表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
覚醒  作者: 火水 風地
PR
3/46

式会場

 目的地……つまり『学校』であるはずのそこは、明と歩き始めてから三十分程で見えてきていた。しかしそこに着いたのは目の端に『学校』を捕らえはじめてから二十分分ほどたってからである。


 決して俺達は遅く歩いていたわけではない。むしろ入学初日ということもあり遅刻は禁忌だったので恐ろしく速く歩いていたつもりだ。


 どうしてそういうことになったのか。それは単純かつ明解、『学校』 がばかに大きかった。と、そういうことなのだ。


 その学校、近くでみると大きさ故か、かなりの威圧をうける。それに洋風の建物であるため(俺の先入観)でもあるのだろう。


 そこの玄関と思われるところの前にある巨大な門。見た目だけでもかなり重量があるのが分かり、あらゆる者の侵入を拒もうとするそれは太陽の光りをうけて鈍く光沢を放っている。


 「なんじゃっ!? コリャ〜!」


 俺は洋館……いや、学校の玄関『らしきもの』の前(正確には門の前)でそう絶叫した。


 俺が『らしきもの』という理由はその玄関が学校(学校と呼べるか定かではない)の大きさに比例していてとてつもなく大きく、まるで地獄へ通じる門のようであったからだ。もっともその前には本当の門があるのだが。


 「あれ〜? 渉もしかして初めて来たん?」


 何故か驚いていない様子の明が俺にそう言ってきた。それはもう完全に馬鹿にしたような口調で。


 「そうだよ、なんか悪いかっ! 俺ここに引越してきたの一昨日だぞ、知らなくったて別に……」


 とそこまでいって俺は自分が興奮しすぎて大声をだしていたことに気付き、恥ずかしくなった。そして顔を赤らめた……かどうかは自分では分からない。


 「そうだったな、しかし渉は体験入学……いやあれは入隊といったほうがいいな。とりあえずそれはしなかったのか?」


 明は俺が羞恥心を感じていることを知らないようでそのことについて、厭味を俺に浴びせてはこなかった。


 「明は行ったんだろ? 俺は行ってないけど」


 ちなみにこの『学校』多くの中学、高校から色々な分野において優秀だと思われる生徒を集めその生徒を無条件で編入学させる……という方法で新入生を迎えいれており、馬鹿明と俺が同じ高校から引き抜かれたのは、本当の偶然だといえると思う。


 「へぇー興味なかったのか? このヘンテコ軍隊学校に」


 「そんなことはなかったけどさ、引越しでごちゃごちゃしていたからな」


 「ふーん」と鼻で返事をした明は、「ほんじゃ早いとこ行こうぜー」と、言い玄関の門の前に立ちはだかる受け付けがかり……いや門番といったほうがいいだろう。何故か? それはその受け付けがかりが武装していたからだ。武装とは言っても金属光沢丸出しのマシンガンらしきものを持っているだけだが。とにかくその門番になにかカードらしき物を渡していた。


 『あぁー推薦証明書か』


 俺は確かズボンのポケットにしまっていたなと思い、予想通りにあったそれを、かなりビクつきながら震える手で門番に見せ、確認してもらった後ヘンテコな、というか複雑な造形のバッジを貰った。


 『ヘンテコバッチはきっと、門をちゃんと通ってきたかの証拠……レシートみたいなもんなんだろうな』


 俺は遅刻をしていないだろうなと、腕につけた時計を見てから明について行った。


 時刻は7時40分とまだ式には50分程時間が余っていた。


 明は学校内のことなどなんにも知らない俺とは違って多少は要塞……もとい学校の内部を知っているようで案外迷わずに式の会場である大きい、とても大きい、とてつもなく大きい、人が悠々1500人は入るのではないか(もっとも俺の目測だが)いや、入る大部屋(これは俺の勘)にたどりつけた。


 その大部屋には、高級感溢れ出すぎてむしろオンボロに見えるパイプイスが規則正しく縦に10個づつを横に13列並べられている。


『ざっと130人ってとこか? 部屋の大きさに比べて随分少ないようだな』


 俺は腕時計をまた見る、時刻は8時00分だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ