第83話 生徒会長はミサト
# 第83話 生徒会長はミサト
## 生徒会長の正体
朝の教室は、いつもより活気に満ちていた。
セラはアリアの隣で教科書を広げていたが、ページが目に入ってこなかった。気になるのは教室の前方で繰り広げられているゴウタたちの会話だ。何かの話題で熱気が漂っている。「朝の職場で昨日何かあったの?」という感じのあれだ。
「おい、聞いたか。生徒会長のことだよ」
ゴウタが興奮気味に言う。
「生徒会長? あの超厳しいと噂の?」
「そうそう。三年生のミサトさんだよ」
「マジかよ。あのミサトさんが生徒会長だったのか」
(……ミサト?)
セラの手が止まった。
(ミサトって、あのミサトか?)
「三年生ですごく優秀で、成績はトップクラスらしいよ」
「騎士団の訓練と学業を両立してるなんて、化け物だね」
「生徒会長になったのも最年少記録らしいし、伝説級だよ」
(化け物……その表現、的確すぎる)
「てか、あの雑誌の写真、見てよ。すごい美人だろ」
ゴウタが手元の週刊誌を広げると、他の生徒たちが集まってくる。セラも自然と視線がそちらに引かれた。週刊誌には王立魔法学園の特集記事が掲載されているらしい。表紙には白い塔が大きく写っている。
「マジだよ。こんな美人が生徒会長だったの」
「でも性格は最悪って噂だよね。『鉄の女』って呼ばれてるらしいよ。規則には厳しくて、ちょっとでも違反したら即減点」
「怖いなあ。でも顔はいいんだよな」
「てかさ、ミサトさんって王宮近衛騎士団の団長代理もやってるらしいよ」
(生徒会長。ミサト。鉄の女。団長代理)
その言葉が、セラの心の中で最後のピースを埋めた。
(……待ってよ。ミサトって、あのミサト? 街道で出会ったあいつが、この学園の生徒会長!?)
呼吸を忘れそうになった。昨日の講義で再会したあの人が。生徒会長でもあったのか。最初から知ってたら、あんな口論は絶対にしなかっただろう。
(最初から知ってたら、絶対にあんな態度はとらなかったのに!)
「おい、セラ。どうしたの? 顔色が悪いぞ」
アズマが心配そうに声をかけてきた。
「い、いや。なんでもない」
「セラ、ミサトさんと知り合い? さっきの写真見て、なんか知ってる顔してたよ」
アリアが不思議そうに尋ねてきた。そのアンバー色の瞳が疑問を投げかけている。アリアの勘は鋭い。
(アリア、観察眼が鋭すぎる……)
「え、えへへ。まあ、知ってるっていうか……一度会ったことあるかな」
「一度? どんな人?」
「厳しい人。でも、美人だよ」
アリアは少し納得したように頷いた。
「へえ。雑誌の写真、すごく綺麗だったもんね。長い黒髪と、鋭い瞳。凛とした感じで素敵だよ」
「そうだな。でも、会った時はもっと怖かったよ」
「へへ、セラが怖いって言うなら、本当に怖いのかもね」
アリアが楽しそうに笑う。
(笑ってる場合じゃないんだよ……)
女子生徒たちの会話も、セラの耳に入ってきた。
「先週も一年生が門限を三分遅れただけで、一週間の掃除当を課されたらしいよ」
「え、本当に? 生徒会長ってすごい権限あるんだな」
「先月も二年生が制服の着方で注意されて、三日間の反省書を書かされたって聞く」
(門限三分遅れで一週間の掃除当。制服の着方で三日間の反省書)
セラは自分の首が危ないことを痛感した。街道でミサトと言い争ったことを思い出すだけで、胃がキリキリと痛くなる。
(もしあの時のことが学園にバレていたら? もしミサトが生徒会長としての権限を使って、何らかの形で仕返しをしようとしたら?)
「やばいな……」
セラが独りごちると、教室のドアが勢いよく開いた。
## 呼び出し
「セラ・ウィスパーウィンドさん。生徒会室に来てください」
制服を着た生徒会役員が、無表情で告げた。
教室中の視線が、一斉にセラに集中した。まるで犯人が見つかったかのような視線。冷や汗が出る。
(来た。きてしまった)
「え、あ、はい。今行きます」
セラが立ち上がると、アリアも自然と立ち上がった。
「私も行きます」
「アリアさんは必要ありません。セラさんだけです」
役員が事務的に告げる。その声には感情が宿っていない。
「でも……セラは一人が心配だし。もし生徒会長さんが怒ってたら、セラ、何も言えないかもしれないし」
「大丈夫だよ。アリアはここで待ってて。何もないよ」
(何もないとは言い切れないんだが……)
セラが優しく告げると、アリアは少し迷ったが、やがて頷いた。
「わかった。早く戻ってきてね。私、待ってるから」
「うん、行ってくる」
廊下に出ると、長い廊下が続いていた。役員が前を歩き、セラがそれに続く。廊下の窓からは中庭の緑が見え、学生たちが平和に歩いている。
(学園の外は平和なのに、俺の心だけ台風の目の中みたいだ)
廊下を歩きながら、セラは頭をフル回転させた。
(考えろ、考えろ。最悪のシナリオから考えよう。最悪の場合、あの時の口論を根に持って、何らかの処罰を受ける。次点でそのまま監視継続。ベストケースは穏やかな話し合いで終わる……が、あのミサトがそんな温い対応をするとは思えない)
「セラ、顔が青いままだよ」
役員が少し心配そうに言った。
「あ、いや……。生徒会長と会ったことがあって、少し緊張してて」
「ああ、それで。ミサト生徒会長は、初対面の方には少し厳しい印象を与えることがありますが、基本的に公正な方です」
「そうなんですか」
「はい。ただ、一度怒らせると……まあ、深入りはしないことをお勧めします」
(深入りはしないこと、か。街道でがっつり深入りした気がするんだが)
「生徒会長、怒ってるのかな」
「生徒会長は常に公正です。怒っているかどうかは、あなたの行動次第です」
「っ、そ、そうだね」
(公正、ね……。街道での口論はどう判断されるんですかね。「公正に裁く」って言われたら逃げ場がない)
廊下を曲がり、階段を上がり、さらに長い廊下を進む。学園の北側にある特別棟。生徒会室がある場所だ。
「ここです」
立派な装飾が施された重厚な扉。中央には「生徒会室」と書かれたプレートが金箔で掲げられている。その威圧感たるや、普通の一年生が足を踏み入れるには躊躇われるほどだ。
(社長室だな。一般社員が呼ばれていく場所。呼ばれた時点でろくなことがない)
「入れ。生徒会長が待っています」
## 生徒会室
ドアが開いた瞬間、まず広さに圧倒された。
普通の教室の倍以上はある。高い天井からクリスタルのシャンデリアが吊り下げられ、ステンドグラスを通した昼の光が虹色の模様を床に落としている。壁には歴代の生徒会長の肖像画が二十枚以上。部屋の中央には大きな会議用テーブル、豪華な椅子が十二脚。テーブルの上には整理された書類とインク壺と羽根ペン。
(すごい部屋だ……外資系企業の役員会議室みたいだ。こんな場所に一年生が呼ばれるのか)
部屋の奥、立派なデスクの向こうにミサトが座っていた。制服姿。書類に目を通している。街道で見た鎧姿とはまた違う雰囲気を漂わせていた。長い黒髪が整えられ、鋭い瞳が書類を追っている。胸には生徒会長のバッジが輝いている。
制服を完璧に着こなした姿は厳格でありながらも、どこか女性的な柔らかさを感じさせた。セラが部屋に入ると、ミサトが顔を上げた。
「あ、あの」
「座りなさい。そこに椅子があるから」
ミサトが顎でしゃくる。会議テーブルの近くに、椅子が一つ用意されていた。
「はい」
椅子に座ると、ミサトがゆっくりと立ち上がった。テーブルを回り込み、セラの正面に立つ。近衛騎士団の団長代理としての威厳を放っていた。
「まずは自己紹介からね。私は王立魔法学園の生徒会長、ミサト・ヴァンスタット。王宮近衛騎士団の団長代理も務めている」
「セラ・ウィスパーウィンドです。一年生です」
「知ってるよ。あなたのことは、色々と聞いてる」
(色々と、ね。それが余計に怖い)
ミサトがセラを見つめる。全身を値踏みするような視線だ。
「聞いてる、ですか。何を」
「まず、入学試験。魔水晶を白熱させた件。平均の五倍以上の魔力量。特例クラスへの配属」
(そこまでか……)
「次に、Fランク冒険者としての実績。ダンジョン第二層の調査完了。ホブゴブリン討伐。古代エルフの遺跡発見」
(ギルドの報告まで把握してるのか。あの情報、どこから漏れた)
「そして、東の街道での一件。魔物との遭遇時の行動。古代エルフの文字の解読。近衛騎士団の報告書に記載されています」
「報告書……?」
「あなたが思っている以上に、この国はあなたを把握しています。特に、古代エルフに関わる存在については」
(知ってた範囲が想定以上だ。俺の行動、ほぼ全部把握されてた)
「入学試験での無詠唱魔法。女装コンテストでの優勝。クラスメイトたちとのトラブル。そして——」
ミサトが少し間を置いてから、続けた。
「街道での一件」
セラは息を飲んだ。全部知っていた。
## 対話
「あの時は……」
「説明しなくていい。あの街道での奇妙な光、あなたも見ていたでしょ。そして、古代エルフの文字を読んでいた」
「読んでいました。『光の遣い、約束の時を待つ』って」
「そう。あなたは古代エルフの文字が読める。それが一番の問題よ」
ミサトがデスクのファイルを手に取る。「機密」というスタンプが押されている。
「この件は、王宮近衛騎士団の機密事項なの。なのに、あなたがそこに関わってしまった。本来なら、記憶を消去するか、監禁するところよ」
「ひ、監禁ですか!」
(監禁!? いや落ち着け。「残業しないと解雇」とか言われたことはあったが、監禁はなかったぞ)
「座りなさい。そんなに驚かなくても、私はそうするつもりはないわ」
「な、なんですか」
「あなたは古代エルフの末裔だ。王宮でも、そのような存在は重要視している。だから、監禁する代わりに、監視することにしたの」
「監視、ですか」
「そう。この学園でのあなたの行動を、私が把握する。それだけのこと」
(……監視。「情報セキュリティ管理下」みたいな扱いだな。まあ仕方ないか。監禁よりはずっとマシだ)
「他に用事はありますか。なければ——」
「あの」
セラが思い切って口を開いた。
「街道での一件、あの時は一方的に言いすぎました。申し訳ありませんでした」
ミサトがペンを止めた。少し、ほんの少しだけ、表情が変わった。
「……謝罪?」
「はい。あなたが偏見を持っているように聞こえて、言い返してしまいましたが、あなたの立場もあったと思います」
ミサトは少し考えてから、口を開いた。
「……実は、街道での一件、私にも非があると思ってる」
「え?」
「あの時、私はあなたに対して偏見を持っていた。エルフに対してね。でも、あなたが古代エルフの文字を読み、あの光に対処したことで、私の認識は変わったわ。エルフを弱い種族だと思っていたのは、私の間違いだった」
(え。あのミサトが、自分の偏見を認めた?)
驚いた。あの強気なミサトが、素直に認めるなんて。
「だから、改めてこんにちは。セラ・ウィスパーウィンドさん。これから、よろしくね」
ミサトが手を差し出す。
「あ、はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
セラがミサトの手を握った。その手は少し熱かった。
(……本当にいいのか、これ。さっきまで監禁とか監視とか言ってた人と握手してる)
## 関係改善
その時、部屋の外から「ちょっと待ったー!」という声が聞こえた。
ドアが勢いよく開き、アリアが飛び込んできた。
「ダメ。セラは一人にはさせない」
「アリア!」
セラが驚いて叫ぶ。アリアは息を切らしながら、セラの隣に立った。そのアンバー色の瞳が、ミサトを睨みつけている。
(……やっぱり来た。アリアのことだから絶対来ると思ってたよ)
「アリア! なんで来たんだ!」
「だって、セラが一人で呼ばれていったんだもん。待ってられないよ」
「一人で来なくていいって言ったじゃないか」
「嘘。全然そんな気持ちで言ってなかったじゃない。顔に全部出てたよ」
(アリア、正しい。完全に正しい。俺が心配してたのはバレバレだった)
「あなたが生徒会長さんですね。セラに何かするつもり?」
「何もしないわ。ただの話し合いよ」
「話し合い? それなら、私にも聞く権利があるでしょ。セラのことだから、一人で何も考えずに失礼なこと言ったかもしれないし」
「アリア、その言い方は……」
「いいわね、その忠誠心」
ミサトがふっと笑った。その笑顔は、街道で見た冷たい表情とは全く違っていた。
「あなたがアリアさんですね。セラの幼馴染」
「はい。そしてセラの魔力を安定させる役目も持ってます」
アリアが胸を張る。
「なるほど。幼馴染で、魔力安定係。セラにとって、特別な存在なのね」
「そうよ。だから、セラに何かあったら、私も黙ってないわ」
(アリア、強い……でも「魔力安定係」ってそんなに堂々と言っていいのか)
「安心して。セラには害はないわ。学園のルールを守ってほしいだけ」
ミサトが二人に近づいてきた。その歩み方は優雅で、近衛騎士としての鍛錬を感じさせる。
「それから、アリアさんもね」
ミサトがアリアにも手を差し出す。アリアは少し驚いたような表情だったが、やがて笑顔で握手をした。
「はい。よろしくお願いします、生徒会長さん」
「ミサトでいいわ。堅苦しいから」
ミサトが微笑む。その微笑みは、街道で見た冷たい表情とは全く違っていて、どこか親しみやすさを感じさせた。
「学園のルールは守ってね。特に門限と制服の着用。もし私の耳に問題が入ってきたら、厳しく対処するわ」
「はい。わかりました」
「あと、アリアさん」
「はい」
「セラをよく見ててね。彼は特別な存在だから。学園全体が注目してるの」
「はい。私、絶対そばにいます。どんな時でも」
「いい答えね。期待してるわ」
ミサトがふと窓の外を見た。
「学園の外を見てると、学生たちが毎日成長しているのがわかる。でも……一人一人を本当に理解できているかというと、自信はない」
「生徒会長でも、そういうことがあるんですか」
「あるわよ。私は近衛騎士団の訓練で人を見る目は培われたけど、人を理解するのは別の話。あなたたちの年齢の頃の私は、もっと孤独だったし」
(孤独……)
ミサトの横顔に、わずかな陰が落ちた。
「この学園で、信頼できる仲間を作ること。それが今のあなたたちには一番大切よ。力だけでは生き残れない。私もそれを痛いほど知ってる」
「ミサトさんも、そういう経験があったんですか」
「ええ。詳しくは言わないけど。まあ……あなたたちには、同じ思いはしてほしくないから、今日こうして話した部分もある」
(生徒会長の中に、そういう感情があったとは。一見冷たく見えるが、この人も人間だった)
「ミサトさんには、今も信頼できる仲間がいますか?」
「近衛騎士団の同期がいる。あとは……この学園の先輩たちが。少ないけど、大切な人間がいる」
「そうですか。よかった」
セラがそう言うと、ミサトが少し意外そうな顔をした。
「それのどこが良かったの」
「あなたが孤独じゃないから。孤独な人を見ると、心配になるので」
「……あなたは変わった一年生ね」
「よく言われます」
ミサトが小さく笑った。それは今日初めて見る、本当に笑ったという感じの表情だった。
二人は生徒会室を出た。廊下で、二人は同時にため息をついた。
「ふぅ。緊張した」
「うん。でも、よかったね。ミサトさん、意外といい人かも」
「そうかな。最初は怖かったけど、話してみると意外と素直だね」
「ねえ、セラ。ミサトさんが『特別な存在』って言ってたけど、何か心配だね」
「そうだな。でも、アリアがそばにいてくれるなら、大丈夫だよ」
「本当?」
「本当。アリアがいると、何でもできる気がする」
「えへへ。そういうこと言うと……」
アリアが顔を伏せ、耳まで赤くなった。
「事実だから言うんだよ」
「もう、急にそういうこと言わないでよ。心臓が」
「アリアが先に「側にいる」って言ったんじゃないか」
「そ、そうだけど! 言い方があるでしょ!」
(アリアのツッコミ、なぜか元気になれる。さっきまで胃が痛かったのが嘘みたいだ)
セラがアリアに微笑むと、アリアは顔を少し赤らめて頷いた。
「うん。私、絶対そばにいるから。どんな時でも」
二人は並んで廊下を歩き出した。夕方の光が廊下に差し込み、二人の影を長く伸ばしている。
「てか、あれだな。ミサトが生徒会長だったなんて、最初から知ってたら気をつけたのに」
「へへ。セラもだいじょうぶだね。あんなに口論してたなんて」
「そうかもな。でも、今は誤解が解けて一安心だよ」
「ミサトさんって、本当は優しい人なんじゃないかな」
「……そうかもしれない。でも表に出すのが苦手そうだ」
「わかる。あの人、プライドが高いから。でも、ちゃんと謝れるし、自分の非を認められる。それって意外と難しいことだよ」
(アリアの評価、当たってると思う。プライドが高くて厳しいが、間違いは認める。謝ることは弱さじゃない——職場の上司に聞かせてやりたかったセリフだ)
「アリアは人を見るのが上手いな」
「えへへ。セラのことずっと見てきたから。人を観察する練習になったんだよ」
「俺のせいで観察力が上がったのか」
「そうだね。ありがとう、セラ」
「礼を言われる意味がよくわからないが……どういたしまして」
(誤解が解けた。それは本当に良かった。でも……生徒会長に監視される学園生活か。監禁よりはずっとマシだから文句は言えないが)
セラが伸びをする。
(なんか管理が厳しい気がするが、まあいいか。この世界の方が飯は確実にうまい。それが一番大事だ)
「あ、そうだ。セラ。今日の夕食、何食べたい?」
「うーん。学園のシェフの作るパスタがいいかな。あれが一番落ち着く」
「いいね。パスタに行こう」
二人は楽しげに話しながら、廊下を進んでいった。生徒会室での緊張はもう過去のものだった。今日も、一日が終わっていく。
ドアの向こうから、ミサトの独り言が聞こえた気がした。
「古代エルフの末裔……。あなたは何者なの、セラ・ウィスパーウィンドさん」
そして、小さな声で。
「でも、あなたならきっと、大丈夫。私はそう信じてる」
だが、その声が届くほど二人は近くにいなかった。二人はすでに階段を降りていた。夕食のパスタの香りに向かって。
ミサトが一人で書類に向き合う生徒会室に、静かな夕暮れが差し込んでいた。書類を整理するミサトの指が、一瞬止まる。そして、また動き始める。窓の外では、二人の笑い声が遠ざかっていった。




