第二話 現状確認1
本作品の製作にあたり、世界観・物理設定の検証およびブレインストーミングの補助として一部対話型AIを使用しています。本文およびストーリー展開はすべて作者自身により作成・執筆されたものです。
またこの作品の、タイトルはいまだ未定であり、決定次第随時変更していく次第です。
加えて、本作品には性的、差別的な内容が含まれているので苦手な方はご注意下さい。
ご理解、ご了承のほどをお願いいたします。
また、事前の告知等はするつもりなのですが、タイトル変更によって当作品の検索が困難になる場合がありますので、作者名を覚えていただくか、ブックマーク等の機能を活用していただけると幸いです。
異世界転生、それは何らかのきっかけ(現実世界でトラックにはねられるとか)で太陽系第三惑星「地球」を離れ、全くの別人として新しい人生を歩むことを一般的には表し、転生先の世界は某人気アドベンチャーゲーム"ドラゴンクエ〇ト"のような「剣と魔法のファンタジー世界」であることが多い。
具体的に言えば「剣士」がさも当然かのように大木や巨岩を切断したり、「魔術師」が何もないところから火の球を生み出したり、「魔物」と呼ばれる異形の化け物が存在したりといった感じだ。
最近のファンタジー系のライトノベルで言えば、「チート能力」を使って無双するのがのトレンドであり、ここに「追放」、「復讐」、「ざまぁ」、「俺TUEEE」まで加わっていたら役満で、りっぱな「なろう系」と呼ばれるジャンルの小説の完成だ。
下剋上を思わせる単語が多いのを見るに、日本国民は職場で上司などから「お前みたいなゴミは必要ない」といった言葉を日常的に浴びせられているのだろうか?
(まあ最近では上司によるパワハラ、セクハラだけじゃなくて客によるカスハラも存在しているけど)
いずれにせよ、これらのジャンルが人気を博している時点で、「人々が上下関係などに起因する不快なことに心身を病んでいる」という主張が、多少なりとも正当性をもつという結論に至るのは当然の帰結である。
小説という「人間の夢や思いの発露」とも呼べる代物から、いかにして現代人が職場などで上司から罵声を浴びせられ、そのストレスに耐えながら生きているのか伺えるのがなんともむなしいものだ。
最近では「スローライフ」といった要素も付け加えられ始めているらしく、人々の「仕事を辞めたい」や「見返してやりたい」という切実な思いが文学におけるブームを巻き起こしている光景は、砂を集めて作った城のようなものを想起させる。
出来上がった砂の城は風といった小さな刺激では崩れないけど、それでも時間をかけてゆっくりその形を失い、最後には最初の時と同じように何もない状態に元に戻るのだ。
そしてまた砂場に誰かがやって来て、城を作って、崩れての繰り返し。
惰性や負の感情といった砂は、集まることで一時的に何かをつくりあげることはあっても悠久に残り続けることなどはありえない。
(まあこんな現象、一度風化した「アーリーリタイア」がNISAブームによって「FIRE」と名前を変え復活して、また忘れられようとしているみたいなのとおんなじで、当たり前のことなんだけどね。)
「なろう系」と「FIRE」には本質的な違いなんてないと思うんだけど、なぜだか前者は若者の間で嫌煙されがちなんだよな。
単純に、文字として書き記すことでルサンチマンが確固たる形を持ちすぎて慎み深さを感じられないからなのかな。わびさびみたいに。
ちなみに俺は「スローライフ」が大好き。
働きたくないという思いはもちろん、なにより優しい美少女に甘やかされて生きるっていう展開が多いからね。
転生直後に開きかけた新たなる紳士道と共通点が多いのを見るに、もしかしたら四足歩行が扉を開くカギになったというだけで、俺はもともと変態だったのかも。
とまあここまで、「異世界転生の定義」と「小説のトレンドから見える日本社会の闇」について語ってきたわけだが、俺がいる世界は今のところ「強い剣士」、「魔法」、「魔物」がある時点でもうほぼすでにテンプレに当てはまるまで秒読みなのだが、一つだけ変な点がある。
それは、俺自身が現実世界で死んだわけではないという点だ。
普通に朝に起きて、大学に行き、授業を受けて、家に帰り、ご飯を食べて、お風呂に入って、布団で眠る。
そんな健康的で模範的な、悪く言えば退屈な、生活を送っていたある時、目が覚めるとこの世界に来ていたというわけである。
もちろん最後に残っている記憶には「トラックとの接触」といったものはなく、普通に布団で寝ていただけだ。
まあ寝ている最中に死んだ可能性もあるが、日本にいる以上、銃火器によって気づく間もなく殺されたという可能性はほとんどないといっていいだろう。
当然、刺殺や撲殺などもあり得ない。
(刃物とかでめった刺しにされたのに一度も目覚めなかったんだとしたら、殺された事実よりそっちの方が怖すぎるしね。
真夏のホラー番組で実在する怪異として取り上げられてもいいレベル。
...まあそうすればある意味、テレビ出演という長年の夢を叶えられるから悪くはないのか?)
同時に、戦争などが起こり俺の家に核爆弾が落ちてきたという可能性もないと断言できる。
そもそも、首都やその他重要施設が存在する場所に俺の家があったわけではないし、なにより戦争の「せ」の字もないほど、日本と各国の関係は良好であったからだ。(なんならちょうどその時期あたりで、質量にかかわる重要な発見があったとかで日本の学者がノーベル賞かなんかで表彰されていた気がする。)
いずれにせよ、自身の生死に関係するような出来事は思い当たらない。
いつ、どこで、どうして死んだのか。
自身の記憶を頼りに、先の見えない森の中を歩いているとどんどん頭が痛くなってくる。
そもそも、「転生は死後の話である」というのが人間の偏見に過ぎなくて、転生が日常生活の中で何の前触れもなくカジュアルに起こるものであるという可能性も捨てきれない。(カジュアルな転生とかいやすぎるけど...)
時間がたつにつれ、主張を増していくずきずきとした頭痛に顔をしかめながらも思考を続けていたら、だんだん瞼も落ちてきていた。
(そういえば、今のおれ赤ん坊だわ...)
なんとなく癪に感じたので、意味もなく眠気に逆らおうとしたが、抵抗むなしくどんどん視界はぼやけていく。
そのまま、俺の意識は暗くて深い海に沈んでいった。
ご愛読くださりありがとうございます。
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