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タイトル未定  作者: 牛歩
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第三話 現状確認2

本作品の製作にあたり、世界観・物理設定の検証およびブレインストーミングの補助として一部対話型AIを使用しています。本文およびストーリー展開はすべて作者自身により作成・執筆されたものです。


またこの作品の、タイトルはいまだ未定であり、決定次第随時変更していく次第です。


加えて、本作品には性的、差別的な内容が含まれているので苦手な方はご注意下さい。


ご理解、ご了承のほどをお願いいたします。


また、事前の告知等はするつもりなのですが、タイトル変更によって当作品の検索が困難になる場合がありますので、作者名を覚えていただくか、ブックマーク等の機能を活用していただけると幸いです。

異世界に赤子として転生してから、はや数か月が経った。


初めのうちは、混乱などから意味不明ななぞかけ(現実逃避)をしたり、自身の転生した理由についてバカ真面目に自問自答をする日々を繰り返していたが、そもそも人智を超えた現象について天才でもない俺に理解できるはずもなく、何の進歩もないまま太陽?がただ上下するのみだった。


恒星の往復の回数が20回を超えたあたりで、俺はいったん転生の原因について考えるのをあきらめ、代わりにこの世界について知ることを目下の目標にした。


(冷静に考えれば、考える順番が逆な気がするけど。)


まあ、普通に夢落ちであってほしいっていう願望があったのだろう。

自身の状況の矛盾した点を挙げることで、現状は間違っていると確信を持とうとするみたいな。(なんだか背理法みたい)


正直、退屈ではあったが元の世界が嫌いだったわけではないしね。


身の安全は基本的に保証され、教育も一般に普及しており、医療に関しても十分に発展している。

国家権力にコバンザメしながら(守られながら)安全で文化的な生活を送れるとか最高すぎるだろ。


そしてなによりアニメがすごい。


職人の手(クリエーター)と最新技術(CG)の複合によって、命を吹き込まれたヒロインたちはまさしくこの世の女神といえるほどに神々しい。


恋人いない歴=年齢というインセル(弱者男性)である自分からしたら、あれなしではもう生きられないくらいにどっぷりだ。底なし沼ってやつ。


まあ、それが今の俺の常人とは一線を画すような趣向(性癖)を生み出す一因になったことは否定できないけど...


(だが、どうせ今までだって大気圏にまで届くのではと錯覚するほど恥という恥を上塗りし、積み上げてきたのだからここまで来たら特殊な癖はもう誤差だということにしよう。)



観察していた中で気づいたこととしては、まずは時代である。


一般に小説などにおいては、転生といったら中世ヨーロッパあたりが舞台になるのがテンプレで、俺の場合もその例に漏れず、相場のストライクゾーンど真ん中を突っ切っている。


これに加えて、技術が近代と同等レベルに発展していたり、通常ではあり得ないような食べ物 (じゃがいもなど)があったりしたら、まごうことなき「ナーロッパ」の仲間入りである。


「なろう系」は、ご都合展開や無双などの要素によって批判されることが多いが、それと同時にあまりにおざなりな「中世」設定に対する非難も少なくない。


中世ヨーロッパなのにしっかりした「衛生観念」が広まっていたり、コロンブスによる新大陸の発見前にもかかわらずジャガイモといった食べ物があるなど、歴史と大きく乖離している点が数多くあるからだ。


(まあ史実通りにいった方がよりリアリティがあるっていう意見にも一理あるけど、同じような世界観が広く用いられている時点で、こっちにも同様に人の琴線に触れる部分があると思うからあんまり白黒はつけられない気がするけど。)


それにあくまで創作である以上、多少の主観の混入に関しては無礼講としたほうがいいと思うし。

表現の自由を行使する的な。


そんな最近のライトノベル界での論争は一度置いておくとして、ここまでTHE転生っていう世界観を地で行っているのだから、このまま俺の世界に関してもナーロッパのまま突き進んでほしいものである。


リアリティは置いておいて、小説のような世界観であれば現実の中世の世界で跋扈(ばっこ)していたような理不尽な死自体は激減するのだから。


なんなら、この世界での母がジャガイモのようなものを食べていたのを遠目で確認できたので、期待度はかなり高いといえるだろう。


しかしそんな中で気づいた、というか初めのうちに察したうえで目をそらしていたことがある。


それは言語についてだ。


一般に、小説などにおいては人々の会話などが最初からわかるのがあるあるのご都合展開だ。

(まあそもそも言語に関して、何一つわからなかったら話進まないし、社会孤立してジエンドルート確定までありうるから仕方ないんだけど。)


そんな現実感のない小説に対して、「妄想激しすぎるわ」と苦言を呈し続けた今日この頃、いざ同じ立場になったら厚顔無恥にもそんなご都合展開を期待してしまうのが人の性なのである。

(それにジャガイモによる確変タイムが始まっていたし)


自身の過去の発言を忘れ、「さて、いつも通り会話を盗み聞きするか...」とスパイ映画さながらのどや顔を決めながら耳を澄ませてみると(ちなみに盗聴の技術は塾で培った。高校は男子校だったから女子と同じ空気で呼吸できるのそこだけだったし。なにより俺の女性の声に対する執念を舐めないでほしい)、なんとも面白いこと(皮肉なこと)が起こった。




(...マイスイートマザー、なんて言ってんの?)




そう、何を言っているのかわからないのである。


一言一句聞き逃すことがないよう耳を澄ませて、この世界での母の言葉を聞いてみても、ただ意味不明な音が俺の右から左を一直線に通り抜けるだけで、全く理解できないのである。


(すごい、会話を聞く前と後で情報が何一つ増えない。終わりすぎてて逆に面白いな。)


「異世界転生したら言葉がわからなくて絶望、そのまま奴隷の身分に墜落す」とかそんな最悪なタイトルが頭に思い浮かぶ。


(弱い人間が転生してさらに弱くなって、行くところまで行く(奴隷落ち)ってどんな拷問?)


人間低きに流れるとはよく言うが、これに関しては転生っていうトラップで滝みたいに垂直にすごい勢いでたたきつけられているみたいなものだ。


前世で、何(・)の(・)罪(・)も(・)犯(・)さ(・)ず(・)、誠心誠意生きてきた俺に降りかかる災厄としてはでかすぎる。



(盗聴や特殊な癖に関してはいったん忘れるとしよう。)




さらに絶望を上乗せさせる要素がもう一つ。


この家、おそらくトイレがない。


「いや、トイレがない程度何の問題にもならなくない?」と思う人もいるだろう。


実際、トイレがなくとも用を足すならば、その辺に立ちしょんすればよいのだし、大のほうに関しても茂みに隠せば何とかなるのではという指摘も的を射ているとは俺も思う。


まあこれに関して、恥や外聞といった問題もあるが、そもそも「紳士道」を「性癖」などと変換している時点で、すでにラインなど大きく超えているのだから別にいいのだ。


(ちなみに俺の高校でのあだ名は補集合の記号からとって「アポス(常識の外側)」だった。あまりにきれいすぎる表現だったから、感動で涙がとまらなかったよ。


気になる人は数学の「集合」について学んでみてほしい。言葉の意味が分かれば俺の感じた気持ちが理解できるだろう)


ともかく、社会的に失うものが何もない俺にとってそれらは大した問題ではなかったのだが、生命活動を行う動物として、到底看過できないことが一つある。


それは、感染症の類だ。


高校などで世界史をとっている人々は知っているかもしれないが、中世ヨーロッパといえば終わっている衛生観念から繰り出される「病原菌たちのハーモニー」で有名である。


最もポピュラーなもので言えば、「赤痢」や「腸チフス」といったものだろうか。


これらの病気は主に糞尿を庭などに放置することで、雨によって排せつ物が井戸などにしみこみ感染が拡大していく病気であり、上下水道が備わっていなかった中世ヨーロッパで慢性的に流行していた病気である。


ほかにも「天然痘」や「結核」、「くる病」などの栄養不足による病気、などなど様々な病気が猛威を振るっていた。


その多くは、洗濯、上下水道の設置、消毒の徹底といった基本的なことで感染率を劇的に下げることができるのだが、一家に一台トイレがない時点で暗雲が立ち込み始めている。


公衆便所という希望に賭けたいところだが、母が出かけてから戻ってくるまでの時間が決して長くないことを考えるに、広大な自然の中で開放的な気分になっていた可能性の方が極めて高い。


つまり絶望へのカウントダウンはすでに始まっていると考えるのが妥当なのだ。


(外に出た瞬間、「きれいな畑」と「道端に転がる糞尿」による芸術作品が広がっているとか最悪すぎるぞ。コントラストを生かして黄金(麦畑)を映えさせているとかシャレにならん)


そんな、「ナーロッパ」一直線で始まった自身の異世界転生が、無駄に高いリアリティを追求し始めているのを見て、俺の苦悩は募っていくばかりだった。

ご愛読くださりありがとうございます。


更新の頻度に関して不定期になってしまうことをご容赦ください。



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