371話 愛の形
折角シアが自分のバスタオルを犠牲にして師匠の体を隠したにも拘わらず、師匠は自らそのバスタオルを剥ぎ取って、再び俺にその眩しいまでの裸体を見せつけていたのだ!
「師匠!何してるんだ!」
「みんなが全裸なのに私だけタオルで隠してるなんて仲間はずれみたいでさみしいじゃない?」
「そういう問題か!」
突っ込みながらも俺は再び目にした師匠の神々しいまでに美しい裸体から目が離せないでいた。
「ララ先生、どういうおつもりですか?わたしとヒナさんはゲンの妻になる身ですが、ララ先生は他の男性と結婚しています。ゲンももう成人する年齢ですし、むやみに裸を見せるのはどうかと思います」
シアが少しあきれ顔で師匠にそう尋ねた。
「そうですよ!ゲンさまってばララさまのあそこから目が離せなくって大変な事になってますよ!・・・まあ、シアさまとわたしのあそこや胸もチラチラ見てますけど!」
仕方ないだろ!
こんなものが目の前にあったらどうしても目線がそっちへ行ってしまうんだ。
「ふふっ!ゲンってば私たち三人に同時に欲情してるみたいだね!どう?天国みたいでしょ?」
師匠がそう言ってしなを作って更に魅惑的なポーズで俺にその裸体を見せつけた。
俺は今にも師匠を抱きたくなる衝動を必死に堪えた。
「師匠!からかうにしても度が過ぎるぞ!シアの言う通り人妻の師匠が冗談でやっていい事じゃないだろ!」
俺は危うく限界を超えて暴発しそうになる興奮を必死に堪えながら師匠に怒鳴りつけた。
師匠だけで無くその両脇ではシアとヒナも無防備に魅惑的な裸体を晒したままなのだ。
まさに師匠の言う通り、まさに天国の様な状況なのだが、さすがにここで理性を失う訳には行かない。
「それじゃあ私もゲンと結婚するよ!それなら問題無いでしょ?」
・・・・・師匠・・・・・今、何て言った?
師匠が・・・俺と・・・結婚するって言わなかったか?
「師匠・・・冗談・・・だよな・・・さすがにその冗談は悪質過ぎるんじゃねえか?」
「本気だけど?ゲンはいやなの?」
師匠は人差指を唇に当ててかわいらしく小首を傾げた。
・・・全裸でそのかわいい仕草は反則だろう!
「嫌なわけないだろ・・・いや、そうじゃなくて!ジオやシンはどうするんだ!」
「もちろんこれからもみんな一緒に愛していくよ!この帝国ではそれは普通の事だからね!」
・・・いや、待て・・・これってやっぱりからかわれてるんだよな?
しかし・・・まさか本当って事は無いよな?
「シアちゃんとヒナちゃんはどうかな?私が二人と一緒にゲンの奥さんになるのはいやかな?」
「わたしは大歓迎です!ララさまもシアさまも大好きですから!一緒に四人プレイが出来るって事ですよね!」
ヒナ・・・いきなりそこに話が飛ぶのか?
「わたしは・・・ゲンがララ先生だけに没頭せずに変わらずわたしの事も愛し続けてくれるなら・・・それでもかまわないです」
シアは強い意志を秘めた瞳で俺と師匠を見つめ、そう答えた。
・・・これは・・・夢じゃ無いのか?
俺は本当に師匠と結婚する事が出来るのか?
「師匠は・・・俺と師弟の一線を越える事は無いと思ってた・・・」
「うん・・・わたしもそのつもりだったんだけどね」
師匠は一度上を仰いで語り出した。
「出会った頃のゲンはまだまだ子供だったけど、でも強くなりたいって意思は本物で、きっと勇者候補に選ばれるのってこういう子なんだなって思ったよ。育てたらどこまで強くなるだろうなって思って弟子にしたら予想以上に上達が早くてびっくりしたな」
師匠は俺の方に向き直って微笑んだ。
「ずっと子供だとばかり思ってたら、いつの間にか素敵な男性に成長してたよね。すっかりかっこよくなって私もドキッとする瞬間が何度もあったよ」
「師匠が俺の事をそんな風に見ていたなんて気がつかなかった」
「シアちゃんの事があったからね。二人の関係を壊さない為に、変に私がゲンに近づきすぎない様に気をつけてたんだよ」
師匠は心配そうな表情で話を聞いていたシアの方に微笑みかけた。
「でも、ゲンがヒナちゃんとも婚約して、私の方もシンと結婚して、お互いに愛する人を一人に限定しなくても良くなってから改めて自分の気持ちを見つめ直したんだ」
師匠は俺の方を向いて両手を差し出した。
「ゲンの事は弟子として愛しているし、弟の様にも愛しているし、息子の様にも愛しているけど・・・今は一人の男性としても愛してるんだ!」
「・・・師匠・・・」
「ゲンは・・・どうかな?」
「俺は・・・」
愛しているとすぐに答えたかったが、シアとヒナがいる前で即答する事に躊躇した俺は二人の顔を見た。
するとヒナはすぐに右手を前に出し親指を立ててうんうんと首を縦に振った。
そして、シアは両手を胸のまで組み、聖女のような静かに微笑みを浮かべてうなずいた。
二人の答えを見た俺は師匠に答えた。
「師匠・・・いや、ララ。あなたを愛しています。俺と結婚して下さい」
俺はずっと言いたかったセリフをついに口にしたのだった。




