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4.謎のメッセージ

宇宙飛行士OB会の会見は、国会で大きな議論を巻き起こしていた。政府は「根拠のない憶測で国民を扇動する行為」と強く非難し、野党は「宇宙からの警告を真摯に受け止めるべきだ」と政府の姿勢を追及した。メディアは連日この対立を報じ、日本社会は、宇宙からの視点と地上の利害の間で激しく揺れ動いていた。


そんな中、一つの動画が、SNSで瞬く間に拡散された。

「宇宙からの真実」と題されたその動画には、誰が撮影したのか、はっきりとは分からない、ぼやけた宇宙ステーションの映像が映っていた。BGMはなく、ただ、淡々としたナレーションが流れる。

「私は異星人です」

その一言から始まるメッセージは、衝撃的な内容だった。

「地球移住の可能性を探求するために地球にきました。我々の文明ははるかに優れています。乗り物は全て重力制御で動きます。食料は全て工場生産です。我が星では水泳は全てプールでします。戦争はありません。核兵器は全て廃棄しました」

メッセージは、異星の高度な文明を誇らしげに語っていた。その言葉は、まるでSF小説のようであり、しかし、どこか現実味を帯びていた。少しトーンが変わった。

「しかし、我が星には自然が無いのです。もはや、住めなくなりつつあります。地球は自然が有ります。我々は地球人と仲良く住もうと思っています。その前に自然が無くなってしまえば不可能になるのです。地球の皆さま、ぜひ自然を守ってください」

動画は、最後にそう締めくくられていた。

この動画は、またたく間に数百万回再生され、国民の間で大きな波紋を呼んだ。

「これは、本当に宇宙人からのメッセージか?」

「いや、単なるイタズラだろう。CGの映像に、誰かがそれらしいナレーションをつけただけだ」

「でも、もし本当だったら…」

「宇宙人が地球に来ている!!」

「ありえない」

「既に日本に住んでいるのだ」

「ばかばかしい」

「なぜ日本語なのだ?」

「自然を守れと訴えている。俺もそう思う」

「文明が進んでも、自然が無くなれば住めなくなる。本当の事だ」

「異星人の話では、川も、海もないのだろう」

「山には草木も生えてないのかも知れない」

多くの人々は、この動画の真偽を疑いながらも、その内容に魅了され、議論を交わし始めた。


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