入学式
「へぇ〜、俺より2歳も年下で〜……」
『あーそういえば、この学校の入学方法じゃ同い年になるほうが確率低いんだな』
「はぁ〜〜ということは…………渉さんは〜18なんですねぇ〜」
『んっ!! 』
「あの〜俺は18じゃなくて17だよ、さっきも言ったけど……」
「そうでしたか〜」
「うん……」
―――――
―――
―
少しの間の無言の時間が俺を焦らせ、早く何か言えと追い立てる。「あの〜多分また会うことあると思うんで、これからもよろしく」
俺はなんとかそう言い、右手をラゥ(自称)に向かって差し出した。勿論握手のためだ。
「はい〜そおですね〜……こちらこそ〜よろしくお願いします〜〜」
そういいながらラゥ(やはり自称)は俺の手をしなやかな手で握ってきた。
『……握力強いな』
「それじゃまた……」俺は右手を離して彼女から離れようとしたが
「一人は寂しいものですよね〜」
彼女の言わんとすることが分かった。
『まぁ確かに一人でここにいるのはきついわな、ここにいる奴らはたいてい顔見知りじゃないだろうから、きっとこの娘も例外ではないのだろう』
俺は腕時計をさっと見た。
「そうか…暇だし、それじゃそこら辺でも歩かない? 」
…俺はそう言ったあと後悔の念に駆られた
『これじゃまるでナンパみたいじゃないか! 』
時刻は8時12分だった。そこら辺とは言ったものの俺にはちゃんと行こうとしている所があった。
置いてきてしまった明の所だ。心配だからね。
俺はぶらぶらするふりをして、ラゥ(もう本名でいいや)をつれて明の元へ戻った……途端、まだ入口付近に座っていた明が口を開いた。
「オォー! ナンパ野郎の色男!! なに俺を置いてナンパしにいってんだよ! 」
「いや……ナンパには行ってない」
「嘘つけッ! じゃーそこにいるbeatiful girlはなんなんだよ」
「…………」
「わたしは〜リーですよ〜」
ラゥだったはずのその人が何か言った。
「まて……ラゥじゃなかったの? っていうかそれも偽名??」
俺はもう誰だか分からない人にそう言った。
「人は〜多くの名前をもっているものです〜。」
『意味深だ』
「おっとりしてるなぁー」と明は言っていた。もうナンパ話で俺をおちょくるのは止めてくれたようだ。
「もうすぐ始まるんじゃねぇーのか」
明は表情をだらけたものから真剣なものに変えた。
『やっぱりこの学校は変だ…普通、入学式とかは上級生とかが会場にいるもんじゃないのか? 』
少なくとも中学、高校の時はそうだったんだが…
と俺が一人不審に思っていると、突然俺達のいる大部屋に声が響いた……?
『ん? ……いや、少し違うカンジがする、頭に直接きたような……』
部屋に響いたのではないと俺は思った。
しかし俺はそれ程、気にはしないようにした。
「新入生の皆さん……渡されたバッジに彫られている番号のイスに座っていください……尚番号は私のいるほうを前にして、1番左の縦列の前方からABCDE……横列は1番左から12345……ですので」
『私のいる方? 』
俺は声の主がどこにいるのかと辺りを見回した。
『うわっ! 遠いなー』
その人との距離はイスとの距離、100m はあるんじゃないかと思われる。
「渉、何番? meはE―4だけど」
明が心配そうな声色で聞いてきた。
「俺は、えーと」
渡されたバッジを見る……A―8とある
「俺はA―8だね」
「…ラゥ…さんは? 」
俺は自分の発言についで、……ラゥ……に聞いた。
「A―8です! ……まちがいました〜A―3ですよ〜」
一瞬ハッとした
「おぉー! 近いね! 」
俺は喜びと驚きを言葉にした。
「俺だけ、遠いな……」
明の声は心無しか沈んでいるように聞こえる。
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