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覚醒  作者: 火水 風地
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TOA

 「尚、我がSTTSSでの評価は任務のプロセスとリザルトによって決定させてもらう。一応言っておくがこれは諸君等ABの生徒にしか当てはまらない」


 以前気持の高ぶる俺だが先生の声はちゃんと聞こえている。だから【評価】という先生の発言も聞こえていた。


 『評価……ってなんだ? 』


 「また、評価というのはランクSを最高として次にA、次にB、次にCとなり最低ランクはFとなっている。一か月に一度ある会議ではこのランクを基にその人物のTOAトアを決める。TOAは高ければ高いほど世界各国へのアピールにもなるが、それだけではなくSTTSSでの生活にも関わってくる。簡易に言えば給料に……だ」


 『給料か……そういや貰えるんだよな』


 でも、それを言うならSTTSSでの生活に関わってくると限定していうよりは日常生活とかに関わってくるという方が正しいんじゃないか? という疑問が頭の中に浮かび始めた。


 「ところで、基本ここでの休日は週に一度あることになっている。その休日には勿論各人の自宅に帰ってもらってかまわないが、その日以外の私的な意味での外出は特別なことがない限りは許されてはいない。……これについての理由は多々あるが一番の理由としては、STTSSへの帰属意識を薄れさせないことにある」


 『休日以外の外出はダメなの! 』


 体験入学をしていない俺には今初めて聞く事実が多すぎて驚きも多すぎて、正直全ては頭に入りきらない。……が先生は話し続ける。


 「話がずれてしまったな、つまりは週に一度のその日以外で需要品を購入したい場合は全てSTTSSで買ってもらうということになる……ということだ」


 『まっ、まじか……」


 俺の心中は穏やかではなくなってしまった。今なら大事な娘(明の姉)をいけすかない野郎に奪われてしまったと嘆いていた明の親父さんの気持ちが痛いほど分かる。分かりたくなかったのだが、分かってしまった。


 『俺の健康ヨーグルト生活が……崩れてしまうというのか?』


 物心ついた時から始めていた習慣が終わってしまう。それは明の親父さんのその感情と同じものだと俺は思った。ちなみに二日に一回一個60gを食べるというペースだ。


 『これは誰かに相談しなくてはいけない』


 しかし、自分でも思う……こんな馬鹿みたいなこと考えてる暇があるんなら少しでも先生の言うことを咀嚼しろよ。と。

TOA(The Overall Ability)の略

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