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Girls’ Tea Party 2

 小走りで走りること数十メートル。やっと商店街の出口が見えてきた。


 はぁはぁっ、と息切れしている私の横でいたって普通の様子のリコは、


「カフェってあのお店?」


 と該当する店を指で指して尋ねてくる。


「そうだよ。じゃあ入ろう」


 店の外観は、木目調の外壁に金色の文字で書かれた看板、ぱっと見でおしゃれとわかる。


 店頭に置いてあるイーゼルに書かれたメニューの価格帯からして、学生が入るような店ではない。


 しかしこういう店ほど、学生が昼間出入りしても何も言われないのだ。


 実際この店で飲食をしても大丈夫なくらい現金を持っている。というか、日常生活ではほとんど使う機会がないのでお小遣いは溜まる一方なのである。


 それはなぜか


 私は、大抵陵魔と一緒に行動する。そうすると料金が発生する場合彼が大体支払うのだ。


 私も何度も出そうと試みるが彼は決して払わせようとしない。きっと彼のこだわりなのだろう。


 [私たちはあくまでも、年齢差のある幼なじみだ]


 という。


 高校生カップルがデートで飲食をしたら二人ともが財布を出すのが普通だろう。


 だから、私は彼が支払いを行うたびに、俺とお前は番ではない、対等ではないんだと、主張されているような気がした。


 私たちが、店に入り案内されたのは、テラス席だった。


 白い天板と真鍮の足で出来たテーブル。それと同じテーマで作られたであろう、金色の椅子二脚。


 地面は芝に覆われており、道路側には通行人から見えないように、樹木が壁になっている。


 ここまでコテコテのヨーロッパ感を出されると、おしゃれを通りこして、下品とも取れなくもない。


 案内されるままテラス席の方に歩いて行こうとすると、店員が一言。


「お連れの方は…」


 店員が皆まで言う前に振り返ると、リコが店の入り口付近でどうしたらいいかわからず固まっている。


 まぁ世界が違うなら文化も違うし、独特な環境で育ってきたっぽいしな…


 そう思い入り口まで行きリコの手を握ると、そのまま席まで牽引した。


 私たちは対面になるように座ると、メニューを探すが見当たらない。店員がやってきたので、メニューを渡されるのかと思ったのだが店員から驚きの言葉を告げられる。


「お客様は、当店がオープンしてから1万組目のお客様になりますので、今日はスペシャルサービスとして、お代はいただきません。

 心ゆくまで当店のスイーツをお楽しみください」


 私は、驚きのあまり顔を上げて店員の顔を凝視した。


 そこにいたのは、白髪で碧眼の絶世の美男子で、彼は客以前に人の顔を無言で凝視するという無礼な行為をした私に対してにこやかに微笑みかけてくる。


 思わず顔を背け、机を見つめることで冷静さを取り戻す。


 こんなおしゃれな店がそんな俗っぽいキャンペーンをやっていることに対して、少し違和感を覚えるが店員が言っているならば本当なのだろう。


 説明の後に手渡されたメニュー表を見ながら悩んでいると、今の状況を理解していないリコが、メニューを見ながら


「ここに描いてある商品を頼めばいいの?この名前の横に書いてある数字はおそらく金額だろうけど、この国の貨幣価値がどのくらいか分からないから…」


「今日は特別に、無料だってだから好きなだけ頼んでいいよ」


 それを聞いたリコは手招きで店員を呼び寄せると、メニュー表を上から下へなぞるように指し、


「ここからここまで全部ください」


 というとんでもない注文をした。


 このおしゃれな雰囲気で何やってんの?って恥ずかしく思ったが、そのことよりも自分一人ではおそらく一二個頼んで終わりだったため、リコのおかげで多くの種類を食べることができる喜びの方が胸に満ちる。


 続いて私も店員に次ページをさして


「ここからここまでください」


 と注文する。


 今頃キッチンは大騒ぎだろう。



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