2 ギルドでの初仕事
【2.1 ギルドの依頼と少女、そして異能】
ギルドを訪れた健は、適当な依頼を受けようと赤色の依頼書を掲示板から剥がして受付へと提出する。
受付からは自分の階級よりも高い依頼を受けて失敗した場合、処罰を受けることになると忠告を受ける。
しかし、健は大丈夫だろうと思い、その依頼を受注する。
ここでギルドの階級に対する説明が入る。
ギルドの階級は第1階級から第9階級が存在し、それぞれ対応する色が割り当てられている。
その色は、低い順に、白、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、黒となっており、ギルドカードや依頼書などに使われている。
冒険者が階級を上げるためには、依頼を熟して一定のポイントを貯める必要がある。
依頼の受注処理が終わった健が振り返ると、そこには白く短い髪の美少女が立っていた。
少女は、白いローブに木の杖と言う魔法使いのような恰好をしており、健に対して何かを言いたげだった。
少女は、健に依頼の同行を提案する。
健は、少女に素性と提案の理由を問う。
少女の名前はミヤモト・カレン。男性が苦手な彼女は、武骨な他の冒険者に声を掛けられず、健に声を掛けたと言う。
回答を聞いた健は、カレンの同行を許可する。
2人で依頼を行うと決まった後、健は、討伐対象であるシロップベアーについてや、異能について、ギルドのポイント制度についてなどをカレンに確認する。
ちなみに、「異能」は、1つは体内にある魔力を現象に変える「魔法」と、身体能力の延長線上にある「超能力」に分類される。
健がそれらを問うことで、カレンは健が自分よりも経験の浅い素人冒険者であることに気付き、「選ぶ人を間違えた」と言いたげな表情になる。
2人は健の武器となる剣を買った後、街を出て、シロップベアーの討伐へと向かう。
その道中、健の異能を確認するのであった。
【2.2 討伐開始】
健は、「カーム」や「ガスト」、「ウインドナイフ」などの魔法を駆使し、シロップベアーを討伐する。
討伐したシロップベアーは、ギルドカードに付与された「ウェアハウス」の魔法によって格納され、ギルドへと提出されることとなる。
【2.3 空を裂くモノ】
帰路に就いた2人は、カレンの異能について話をする。
カレンは、一度見た魔法を使えるようになる「魔法適性・極」と、常人の10倍の魔力量を持つ「魔力量上限向上・極」の超能力を持ち、「ウィッチトライアル」と言う魔術を使えると言う。
魔術とは、誰もが使用できるわけではない詠唱が長く威力が高い魔法の総称である。
2人がそんな話をしていると、突如 空が裂けて大きな漆黒の穴が開き、中から大きな獣が飛び降りた。
その獣は、頭は獅子のようであり胴体は熊のようであり、足などの末端部には所々鱗がついていた。
また、獅子の頭の額には赤黒い水晶のような角が生えていて、体長はだいたい8mほどだった。
要するに、化け物だった。
カレンが言うには、その化け物は「キメラ」と呼ばれているらしい。
話をそこそこに、2人は戦闘の準備をする。
作戦としては、健が時間を稼ぎ、カレンが魔術を使うと言うものだ。
健は、死に物狂いでキメラの相手をする。
健が死の恐怖に飲み込まれる直前、カレンの魔術「ウィッチトライアル」が発動し、キメラを炭と変えた。
ギルドが高額で買い取るキメラの角を回収し、再び帰路に就いた。
2人の話題はキメラについてのものとなる。
キメラについてはまだ詳しくはわかっていないが、半年ほど前から世界各地に現れては人々を殺している存在であり、酷い時には1体のキメラに100人以上が殺されることもあるとのことだった。
また、空を裂いてできた漆黒の穴から出て来ること、複数の動物を合成したような見た目であること、頭に相当する部分に赤黒い水晶のような角が生えていること、角は大きいほど戦闘能力が高いことなどがわかっている。
突然発生した超生物だと言う根も葉もない噂も出回っているが、それは今は亡き隣国の天才研究者であるゲオルク・フィッツロイが最期に出した本「進化の道」と矛盾することになるため、本当に根も葉もない噂でしかない。
【2.4 帰還】
ギルドへの報告を終え、2人とも第2階級である赤階級に昇進した。
なお、今回討伐したキメラは、記録されている中でも結構大きめであり、強さとしては第3階級である橙階級の冒険者が6人がかりでようやく倒せるレベルとのことだった。
2人はパーティを結成し、今後も2人で活動することを決めた。
健は、カレンを連れてトワイライトへと戻り、トワイライトの食堂兼酒場で勝利とパーティ結成を祝して宴を開いた。
宴が終わり、健が部屋でくつろいでいると、マイが来て、買い物の約束を取り付けられた。
しかし、翌日から4日間ほど高熱で寝込んでしまい、その約束は果たされなかった。
健は、元の世界にいた時も今回のように寝込んでいたことを思い出す。
健は、マイに約束を果たせなかったお詫びにとネックレスを買って渡した。




