回想
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「んなっ……だからさっきから、お前まで何言ってんの? 意味がわからない」
「だからな、別に信じろとは言っていない。ただ夜怪は殺すな、って言ってんだ」
頭の中に次々と注ぎ込まれる情報はどれも不確かで俺は混乱せざるを得ない。それに何だこいつは、まるで別人じゃないか。
この部屋、つまりは丹澤 龍(名前が合ってるかも怪しい)の部屋には今、俺と丹澤の二人しかいない。
時刻は睡魔が活発に活動し始める二十三時四十分ころだ。相当眠く、眼もしょぼしょぼと乾き始めてきてしまっている。それでも俺の脳がフル回転できているのは所謂ショック療法といわれているやつのおかげだ。
「……分かった、百歩譲ってその話を信じたとしよう。だけどなんで俺だけにそれを言うんだよ」
「だから、信じなくてもいいつってんだろうが……まあいい、なんでお前にだけ教えるのかだっけ? それは簡単、さっきも言ったけどな、お前にはあいつらを使いこなせねえ……だからだ、簡単だろ?」
丹澤のなめきった口調に俺の怒りもとうとう我慢の器から溢れ出した。
「訳が分からない!」
にやけた面の丹澤に俺はそう怒鳴るように吐き捨て奴の部屋のドアを乱暴に開けた。
「いずれ分かるさ」
丹澤のそのなめらかな文句を背に浴びつつ、俺はその声をかき消すため叩きつけるようにそのドアを閉じた。
「なんなんだよ」
気分は一言で言うなら【最悪】だ。
『くそっ、あいつの部屋なんか行ってやらなきゃよかった』
俺は小一時間ほど前の自分を酷く恨み、奴の部屋を訪れてしまったということを今更ながらに後悔した。
あの時奴の部屋をノックさえしなければ…………
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すれ違いざまに丹澤から投げかけられた、いや投げつけられた言葉に不信を感じてから、奴の部屋に拳を二、三回叩きつけるまで俺は理雨流、光華、紫苑と、とりとめもない話をして過ごしていた。
主にここに来る前のことを話したりしていたのだが、やはり光華はあまりそのことについては話してはくれなかった。誰も問い詰めることはしなかったのだが……
コンコンッ
長く長く続いた話に底がついたのを見計らって俺は一人、丹澤の部屋の前まで来て奴の部屋の戸を二、三回ノックした。……何故本当に一人で行ってしまったのだろう……
【レイピアに片刃をつける】について。
降下する水滴のイメージ(図)そんな形の刃になります。グラディウスなどの一般的な剣より深く切りつけることはできないが、それらより突きには優れている。そんなレイピアです。




