話し合い
部屋付近から暖炉(今は火はついていない)付近へと移動した俺と理雨流は、皆暇であるはずなのに何故か空いているソファーに座っている。皆引きこもっているのだろうか。
「……うーん……」
「ふー……! 」
悩んでいる。何を悩んでいるのか……それは明の行方……ではなく、丹澤の排除の仕方でもなく、持て余す時間をどうするか、ということにだ。
『なにをすればいい……』
『探検ってどうよ』
『探検ね……ってここ学校だって』
『いや、でもここ学校っていえないし……』
『……うーん確かに、じゃそれでいこう』
話し合いの結果(能内にて)俺の中では【探検】に決まったのだが。
「渉……私もう寝る……」
「寝るっ!? 紫苑もそうだけど、まだ朝だよ! 」
なんだ、理雨流は徹夜でもしたのか? 俺は驚き、また腕時計を見る。
『11:11 ゾロ目ゲット! ではなくて、まだ朝だよな……』
「徹夜したの……私」
「本当に徹夜したんだ……」
理雨流は本当に眠そうだ。さっきまでは全然眠そうには見えなく、むしろさっぱりした感じだったのだが。
「うん……ということで、また夜に……」
『夜に起きて朝に寝る……まさに時差ボケだ』
「また夜に……っと理雨流!鍵かけて寝てね」
「そうするぅー」
やばい、こっちまで眠くなってきた。理雨流は座っているソファーから立ち上がり自室へと顔を伏せながら歩いて行った。
『さぁどうしようか? 』
俺は依然ソファーから立ち上がらず、顔を部屋一面に敷かれた芝生のような緑色の絨毯に向けていた。
『緑色の絨毯って、リラックス効果でもあるとか? 』
なんだか本当に眠くなってきたんだが、何かが近づいてくる気配がしたので俺は意識を保とうとする。
「おっ! ようやく振られたか〜バンザイやな」
「……丹澤」
言いつつ背後に振り返る、案の定、丹澤がそこにいた。
『丹澤か……仕方ない暇だから相手をしてやるか』
「丹澤……まぁー座れ」
俺は流れるような動きで掌を上にした右手を俺の右側のソファーに向けそして手を元の位置に戻す。
「あっ、あぁ」
丹澤が面食ったように驚きソファーへと腰掛ける。
「丹澤って何歳? 」
「わっわいは18や……」
『18! 年上じゃねぇか……俺の年齢を聞かれる前にさっさと次の質問をしよう』
「丹澤ってどこからきたの? 」
「ルシオンやけど……」
『遠っ! ルシオンつったら辺境の国とか、雪降る国とか言われてるとこだよな』
「遠いなぁ」
「せやな、せやけど中々にいいとこなんやで」
「どこらへんが? 」
「空気」
『場所じゃねぇー! 』
俺は笑いを堪える。丹澤のジャブがツボにはいった。
「空気か、いいほうがいいもんな」
「夜空も最高やで特に晴れた日はなぁ、まぁ晴れた日ほど外は寒いんやけど」
こう話してみると丹澤も案外、捨てた者じゃない。そんな感じがする。




