第十二話 日常の一幕1
本作品の製作にあたり、世界観・物理設定の検証およびブレインストーミングの補助として一部対話型AIを使用しています。本文およびストーリー展開はすべて作者自身により作成・執筆されたものです。
またこの作品の、タイトルはいまだ未定であり、決定次第随時変更していく次第です。
加えて、本作品には性的、差別的な内容が含まれているので苦手な方はご注意下さい。
ご理解、ご了承のほどをお願いいたします。
また、事前の告知等はするつもりなのですが、タイトル変更によって当作品の検索が困難になる場合がありますので、作者名を覚えていただくか、ブックマーク等の機能を活用していただけると幸いです。
冬のある日、ダレルとフェイラの二人は森で模擬戦を行っていた。
いつもの訓練では、森の中での走り込みや護身術に関する指導が主であったが、最近になってダレルが魔法を使用できるようになったため、魔獣といった魔法を使える相手との戦闘を想定した訓練を今回は行う運びになった。
巨大な針葉樹が乱立する深い森の中では二人の戦闘音が響き渡っており、そのすさまじい音から戦いの激しさをひしひしと肌で感じることができる。
模擬戦のルールはシンプルで、初めにお互いが20mほど離れた位置に立ち、フェイラの「始め!」という掛け声のあと、魔法などを駆使して相手に先に一撃を入れたら勝ちというもの。
手には武器として木刀を持ち、泥団子を「バレット」によって射出して戦う。(石を用いた場合ケガの危険があるため泥団子を使用している)
最初、ダレルはフェイラの腕力を警戒した結果、距離をとりつつ「バレット」によって安全に相手に攻撃を与えるという作戦で戦っていたが、フェイラに攻撃を当てることは一度たりともできなかった。
その大きな要因は「魔法の練度に大きな差があったこと」だ。
ダレルも日々の訓練で、ある程度魔法の詠唱を省略できるようになっていたが、それでも発動の際には「すべての敵を打ち破らん。バレット」と唱える必要があった。
対して、フェイラに関しては長年魔法の鍛錬を行っていたため無詠唱での「バレット」の発動が可能となっており、両者の発動時間には大きな差があった。
そのため、たとえダレルがフェイラの隙をついたとしても、彼が魔法を発動するよりもフェイラが魔法を発動する方が断然早いため、ただ打ち合うだけではダレルに勝機は万に一つもなかった。
そんな風に長距離での魔法の打ち合いを繰り返し、負けを積み重ねた後、ダレルはこの戦術では勝機がないと理解し、近距離戦を仕掛ける作戦に切り替えた。
(腕力には大きな差があるが、近接戦闘では現代でのCQC戦術を理解している俺の方がまだ少しは有利なはず。)
そうと決めれば早速実行しようと、ダレルはフェイラとの距離を詰めようとしたのだがこれも失敗した。
ダレルはまず、四方八方にたつ木を盾にしつつフェイラへと接近しようとしたが、彼女もその狙いが分かったため、木が少ない場所まで移動し、ダレルが遮蔽がないなかで飛び出すしかない状況を作り出した。
そこでダレルは木を飛び出す直前に「バレット」によって泥団子を射出し、フェイラが回避で体勢を崩している隙に側面から切りかかろうとしたが、飛んできた弾をフェイラはよけることなく木刀によって一刀両断した。
(そんなのありか!?)
ダレルは慌てて遮蔽に戻ろうとするが、フェイラはすかさず「バレット」によってダレルに攻撃。
初弾は身をよじりかわすことに成功したが、体勢をくずしてしまいすぐさま飛んできた二弾目によって撃墜された。
すでに敗北の回数は40を超えており、ダレルの体中は泥まみれになっている。
「あなたもまだまだね」
「いやフェイラが強すぎるんでしょ」
「女性に負けっぱなしじゃかっこつかないわよ」
性別と強さは関係ないだろ、と声を大にして言ってやりたかったダレルであったが、「ここでそんなことを言ったとしてもフェイラにからかわれるだけだ」と口をつぐむ。
「というかなんでこんな風に俺自身が戦うことを前提とした訓練をしてるの?
俺が強くなるよりもフェイラやレオディンおじさんとかに確実に助けを求められるように逃げの訓練をした方がいい気がするんだけど。」
ダレルからの至極まっとうな質問に対し、一瞬、フェイラは答えに窮した。
だがすぐに返答をする。
「...とにかく、あなた自身が強くならないと駄目なの。
私やレオディンが助けられない状況だってあり得るでしょ?」
超人二人がどうにかなることなどあるだろうかと、疑問に思ったダレルであったがこれ以上の問答は無駄であると考え、話題を変える。
「ちなみに俺のどこがダメだったと思う?」
「うーん、動き自体は悪くないと思うんだけど、ちょっと型にはまりすぎてる感じがあるかしら?
ある程度基本に忠実だからこそ、動きが読めちゃうのよね。
さっきの「バレット」だって、きっと打ってくるだろうと予想ができたから事前に準備することができて、よけることなく対処ができちゃったわけだし。
あと森が静かだから、小声でも魔法の発動前に詠唱が聞こえてきちゃうのも攻撃のタイミングを読みやすくしちゃってるわね。」
そんなことをさもあたりまえかのように言ってくるフェイラに対し、ダレルは一つの疑問を提起する。
(いや、矢と同じ速度で飛んでくるものを切り落とすのってふつう無理だと思うんだけど?)
そういえばこの人おかしいんだったなと再認識したダレルであったが、今回ばかりは負けっぱなしでは引けないと考えていた。
普段の彼であれば、こういった争いごとに関わること自体を億劫だと感じ、最初の数戦だけですぐにあきらめ、疲れたなどと言い訳をして退散しようとしていたはずだった。
しかし、今回に関しては泥団子を散々ぶつけられた挙句、負けた直後に「あなた、ちょっと弱いんじゃない」みたいなことを毎回言われたため、フェイラに対するいら立ちがかなり積もっていた。
そのため「せめて一撃くらい食らわせてやる!」と躍起になっているのである。
(だけどこのままじゃ絶対勝てないよなー...)
魔法の発動速度をはじめとしてありとあらゆる面で能力に差があるのを考慮すれば、普通にやって勝てる確率がかなり低いことを、ダレル自身は理解していた。
(型にはまらないやり方か...)
そんなことを試行錯誤しつつも、結局どうすればよいのか明確な答えを得られないまま、ダレルは再びフェイラとの模擬戦を再開した。
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