372話 永遠の幸福
「嬉しい!」
師匠は満面の笑みを浮かべると、俺に飛びつき抱きしめたのだ!
・・・師匠の素肌が俺の体に密着する。
豊満な胸がぎゅっと押しつけられ、細くしなやかな腕が俺の背中を優しく締め付ける。
「ま、待て、師匠!確かに結婚してくれとは言ったが・・・今すぐじゃない」
「どうして?」
師匠は俺を見上げて首を傾げた。
「それは・・・俺が一度でも師匠に勝ってからだ」
・・・そうでもしないと誘惑に負けて、剣を極めるという目的意識が薄れてしまう気がしたのだ。
そう、俺は女性としての師匠に惹かれる前に『剣聖』としての師匠に強い憧れを抱いていたのだ。
師匠を手に入れる事が出来たとしても、やはり師匠と同じ強さ、同じ高みに到達しないと自分が納得できない。
「そっか、相変わらず真面目だね。でもそういう所がゲンを好きになった理由でもあるんだよ!」
師匠はそう言って背伸びをすると俺の唇に自分の唇を軽く当てた。
「でもこれくらいならいいよね?」
師匠はちょっと小悪魔的な笑顔でそう言った。
・・・今・・・一瞬だけど師匠とキスしたんだよな?
師匠が触れた唇の感触を思い出すと全身が熱くなるのを感じた。
「ララさま!抜け駆けはずるいです!」
「そうですよ!わたし達ララ先生にゲンを譲った訳じゃ無いですからね!みんなで一緒に愛し合うんですから!」
シアとヒナがそう言って俺と師匠に抱きついてきたのだ!
「わたしだってララさまに負けないぐらいゲンさまを愛してるんですよ!」
ヒナが師匠を押しのけて、俺の首に両腕を回してしがみつきキスをしたのだ!
ヒナの小さくて柔らかい唇の感触と、師匠よりも小ぶりだがほどよい膨らみの胸が俺の胸に擦りつけられ、俺は体が更に熱くなるのを感じた。
「ヒナさん代わって下さい!ゲンを一番愛してるのはなんと言ってもわたしですから!」
そんなヒナを今度はシアが押しのけて、俺の頬を両手で掴みキスをした!
今まで何度も触れ合ったシアの唇と体だが、今までで一番官能的に感じた。
おそらく師匠とヒナを感じた直後だからかも知れない。
でも今ので俺は本当に三人の事を三人とも本気で愛していると再認識する事が出来たのだ。
「ちょと!二人は今まで何度もゲンとこういう事してきたんでしょ?私にももう一回譲ってよ」
更に師匠がシアを押しのけて再び俺にキスをしたのだ!
「ララさまはゲンさまが勝ってからですよね!」
今度はヒナが師匠を押しのけた。
「ええー!それじゃさっさと負けちゃおうかな?」
・・・師匠・・・そういう事じゃないだろ?
「ララ先生、ずるはだめです!」
師匠とヒナの隙を突いて今度はシアが回り込んできた。
「今だけはいいじゃない!」
師匠が見事な体捌きでシアと俺の間に入り込んだ。
しかしシアやヒナも体術の修行を重ねている。
二人も巧みな皆こなしで次々と俺の正面に回り込み、唇を奪っていくのだ!
・・・そうして三人が俺の周りをぐるぐると回りながら次々にキスをしてきたのだ!
その度に三人とも体を俺に密着させたままで俺の周りを回っているので俺は全周囲を彼女たちの柔らかくしなやかな裸体に擦られながらキスをされまくっているだ。
当然あれも執拗に蹂躙される事になる。
こんな状況に俺がいつまでも耐えられるわけが無い。
「お前らいい加減にしないと!・・・あっ・・・」
・・・案の定、全身を駆け巡る快感が頂点を超えた俺は限界を迎えてしまった。
そして、丁度のその時俺の正面にいたヒナが胸から顔にかけてそれを浴びてしまったのだ!
「やったー!わたしが当たりです!」
顔面にそれを浴びてしまったヒナはむしろ喜んでいた。
「いいなあ、ヒナちゃん!次は私が当てるよ!」
「いいえ、次はわたしの番です!」
「待って待って!わたしが連続で当てるんだから!」
そう言って三人は再び体を擦り付けながら俺の周りを回り始めたのだった。
「こら!俺をルーレット代わりにするな!」
「そんな事言ってても、ゲンのここ、もう元気を取り戻してるよ?」
「ゲンはまず忍耐力を上げるところからだね!明日から毎日私がみっちりしごいてあげるよ!」
「ララさまが毎日これをしごくんですか!」
「ヒナ!そういう意味じゃないだろ?」
「えっ?そういう意味で言ったんだけど?」
「師匠!剣の修行じゃないのかよ!」
「ゲンは剣よりもこっちの修行の方が急務じゃないかな?」
師匠がそう言っていきなり両手で俺のものをがっちりと掴んだのだ!
「ララ先生はだめです!こっちの修行はわたしの担当ですから!」
今度はシアが両手で掴んで自分の方に引き寄せた。
「じゃあ、わたしもシアさまと一緒にこっちを担当します!」
更にヒナまでも掴んできたのだ!
「馬鹿!やめろ!いてて、爪を立てるな!」
「ララ先生は剣の師匠なんですからこれは離して下さい!」
「これもある意味ゲンの剣みたいなものだからこれも私の担当だよ!」
「よくわからない理由付けないで下さい!」
「あはは!それじゃわたしが鞘になっちゃおうかな?」
ヒナが手を離し、あろう事か俺の上に跨がろうとしてきたのだ!
「ヒナさん!最初にゲンの鞘になるのはわたしっいうて約束ですよ!」
そのヒナを押しのけシアまでも俺に跨がろうとしてきたのだ。
・・・この流れだと当然・・・
「あはは!それじゃ私もゲンの鞘になっちゃおう!」
予想通り師匠までも二人に重なって俺に跨がろうとしてきたのだ!
・・・このまままでは避けきれずに誰かの中に入ってしまうかも知れない!
今の時点でなし崩しにそんな事になってしまったら、もう歯止めがきかなくなってしまう。
折角それぞれに対してけじめを付けようと決心したばかりなのだ。
ここで欲望に流れてていては剣を極めるどころでは無い。
この状況を回避するには・・・極限まで膨張し堅くなったこれを普通の状態に戻せば良いのだ!
俺は自分の股間に意識を集中し、溢れんばかりに膨張した興奮を引き戻すように強く念じたのだった!
「・・・あれ?・・・外れちゃった?・・・誰に入ったの?」
師匠が首を傾げてシアとヒナに尋ねた。
「わたしも残念ながら外れです・・・と言うことは・・・ヒナさん?」
シアがヒナを見てそう聞いた。
「ええっ!わたしも外れちゃいました!」
「・・・ということは・・・あれはどこにいっちゃったんだろう?」
「いいから早くどいてくれ!三人も乗ってるとさすがに重すぎる!」
「えっ?ゲン、その声?」
「ああっー!女の子になってます!」
そう、俺の体は寸前で女性の体に変化していた。
そのおかげで当面の危機を回避することが出来たのだった。
「ララ先生がやったんですか?」
「まさか?私はやってないよ?本気で狙ってたもの」
「と言うことは・・・ゲンが自分で魔法をかけたんですか?」
「よくわからねえ・・・今の状況を回避しようと必死で興奮を収めるように念じたんだが・・・何故かこうなっちまった」
「そうか・・・何度か女性化の魔法をかけたせいでゲンが魔法をマスターしちゃったんだね」
「そんな事があるのか?」
「魔女の魔法はイメージ力次第だからね。ゲンは長いこと女性の体でいたせいでそのイメージが定着しちゃったんだよ。これからは自分の意思で性別を変えることが出来るよ」
「そうか・・・まあいいや、今みたいなことが起きないようにしばらくこの姿で剣の修行を続ける事にする」
「ゲン、それじゃあわたしとの婚約はどうするんですか?」
シアが心配そうに俺を見つめた。
この後俺達は王国に帰って俺の上級剣士合格の手続きと貴族になる為の手続き、その後晴れてシアとの正式に婚約し、続けて結婚式を挙げようかと考えていたのだ。
「婚約までは必要な時だけ男に戻る。それ以外は女の姿で師匠の元で修行する」
「それじゃあ、結婚はいつになるのですか?」
「俺が師匠に勝てた時だ。三人と結婚するのはその後だ!」
「あはははは!ゲンらしいね!いいよ、それまで付き合うよ!」
「仕方ありませんね!わたしもそれまでゲンさまとの結婚は我慢します!」
師匠とヒナが笑いながらそう言った。
「はあ・・・わかりました。わたしもそれまで我慢します。人一倍エッチなくせにそういう真面目な所がゲンのいいところですから」
・・・人一倍エッチは余計だ・・・
「すまないな、シア。約束がどんどん変わっちまって」
「いいですよ、もう。ヒナちゃんもララせんせいも大好きですから!」
シアはそう言って師匠とヒナ共々俺を抱きしめた。
「その代わり・・・今は女の子のゲンを思いっきり愛しちゃいますよ!」
シアはそう言うなり俺の頬を掴んでキスをしてきたのだ!
「あはは!じゃあわたしはこっちです!」
ヒナはそう言うと俺の胸に吸い付いて吸い始めた。
「それじゃあ私はこっちかな?」
師匠はあろう事か俺の股間に顔を埋めて舐め始めたのだ!
「馬鹿!やめろ!・・・あっ、気持ちいい・・・」
三人はいれからり立ち替わり、女性となった俺の体を隅から隅まで攻め始めたのだ!
・・・結局これって何も解決していないんじゃ無いのか?・・・
・・・だが、こうしていつまでも愛する者達と幸せな時間が過ごせるならどっちでもいいか?
そんな事を考えながら今この瞬間の幸福を受け入れたのだった。
第9章 完結です。
『勇者を名のる剣聖の弟子』の番外編は一旦これで完結です。
気が向いたら不定期に再開するかも知れませんが今のところ予定はありません。
長い間お付合い頂きありがとうございました。




