Girls’ Tea Party
先日色々あったショッピングモールに行くのは少し躊躇われるので、今回は私たちが住んでいるこの街を案内しようと思う。
家を出てしばらく、私たちは無言だった。
住宅街から商店街に移動するために私たちは少し自動車の通りがある道路を歩いていると、たまたま通った車に対してリコは
「ひゃっ」
と驚いたような声を上げる。
初めてのものに驚いたのかな?と思ったのだが、よく考えればリコのいた世界は私たちの世界の延長線上ともいえる発展をしている。
ならば、車両という形の移動手段は存在していたのでは?と思ったのでそのまま質問をぶつけてみる。
「どうしたの?リコがもともといた世界でも車両はあったんじゃない?」
「《カインド》では、車両は一切走ってないよ。昔は存在したらしいけど、《カインド》住民管理を簡易化するために、細かくエリアに分けて、エリア間の移動は禁止にしてるの。だから…」
「ひゃっ」
また一台彼女の横を車が通る。
「だから歴史の資料としてでしか見たことないの。」
「でもリコは、《カインド》全体を管理してたんでしょ?
それなら今いるエリアから遠いエリアで事件が起きたらどうするの?」
彼女は、人差し指を立てて空を指す。
「空だよ空。小型の無人航空機が監視カメラも兼ねて空を飛んでいるから、それにつかまって空を移動するの。
直線的に移動できるから最短距離を進めるわ。」
なるほど小型の無人航空機つまりドローンみたいな奴が街中を飛んでてそれにつかまって移動ってわけか。
確かに近年は、ドローンでの無人配達を検討されてるらしいし便利かもなぁ。
「ひゃっ」
まぁ空を飛ぶのが怖くなくて車が怖いっていうのはちょっと可愛いなぁ。
などと考えてるうちにまず最初の目的地である図書館に着いた。
「一応ここでこの世界について書いてある本をいくつか借りようと思うんだけど。ついてきて」
そう伝えるとリコは無言で頷き私の後をついてくる。
図書館の壁に貼ってある案内図に目を通しまずは、歴史の棚を目指す。
棚の前に着き説明を始めようとする。
しかしそれは彼女の言葉によって遮られた。
「入口付近女性たちが使っていた機械について教えてほしいわ」
入口付近??
あの辺には確か、受付カウンターがある。つまりあれは…
「あれは、パソコンって言って…何をする機械かって問われると、答えづらいんだけど…
調べ物したり、数式を計算したりとか色々できる機械だよ」
我ながらあまりに的を得ない回答だと思ったが、彼女は得心がいったようで、フムフムと頷いている。
「私たちの世界にも似たような機械があったわ。今回はあれについての本を借りていきましょう多分そちらの方が効率がいいと思うの」
まぁ…確かに?パソコンを使いこなせるように慣れば、乗数的にできることが増えていく。確かに効率的ではあるけどさぁ…
なんとなく自分のテンポ崩されたようで釈然としないが、笑顔に切り替えて
「じゃあ、あっちの棚だね!」
と言って彼女を誘導する。
パソコンの構造やシステムに関する本とインターネットに関する本を数冊借り私たちは図書館を後にした。
そのまま商店街の方に歩いていくと、露店からは食欲を刺激する香ばしい香りが漂ってくる。
どうせならここで昼食にするのもありか、朝食も食べてないし…などと考えているとリコがすごくキラキラした目で辺りを見渡してるので、まさかと思い聞いてみる。
「もしかして向こうの世界では、食事も進化してたりしてるの?」
「むー。他の国は、いろんな料理が発展してるんだけど、《カインド》では健康寿命の維持のために、食事はあくまで、栄養補給の意味合いしかないの。
だから基本的には決められた時間に最適な栄養を含んだ焼き菓子のようなものを食べるだけ。
だからこういう嗜好品に近い食物は、資料でしか見たことないのよ」
テンションが上がっているのか少し早口になっているリコを微笑ましい目で見ながら、三食カロリーメイトという生活を送ってきた彼女を少し不憫だと思った私は、あることを思いつき彼女の手を引っ張り走り出す。
「だったら。せっかくだしもっとおいしいもの食べに行こう!!」
そうこの商店街を抜けた先には、とびきり美味しいスイーツを出すカフェがあるのだ!




