荷物
「明日も今日と同じ時刻に来るように……以上だ」
先生の声を合図にして生徒はほとんど皆立ち上がり、部屋から次から次へときちきちとロボットのように出て行った。
「渉! 行くよ」
理雨流の声に押され俺もロボットのように……ではなくナマケモノのようにゆっくりとダラダラとフラフラとロボットたちについて行った。
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「なぁ丹澤……朝飯くれ! 」
神夢の間に向かう道中はかなり暇であり……暇であり……やはり暇であったので隣を大股で闊歩する丹澤に無意識の間に無意味に話しかけていた。
「ん! ……あー……明日の朝ならいいで〜」
『妙にたどたどしいな』
「どうした? 丹澤。理雨流にヘッドバッドでもされたか? 」
そんなわけないだろうが、丹澤の様子が依然変というか丹澤自体が弱体化しているというか、そんな感じだったので、一応……一応心配だったので聞いてみた。
「されたわ〜そらもうごっつ凄い勢いでなぁ」
「まじかよ!? ……っていうか嘘だろ」
「っちぅか嘘やわ」
判断した。丹澤が62パーセント直ってきたと判断した。そもそもの故障の原因は分からないままだが……
そんなこんなで神夢の間と呼ばれているらしい、昨日寝た部屋についた。確かに神夢の間の階段付近にはいろんな荷物がトントンタンタントンと規則正しく並べられていた。もちろん俺の荷物もそこにひょこっと、かつ堂々といてくれていた。
「にーもーつー? 」
と言っている紫苑は未だ自分の荷物を見つけられていないようだ。俺の目が正しければ荷物はもう一つしか残っていなくそれは紫苑のちょうど足元にある。まさに灯台下暗し。
「紫苑! 足元、足元」
「はいー……あっありましたー」
【…】の間に下を向いた紫苑は無事に自らの荷物を発見できたようだ。
「会いたかったぞ! 」
嬉しさに満ちた声にその方を振り向く。ちょうどソオファーのところだ。光華が真っ黒ソファーにチョコンと正座している。点数100点、満天の笑顔で。
『うおっ!? あれは光華の得物か? あぶね〜』
光華は彼女命名の隼と鼬に夢中なようで彼女の左手側にあるチャックの開いたバッグはチャックを閉じられることもなくほったらかしにされている。
『相当好きなんだな・……』
恐怖を感じた。
名前について 有澤 光華 の 光華という名前には華やかに輝いてほしいという意味があります。




