死神
それぞれがそれぞれの荷物をそれぞれの自室に持ち込み始めていたので俺もそれに倣う。
俺の自室、プライベートを守ってくれる部屋の前に立ちドアノブを握り回した。
ガガッキキー
やはり扉は相変わらず。部屋の中に入り鍵をかけようとするがやはり相変わらず。
『よし! この部屋のドアは俺が来る前から壊れていた。そう思おう』
そう思い込むことによって何か、仕方ねーなぁと思えるようになってきた。思い込みに乾杯! ……切なくなってきた。思い込みに完敗。
「おっと、荷物、荷物」
荷物の存在を思い出し切なさを忘れる。茶色を基本色とする幾何学模様のカーペットに胡座し、切なさを忘れる。そして大きなバックの中から大きな鞘に入った大きな長剣を手に取り切なさを忘れる……って忘れられるかー!
そんなに嘆いていても仕方ないので扱いなれている、親しみのある長剣を鞘から取り出しマジマジと見つめる。
『こいつも相変わらずだなー』
この俺の愛剣は家の親父に貰ったモノだ。8歳の誕生日プレゼントだ!とか言って。当時の俺は身長170cm握力50kgとかあるわけなく、つまりはこの愛剣は持てなかった。その当時は自分の背丈の倍以上もある超長剣だったのだ。当然だろう。ちなみにそのころのこの愛剣の大きさは2mほどもあった。今では1m80cmだけれどね……つまりはそれほどに使い、研いできたのだ。
『なんだろう…何か嫌な感じがする…』
剣への思いでに浸っていると不意にピンときた。何かが頭の右側から左側にかけて駆け抜けていった感じ…
ガガガッッツーン
突然としてドアが唸りをあげた。驚いた俺は慌てて背後に振り向く。それと同時に……
「得物は届いているな……来い! 」
思考が急停止。……あぁ目の前にいるのは死神だな。迎には早すぎやしないか?
「なにをボーっとしておる! せっかく迎えに来てやったのだぞ」
『やっぱり迎えに来たんだ……』
死神こと光華はその大きな瞳をギラギラと輝かせ幼さの残る、いや完全に幼い声を何故だか弾ませている。きっと隼と鼬に会えたことが相当嬉しくてまだその余韻があるのだろう。俺の気持ちとしては半分手合わせ願いたくて、半分逃げ出したい。そんな感じだ。
しばらく不定期更新になっちゃいます。ごめんなさい




