Girls’ Impact
この街を案内すると言っても具体的にどこに行けばいいのか?
図書館とカフェで情報収集と腹ごしらえという二つの必須項目は満たしたと言える。
ならその後どこにいくべきか?私は相当悩んだが答えが出そうにもないので、もう本人に尋ねることにした。
「リコは、みておきたい場所とかある?具体的じゃなくてもいいよ。
〜してる場所みたいな感じで」
数秒間悩んだ後、
「やっぱりこの世界にしばらくいるなら、この世界の移動手段を手に入れておないといけないと思うの。
どうやったらあの車両を手に入れられるの?」
と言って道端に止められているバイクを指差す。
とんでもない要求に、私はすごく動揺してしまい
「いやー、確かに必要だとは思うんだけど、あれはとても学生が買える値段ではなくいしぃ、免許も必要だしっ」
と変な言葉使いになってしまう。
「それに、さっきあんなに怖がってたから、多分運転は無理なんじゃないかな?」
私の言葉に対して、リコは不快感や怒りを表すわけでなく、ただ遠くを見つめながら
「それでも、怖くても辛くても乗り越えないといけないことはあるわ」
綺麗な銀髪を靡かせながら呟くその姿は、紛れもなく異世界で一つの国を管理していた雰囲気を醸し出していた。
そして彼女から衝撃の一言が飛び出す。
「まぁ別に自分の手で作れば問題ないわ」
——ん?ー作る?
私たちは、その後目的もなく街を一周すると、家路についた。
すでに空は夕暮れに染まっている。
家までの帰り道、リコから製作過程に関して詳しい話を聞いたところ、彼女は《カインド》の資金源になり得た金属をこちらの世界へ持ってきているので、それを使えばどんな物質でも自由に作れるらしい。
その金属を転移してきてすぐに私が引き出しにしまったことは、すでにバレていました…
家(陵魔の)に着くと彼女はパソコンのある陵魔の机で何やら作業を始めた。
まぁきっと色々調べた後、変圧器やらなんやら作るんだろうな…
私は引き出しから例の金属と魔法陣を取り出す。金属を机の上に置き魔法陣をゴミ箱に捨てようする。
しかし思いとどまり念のため細かく裁断することに決めハサミでチョキチョキと切っていく。
魔法陣を触りながら気づいたが、手触りから判断するに、この魔法陣が書かれている紙はコピー用紙ではない。
このザラザラとサラサラの二面がある紙……
これは和紙だ!
陵魔はこれを友達からもらったと配信していたが、もしかしたらその友達も蔵とかそういうところで見つけてきたやつなのだろうか?
そんなことを考えてるうちに、紙は切り終わり、少し風で舞ってゴミ箱の外に落ちた紙屑を拾いゴミ箱に入れる。
ピンポーンとチャイムが鳴り、クオンが帰ってきたのかと思いインターホンを確認せずドアを開けるとそこには昼間のイケメンカフェ店員が立っていた。
驚くのも束の間彼は、こう口にした。
「あれー。クオンはまだ帰ってきたないんだ。
また出直すとするかな。もうすぐ夜になるしねー。
じゃあクオンによろしく言っといてね」
ガチャン
私は彼が出て行ってから数十分間、クオンが帰ってくるまで、その場を動けなかった。




