表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余命二年と宣告されたのでマイナースキルを授けられた私は聖獣と共に寿命を集めながらスローライフを楽しみます!  作者: 相木ふゆ彦
第一章 新しい命

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/35

第12話 アンネリーゼ、初のギルド①

 魔力ポーションを、錬金術で二回作ってトータル40個作った。

 そんな満足感を得た私に、庭で探検していたフェルが飛びこんできた。

 

 「砂糖の木」があるって。

 え?? どういうこと?

 

「フェル、砂糖の木ってなあに?」

「やっぱり知らなかったか。これ!」

 

 大きな木の実。

 私の八歳児の握りこぶしより、大きい。

 フェルが浄化したハンカチを広げて、木の実を置く。

 ナイフで切り込みを入れると、白砂糖がこぼれでてきた。

 

「ほ、ほんとに砂糖が……!? なんで?」

「なんでって、アンネリーゼの世界の砂糖はどうなってるんだ?」

「うーん……もっと手に入れるのが大変カナ……」

「じゃ、コショウの実もないのか?」

 

 コショウもかー……。

 異世界、びっくりするよー。

 

 でも、地球から色んな人が使徒になってこっちに来たんだよね。

 だから味噌や醤油もあるし、砂糖の木も使徒のせいだったりして?

 ってことは、異世界のあるあるは……。

 

「フェル、リバーシって知ってる?」

「おう、やったことあるぜ」

「マヨネーズってある?」

「普通に売ってんぞ?」

「カレーは?」

「スパイスショップもあるし、顆粒かりゅうのルーもあるぞ……言ってたら腹減ったな」

 

 なーるーほーどー。

 異世界転移あるあるのお約束ものは、ほぼ出尽くしてるわけね!

 

 砂糖や塩、コショウがきんの価値があるというわけでもなく。

 なるほど……。

 特殊な知識があるわけでもなし、前世ではただの病人だった私が新しく流行を生み出せるはずもない。

 なにか発明して、あとは億万長者になってのんびりスローライフとはいかないわけね!

 

「そしたら、ポーションが売れたらカレールー買ってくる? ちょうどご飯は炊いたし」

「おっいいな! そしたら野菜はオレが切る!」

 

 フェルって、やって! とか言わないよねえ。

 孤児院の暮らしだからなのか、この異世界が女性に優しいのかはまだわからないが……すごくありがたい!

 私も、この元気な体であれもやりたい、これもやりたいになってるのをうまくフォローされている感じ。

 漫画で出てくるオラオラ男とか、モラ男とかは出てこなくていいや。

 

『アンネリーゼ、冒険者ギルドいくんじゃないのー?』

 

 コハクに突っ込まれて、私はいったん異世界あるあるを考えるのをやめることにした。

 どうせしばらくは、びっくりさせられるんだもんね。

 

「行くけど……コハクはお留守番だよ?」

『えーーーなんで!?』

「だって、フェルは追われてるでしょ? 私が使徒ですーって堂々とフェルと歩いてたら、フェルの居場所がバレちゃうし、私もまだしばらく静かに暮らしたいもの」

 

 使徒さまの威力も、いまいちわかんないしね……。

 へぇー使徒さまなんですねぇ~で済んだとしても、今は騒がれたくないのだ。

 

「ごめんな、コハクさま。オレのせいで」

『まったくだよー。早く解決してよねぇ』

 

 プンプンしながら、コハクは宙に浮いた。

 

「そんなにふてくされないでよー。なるべく早く帰るから」

『はいはい、いってらっしゃい』

 

 フェルの空間収納に、ポーション20個と魔力ポーション40個を入れて家を出る。

 布はあったので、フェルの服を作りたかったけど私にはこの異世界の服装がいまいちわからない。

 次回に生かそうということで、フェルは髪型だけ変えていざとなったら私の空間収納(生)に入れることにする。

 

 森から冒険者ギルドまでの道すがら、私は主にお金の話を聞いた。

 下から、鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨となるらしい。

 鉄貨10枚で銅貨1枚と同価値、ということは、ここの世界も十進数(じゅっしんすう)だね。

 とりあえず計算には困らなそうだ。

 

「すごい、人いっぱい……」

「そうだ、ここはアイゼンシュタット国のソレビの街だ。国の中では、南のほうだな」

 

 とうとう、国の名前もでてきた。

 覚えたぞ、アイゼンシュタット国のソレビの街! 私たちの家があるところはエイムの森。

 

 行きかう人々は、色んな髪色で服装も様々だ。

 いかにもゲームに出てくる戦闘職みたいな人は少なくて、男性はシンプルなベストにズボン。女性はワンピース姿の人も多いけど、コットンパンツのようなものを履いている人もいた。

 

 帽子やバンダナの人もいるし、フェルの髪色を隠すのにはああいうのがいいのかな。

 フェルを追ってたひとたち、青髪の男の子って探してたもんね。

 

「フェル、フェルの髪色を隠すの、どういうのがいい?」

「そうだなー、ああいうの?」

 

 フェルが指した人を見ると、魔導士風のローブだった。

 後ろからは髪色は確かに見えないね。前からは見えちゃうけど。

 

「じゃあ、帰ったらああいうの作ってみる」

「助かるよ、アンネリーゼ」

「なにいってるの、フェルのがこれからギルドにまで交渉してくれるんだから」

「よせよ、衣食住せわになってるのはオレのほうだぜ」

 

 なんとなくお互いを褒めあいながらも、フェルの目は時々鋭くなる。

 藍色の目は、油断なく前後のひとを追っていた。

 

 ほんとに、どうして追われてるんだろう。

 実は王子様だったり、わけありな身分だったりしたり?

 

「アンネリーゼ、ここだ。ここが冒険者ギルドだ」

 

 フェルが立ち止まった先は、大きな建物だった。

 西部劇に出てきそうな雰囲気で、周囲にはたくさんの屋台も出ている。

 

 さあ、私のポーションよ、売れて! 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
フェルとアンネリーゼのコンビでポーションが売れるといいね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ