友達
「わいな、実はな……不安やねん。知り合いなんかここじゃ一人もおらへんかったから」
『改まってどうしたんだろう? 』
「せやからな…友達なってくれへんかな? 」
『! 』
丹澤がそんな事を言うとは、紫苑が俺の部屋で寝ていた並に驚きだ。
「なるって言ったって、顔合わせて話したんだ、もう友達だろ」
言った後に恥ずかしい台詞だなと後悔しそうになったが、思うことをそのまま言えたんだ。誇れる事だろう。
「わ、わたる〜」
『なんで俺の名前を知っている? 』
丹澤が泣きそうに言うのだが、かまってられない。俺には忠告したいことがある。
「……だけど理雨流と紫苑には手をだすな」
「ふぅ! ……ん」
丹澤の表情が困ったなーの代表的なものになっている。
「手をだすな」
「わっ分かった……」
俺の厳しい剣幕に恐れをなしたか丹澤が不承不承といったふう、ではないのだが、俺の忠告に従うと誓った。
「よし、それじゃ……何しよう? 」
「他の人ともコミュニケーションとっといたほうがええんやないか? 」
『丹澤のわりにいいことを言う』
「ふんー確かに」
「先ずは同じ部屋の住人からやな」
この部屋にいる人で自室にこもっていないのは今、俺と丹澤だけだ。最もこの室内外に出ている人もいるかもしれないが。
「なんか気になる人でもいたか? 」
「うーん美人つったら理雨流ちゃんと〜紫苑ちゃんと〜あとは名前分からへん」
気になる人イコール美人に繋げるこいつは凄い……馬鹿だ。
『紫苑は美人というよりは可愛い人だと思うが……』
「袖触れ合うも多生の縁や〜行き当たりばったりで出会った人にも縁はあるもんやで! 」
「腐れ縁だったらどうするんだよ」
「腐っても鯛! 」
「鯛は鯛でも腐ってりゃ食えねぇだろ。食えねぇ鯛に価値はあるか? 」
「……くじは引かな当たりか分からんから楽しいんやで」
『くじ楽しくないし』
結局は運任せでいく気の丹澤。扉を開いたら地獄だったらどうすりゃいいのだろう。不服有りますの顔をしているであろう俺は、それでも丹澤に任せようとした。なんか他に道は無さそうだし……
水無月 渉 ミナヅキ ワタル(男 Age 17 Height 176cm Weight 60kg Arms ?)




