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余命二年と宣告されたのでマイナースキルを授けられた私は聖獣と共に寿命を集めながらスローライフを楽しみます!  作者: 相木ふゆ彦
第一章 新しい命

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第3話 アンネリーゼの家

 太陽の光で、広い家の中は明るい。

 

 私は、家の中を探検することにした。

 コハクは、私の後ろをくっついてくる。可愛い。

 

「広いねぇ……」

『狭いほうがいい?』

「ううん、そうじゃないけど」

 

 ずっと病院の四人部屋に慣れちゃってたからね……。

 一階は最後にするとして、まず階段をのぼる。

 

 なんと、この家、三階だて!!

 階段をさくさく登れることにうっとりしながら、三階にあがるとそこは屋根裏部屋になっていた。

 見たことない文字が袋に書いてあるけど、”小麦粉”と読める。

 

 これって、やっぱり異世界ファンタジーだよね。

 他にも、じゃがいもや人参、たまねぎなんかもある。

 基本は、物置きなのかな?

 

 小さな窓もあって、外が見下ろせる。

 正面からは気づかなかったけど、家の裏には畑が広がっていた。

 そうか、食べ物は大事だもんね。

 

「じゃあ、二階に行こうー!」

『お~!!』

 

 元気よく、下に降りる。

 やっぱり、体が思い通りになるってサイコーだ。

 視界は低くなったけど、快適さがたまらない。

 これだ、私の求めてた自由は!

 

「二階は……寝る場所だね」

『ぼくのベッドもある~』

 

 子供用のベッドに、コハクサイズのかご。

 かごの中にある布を押すと、ふんわりしていた。

 

 ベッドもなかなか快適そうだ。

 意味もなくジャンプして乗ると、ゴツンと音がした。

 ……思ったより固かった。

 

 まあ、現代日本と異世界を比べちゃいけないよね。

 おでこと膝がまあまあ痛い。

 

「それにしても、もう一台ベッドがあるねえ」

『う~ん。予備とか~?』

 

 コハクもエヴァリディアス様がやることを全部、知ってるわけじゃないのかな。

 でも、二台のベッドを置いてもあまりある部屋。

 これは、掃除が大変そうだ。

 

「じゃあ、一階に戻ろうか」

『リストのご飯食べないと~』

 

 そういえば、ご飯は作るしかないよね。ある程度は、知ってるけどほとんど病院生活……。

 グルメ漫画とかでしか知識がない。

 これ……自分の料理スキルで餓死しないよ、ね……?

 

『アンネリーゼ、冷蔵庫があるよー』

「ほんと? って、冷蔵庫??」

 

 異世界に冷蔵庫……ある、のか。

 今まで読んできた中で……あったかな?

 

 冷蔵庫を開けると、ちゃんとひやりとした風がくる。

 中にはチーズやバター、トマトやレタスなんかが入ってる。

 私にわかるものが多いから、食べ物は地球のもとそう変わらないのかな

 。

 キッチンは大人サイズで、私でも届くように台があった。

 三口コンロに、オーブン。

 小さな鍋も揃っていて、ひとまず困らなそう。

 

『アンネリーゼ、こっちこっち~』

 

 コハクが発見したのは、浴室とトイレ。

 トイレはよくてボットンかな……と思ったけど、きちんとした水洗式。

 異世界……便利すぎじゃない?

 

「コハク、この世界の文明ってすごいんだね」

『アンネリーゼはエヴァリディアス様の使徒でしょ~? 他にも地球から色んな神が使徒として連れてきてるからね~、便利な魔導具は多いよ~』

「魔導具?」

「魔力で動く道具。大体、魔石が入ってるよ~」

 

 魔石……覚えておこう。

 魔導具は家電の代わりだね。

 そうこうしていたら、私は全身が映る鏡を見つけた。

 

 ……これが、今の私。

 ちょっと美少女すぎじゃないですか? びっくりしちゃう。

 桃色の髪に、薄むらさきの瞳。

 白いワンピースが、より異世界チックな外見が映える。

 

 八歳児らしく、幼児体形だけどまぎれもなく美少女。

 右を向いたり左を向いたり、しばらく私は鏡の前で遊んでいた。

 

『アンネリーゼ、ご飯食べないの~?』

 

 コハクに突っ込まれて、はっとした。

 危ない危ない、見慣れないこの顔もそのうち見慣れるでしょう。

 コハクはダイニングテーブルの上に乗っていて、そこには料理があった。

 

 よいしょ……。

 子供用の椅子になんとか上ると、温かいスープにパン、湯気の出ているミートボールが置いてあった。

 小さなメモがついていて”初回限定サービス”と書いてある。

 

 コハクの方も、同じ料理だ。

 聖獣でも、普通の人間のご飯でいいんだね。

 

「じゃあ、いただきます!」

『いただきま~す!』

 

 何十年ぶりだろう。

 流動食以外の食事!

 スープは、野菜もお肉もたっぷりでうまみがたっぷり。

 

 自分の歯で、シャキシャキした野菜を噛める喜びと言ったら!

 固めのパンも、久しぶりで涙がでそう。

 ああ、転生して良かった。

 

『アンネリーゼ、食べたら明日のご飯の準備もやらないと~』

「わかってるよー。今は喜びを噛み締めさせて~」

 

 冷蔵庫には、調理されたものは入ってなかったしね……。

 パンも小麦粉から作るのか……不安。

 おいしいミートボールを味わう。

 

 でも、頭はフル稼働だ。

 リストにないこともやらなきゃダメだよね……。

 ほぼ入院してたとはいえ、私は本来二十二歳!

 

 自立しないとね。

 今日がおいしいご飯の最後かもしれない……。

 味わって食べていても終わりがくる、ご馳走様をしてコハクの分の食器も下げた。

 

「これ、洗剤かな……?」

『分からないものは、鑑定するといいよ~』 

 

 そうだった、私、魔法もってたんだ!

 じっと、洗剤らしきものを見つめる。

 ……なにも起こらない。

 

「こ、コハクー? 魔法ってどうやって使うのー?」

『魔力を流すんだよー』

 

 コハクは、テーブルの上で自分の手を優雅になめている。

 聖獣さん、それじゃ説明になってないよー!

 

 異世界初心者で、今日は一日目。

 私、なにも分からないんだから。

 

「魔力って……どこにあるの……」

『今までと違って、力の流れがあるはずだよ~』

 

 そんな、感覚論いわれても。

 私は、そもそも健康体になったの初めてだし!

 

「ふう……」

 

 深呼吸して、体の内側を意識する。

 確かに、なんかこれかな? というものはあった。

 意識をこらして――。

 

「鑑定!」

 

 ”ココノアの液体洗剤:泡が立ちにくい。”

 

 説明が見えた!

 自分ではやったことがないけど、ゲーム配信は見てるから、ゲームっぽい画面にはあんまり驚かない。

 

 さすが、異世界。

 初魔法、使えたよ!

 よーし、どんどん使って体で覚えよう。

 

 せっかく、健康な体になったんだからね!

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― 新着の感想 ―
異世界初日はなんとかなりそう。すべてのものが新鮮で楽しんでいるのが伝わってくる。かわいい女の子に私も生まれ変わりたいなぁ
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