訓練
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ドンッ!!
「起きろ!! 」
「うわっ! 」
爆音、怒声に起こされた。見るとドアが開かれてあり、光華が室内に入ってきていた。鍵をかけ忘れたようだ……あれかけなかったか?
「訓練だっ! 」
俺は無言で腕時計を見る。
『……4時38分』
「……いくらなんでも早す……」
「怠けるな!! 」
怠けるなって言ったって早過ぎるものは早過ぎだろう。
「とにかく来い! 基本から教えてやる」
『……教えてくれる……』
「お願いします! 」
戦闘術を教えてもらえるなら行くしかない。寝起きにも関わらず頭の中がクリアになってきた。
光華は部屋から出ていき俺もついていくように出たのだが……出ていく時にドアの破片を見た気がする。
「先ずは……来い! 」
大部屋中央まできた光華は立ち止まり声高らかに宣戦布告する。
「基本は……? 」
「百聞は一見にしかず、やれば身につく! 」
確かにその通りなのだがまた鎧袖一触されてしまいそう。
「手加減はしてやる」
『なら、大丈夫……なのか? 』
「いいから早く来い! 決断は迅速にしろ! 」
「あ……あぁ」
光華との距離は5m程、今回は得物なしだ
なので接近戦になるはずなので一発目は手よりはリーチの長い脚で行く方が無難、利口だろう
「よしっ……行くよ! 」
声によって気合いを入れた。いつでも前後左右に回避出来るように歩幅を小さくして光華との距離を縮める
距離が充分蹴りの放てるそれになった瞬間
「っラッ! 」
フェイントなしに光華の上段に回し蹴りを素早く放つ
「…………」
刹那、光華は予測していたかのようにしゃがみ込み、それと同時に左肘を突き出し俺の懐に突き刺した
「ク……ハァッ! 」
痛覚などではなく内側から押し寄せてくる痛みに力が入らない膝が折れていきゆっくりと地面についていった
呼吸の間隔が短くなり深く吸い込むことが出来ない
「いい蹴りではあるが、後の事を考えろ。避けられた後は隙だらけというのなら先手はうつな! 」
バックステップで距離をとった光華が咎めるかのような口調で怒鳴る
『……なん、でずっと避けられるん、だよ……』
「ちっくっしょ! 」
深く地面を脚で掴み飛び出すように光華に押し蹴りを飛ばす
「はぁ……」
光華は右横にステップし蹴りをかわし右拳を俺の顔面に叩き込んだ
「っ! 」
鼻は外したストレートだったため、鋭い疼痛はなく、衝撃のみが頬を伝い身体全体に響いた
勢いを相殺されフラフラになりながらも、なんとか立っている状態だ
「……お前の技はどれも単調過ぎる、だから何がくるのか読みやすいんだ」
『……単調? 』
「どう、すりゃいい? 」
客観的な意見で初めて気付かされた。
「フェイントをいれる、スピードに強弱をつけ翻弄する、相手の隙を見つけカウンターを放つ……ヒット率を上げるためには色々とあるが、後はお前が決めることだ」
光華の訓練は今日のところはこれで終わりを告げた。とてもためになったが、やはり力の差を思い知らされた。
光華は自らの得物に名をつけている。レイピアには隼、ダガーには鼬と。




