様子
自室に戻った俺は光華からの助言を思い返していた。
『当たらなきゃ斬りつけも打撃も意味をなさない』
当てるためには相手の意表をつくか相手より素早く動くか相手の隙を見つけるしかない。
『どれが俺にあっているだろう』
カウンターは好きではないし、意表をつくような事も出来そうにない。なら……
『相手より素早く』
素早く動くためには、それ相応の身体が必要だろう。
「よし! 筋トレするか! 」
先ずは腕立て伏せ100回腹筋300回の3セットだな
夢が夢だけに小さい頃から筋肉トレーニングは他人よりは多くやっていたつもりだ。だからこれくらいの量ならばダウンせずできる。
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前言撤回する。疲労困憊のダウン寸前に追い込まれた。そんな時…
コンッコン
誰かが、壊れてしまっている、いや壊された(鍵)ドアをノックした。
「だ、だれー? 」
声にまで疲れが顔を覗かせてしまっている。
「時間だよ! 」
『理雨流だな、というか時間……時間ってなんのだ? 』
「早く来たほうがいいよっ! 」
「……わかった」
なんで来たほうがいいのか未だ理解してはいないが彼女が言うのなら行ったほうがいいに決まっている。
ガシャッ
壊れてから音の変わってしまったドアに違和感を覚えつつ見たものは……
「何だ、皆勢揃いしちゃって? 」
光華に訓練してもらった時とは違い大部屋には20人以上の人がいた。
無論そこには光華のほかに理雨流と紫苑、丹澤もいる。
「何だって……お前は昨日教官が言っていた事を忘れたのか? 」
光華は明らかに蔑む…ではないが馬鹿にしているような、呆れているようなそんな態度をとっている。
『……あぁ確かそんな事いっていたな』
「とにかくもう行くぞ」
「もう行くの! まだ眠いー」
「自業自得ですよ! 」
寝起きの紫苑からは、おっとりとした感じは窺えずそれとは反対な闊達たる印象を受ける。
その紫苑の発言を皮切りに紫苑をはじめ、光華,理雨流、何故か沈んでいる丹澤は唯一ここから廊下に繋がるシンプルドアに向かって歩き始めた。
もう既にその他の人達は廊下に出てしまっている。
「渉行くよ! 」
ボーと突っ立ていた俺に理雨流が振り返り笑いかける。
「……あっ、ごめん」
その時俺は浮かぬ顔をしている丹澤について考えていた。昨日の光華のあり得ないであろう話を聞いてからのやつはどこかおかしい。昨日初めて出会った時のあいつはもっと騒がしかったはずだ……
ツーハンデットソード(two handed sword) 両手で扱う剣の通称。渉の剣の幅は30cm程であり刃の長さは1m80cm程、重量は3.2kgある。




