寝ぼけているわけでもないのに……


 結局使用人に拾わせると、彼らには寝ぼけていてと笑って誤魔化し鍛錬に行くと称して急いで大図書室に向かった。


 何か悪いものを食べた記憶もなければ覚えもない、思い当たるのはあの術しかない。


 そう思い以前読んだ術の書を詳細まで読み込んで理解した。


 この術が未成年に禁じられているのは体に害があるからだ。


 そもそもこの術は体の細胞にダメ時を与え、さらに体内に微量なマナを残留させる。


 それが溜まり続ければいつかは体がマナに侵され結晶化し体が動かなくなるということ。


 さらに未成年が使うと成長を阻害する上に、その身体が小さい分マナに侵されるのも早いというものだった。







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