Girls’ Tea Party 3
次々と運ばれてくるケーキにとイケメン店員が入れてくれる紅茶。
おそらく天国ってこんなところなんだろうな…
どのケーキから食べようかなぁと悩む前に一口紅茶を飲んでみる。
まぁ正直、紅茶に関して造形が深いわけでもないのでよくわからないが、なんかこう鼻に抜ける香りがどうのとかそんな感じがする。
まずは目の前に置かれた、フルーツタルトから食べてみよう。
8~6分の1くらいにカットされたタルトにはバランスよくさまざまなフルーツが載っている。
苺にブルーベリー、キウイフルーツ、後よくわからない薄ピンク色のフルーツ。
フォークでそのフルーツの部分を口に運んでみるが正直何かわからない。
私が一つのケーキと対峙している間に、机にはケーキスタンドが置かれさらに多くのケーキが置かれていく。
えっこれ全部食べれる…?
私の心配をよそ目に、リコは片っ端からケーキを平らげていく。
普通の女子ならケーキの糖質や脂質、つまるところカロリーを気にするだろうが、私はあまり気にするタイプでないし、リコも元いた世界で決められた食生活を送っていたと考えれば摂取カロリーなど考える場面はなかっただろう。
ちょうど8皿目のケーキを食べ終わったリコが、一旦フォークを置いて空を仰いだ。
私は、不思議に思い彼女に尋ねる。
「どうしたの?」
「少し懐かしいことを思い出したの」
「懐かしいこと?前の世界のこと?」
「うん。転移より前のことで、私が管理者として代表になる前の話なんだけど…
その前の代表が、ある日、外の人からお菓子をもらったって言ってみんなで食べたことがあったの。
初めて規定された食事以外を食べた出来事だったのに、久しぶりに思い出したなーって思ったの」
彼女は少し自嘲気味に、
「まぁ管理する集団が、規則を破ったことを忘れてるなんて、なんとも恥ずかしい話だわ」
と呟く。
そんな彼女に私は、
「きっと思い出せなかったのは、それが[規則を破った記憶]じゃなくて[楽しい記憶]だからじゃないかな?
この世界に来るまで、きっと大変なことがいっぱいあったんだろうし、今日久しぶりに楽しいって感じたから思い出したんじゃない?」
少しでしゃばりすぎたかな?彼女の事情などほとんど知らない私がこんなこと……
「確かにそうかも。まぁその後摂取した栄養の調整として結構寂しい食事が、人工知能から提示されたんだけどね」
と、アハハと笑顔で語る。
リコが笑顔になったなら、少しは意味があったのかな?
数十分後合計三十種類以上のケーキを食べた私たちは、イケメン店員に見送られながら店を後にした。




