第121話 魔界の領域へ
# 第121話 魔界の領域へ
## 魔界の境界線
空の色が変わった。
ぱっと。誰かが世界の照明スイッチを切り替えたみたいに、青から紫へ。
(……なるほど。これが魔界か)
セラ——いや、佐藤カズヤ、元サラリーマン、現エルフ——は呆然と立ち尽くした。
紫。完全な紫。葡萄のジュースを空に塗ったような、圧倒的な紫だ。
「……ここが、魔界か」
口に出してみた。自分でも驚くほど落ち着いた声だった。
(冷静を装ってるけど内心かなりやばい)
「カズヤさん……」
アリアが袖を掴んでくる。金髪のエルフ少女の手は、小刻みに震えていた。
「大丈夫だよ、アリア」
セラは彼女の手を握り返した。ほっそりした指。エルフらしい細さだ。
「でも、空が……」
「紫色だね」
「気持ち悪い……」
「割とインスタ映えはする」
「え?」
「……なんでもない」
前世の語彙が漏れた。ごまかした。完璧だ。
ミサトが剣の柄に手をかけながら前を見ている。女騎士の本能が、全身に緊張を走らせているのが背中から伝わってくる。
「魔力の濃度が高いからだよ」セラは説明する。「空気中に満ちている魔素が光を散乱させて、あんな色になる」
「へえ、カズヤさんは詳しいですね」
「学園で習ったよ。魔法学の授業で」
嘘だ。ライトノベルの知識だ。
(まあ、役に立ったんだから何でもいい)
風が吹く。
これが、ひどい。
人間界の風と根本的に違う。肌を刺すような冷たさ——それだけなら冬の北風でも感じる——に加えて、どこか粘着質な湿り気がある。空気そのものが生きているみたいな、奇妙な質感。エルフの体が敏感に反応して、肌がぴりぴりする。
「この風、なんか変」ミサトが眉をひそめる。
「魔力が濃いからだね。肌がピリピリするでしょう?」
「ええ、まさにそれです」アリアが頷く。「エルフとして感じるんですけど、この魔力……濃い。濃すぎる。吸い込むと体が軽くなるような」
「体が軽くなる?」
「不思議と力が湧いてくるんです。魔界の魔力に、エルフの体が共鳴してるのかも」
「それはいいことだけど、油断は禁物だよ」
セラは前を見据えた。
荒涼とした大地が続いている。草木はまばらで、見える木々はどれも歪んだ形をしている。幹がねじれ、枝が苦悶するように空へ伸びている。まるで、生きることに絶望した植物。
「遠くに何か見えますよ」ミサトが指差す。
地平線の向こうに、巨大な影。
「あれが……魔王城?」
「多分ね。まだ遠いけど」
薄暗い空の下、その城はまるで世界の終わりの記念碑のように聳え立っている。不気味なシルエット。装飾的な意図があったのかどうかもわからない。
「行くのかな、あそこまで」
「今のところは偵察が優先だよ。まずは近くの集落を確認してから、次の作戦を立てよう」
セラは冷静さを装う。
内心では、心臓が早鐘を打っている。
(転生してから色々あったけど、ここは別格だな。学園での魔法授業とか、冒険者ギルドとか、いろいろ「やばい」はあったけど、ここは次元が違う。魔界だ)
「カズヤさん、何か考え事ですか?」アリアの声で現実に戻る。
「うん、ちょっとね。でも大丈夫。進もう」
セラはアリアの手を一度強く握ってから、離した。
「でもね、カズヤさん」アリアが言う。「ここ、なんか懐かしい感じがしませんか?」
セラは驚いてアリアを見る。
「懐かしい?魔界が?」
「ええ、不思議と。魔力が濃くて、体が軽くなるような……。前に来たことがあるみたいな」
「……カズヤさん、私もそれ、感じます」ミサトが静かに言った。「剣の感覚が鋭くなった。魔界の魔力が身体能力を高めてる気がする」
「三人とも魔力が底上げされてる、ってことかな」セラは推測する。「魔界の濃い魔素が触媒になってるのかもしれない。でも」
「でも?」
「敵も同じ条件だ。いや、地元有利で向こうはもっと強い。慢心は禁物」
「わかってます」ミサトが頷いた。
(地元有利。スポーツでもゲームでも有利な概念だ。当たり前だ)
ミサトが足を止め、周囲をゆっくりと見回した。鋭い目が、荒れた大地の隅々まで走査する。
「遠くに川みたいなものが見えます」彼女が指差す。「あの黒っぽい流れ……水ですよね?」
「魔素が溶け込んでるんだと思う。透明じゃなくて黒に見えるのはそのせいだ」
「飲んだら……」
「やめたほうがいい。体に何が起きるか分からない」
「ですよね」アリアが首を縮める。「図鑑で読んだことがあります。魔界の水には浄化が必要って」
(アリア、「前世」って言いかけてた気がする。でも今は聞く場面じゃない。後回し)
三人は進む。
紫色の空の下、赤黒い土を踏みしめながら。足元の感触が人間界と違う。少し柔らかいような、でも何かが染み込んだような。
(あんまり深く考えるのはやめよう)
風が強くなった。遠くで何かが鳴いている。鳥声……いや、違う。もっと低い、腹の底に響く音。
「あれは何の音ですか?」アリアが声を潜める。
「魔獣の縄張り主張だと思う。こっちに来てなければ問題ない」
「来てたら?」
「戦う」
シンプルな答えに、アリアが苦笑した。確かに、それ以外の選択肢はない。
## 魔族の集落
夕暮れが近づいていた。
紫は濃紺へ。さらに圧迫感が増す。夜の魔界は想像するだけで胃が痛い。
「あそこに、何かあります」ミサトが声を潜める。
彼女の指差す先に、建物の群れ。
「集落……か」
セラは感知魔法を展開する。無詠唱で、静かに。魔力の波が広がり、周囲の情報を脳内に映し出す。
「魔族がいる。十人……いや、もっとだ。集落の端だけで二十人以上。でも——」
「でも?」
「戦闘態勢じゃない」
「どういうことですか?」
「見て」セラは指示した。「岩陰に隠れて」
三人は身を潜める。
そして、集落を観察する。
……人間と、変わらない。
「……え」アリアが小さく息を呑む。
集落の広場では、子供たちが遊んでいる。角が生えていて、肌が少し灰色がかっていて、目が赤くて——でも笑顔だ。転げ回って笑っている子供たちの顔は、エルフの森で見た子供たちと何も違わない。
「楽しそうですね」アリアが囁く。「まるでエルフの森で遊んでた時みたい」
「子供は子供か」セラは冷静に観察する。
(子供が笑っている。魔族でも、角があっても——同じだ。種族なんて関係ない。笑い声は一緒だ)
大人たちも、普通だ。
ある家の前では、女性が鍋をかき混ぜている。湯気が上がり、なんだか香ばしい匂いが漂ってくる。人間界で嗅いだシチューに近い香り。肉と野菜を煮込んだ、温かみのある匂い。
別の場所では、男性が道具の手入れをしている。農具か武器かはわからないが、丁寧に磨いている。
広場のベンチでは、二人の老人が将棋に似た盤ゲームで対局していた。
「平和ですね、ここ」アリアが呟く。
「そうね。でも」ミサトが警戒する。「表向きかもしれない」
(いや、これだけ子供が無防備に遊んでたら、内側は普通の生活だろう。わかってはいるが、難しいな。敵地の「普通の生活」をどう受け止めるか)
「偵察の目的は情報収集だよ」セラは努めて冷静に言う。「彼らの生活様式、戦力の規模、拠点の構造。次にどう動くかを決めるために」
「でも、子供がいますよ」アリアの視線が広場に向く。「あんなに元気に遊んでるのに」
「……その通りだ」セラは言った。「敵対しているのは魔族の軍隊であって、全ての魔族じゃないかもしれない」
「カズヤさん、優しいですね」ミサトが少し驚いたように。
「優しいんじゃなくて、合理的なんだよ」セラはムキになって言う。「無駄な殺生は……まあ、合理的じゃないし」
「ふふ、どっちでもいいです」アリアが微笑む。
(どっちでもよくない。「優しい」って言われるのが照れくさいだけだ。それだけだ)
「集会所みたいな場所がある」セラは少し大きな建物を指差す。「感知魔法で確認したら、数人の魔族が集まってる。重要な話をしてるっぽい」
「近づいてみますか?」ミサトが提案する。
「いや、危険だ。まずは周囲をもう少し——」
その時だった。
「ッ!」
ミサトが短く息を呑み、剣の柄を握る。
「誰か見てる」
セラも感じた。
肌が粟立つ。魔力感知がアラートを鳴らしている。何かの視線。狙われているような感覚——終電の電車内で後ろから見られてる感じ、でもそれの百倍不快だ。
「集落の端、あの岩の近く」
セラは魔力を集中させる。視界が鋭くなり、遠くの様子が明確になる。
「やっぱり誰かいる。三人……いや、四人。魔族の偵察兵だ」
「どうしますか」アリアが尋ねる。その手には既に光魔法の輝きが宿っていた。
「まだ見つかってないみたいだ。引こう」
三人は音もなく立ち上がり——
「──いそこ、止まレ」
背後から声。
響くような低い声。若くもなく老いてもいない、平板な声。
「チッ、見つかってたか」ミサトが舌打ちする。
「普通に話し声出してたのがいけなかったかな」セラは冷静に振り返る。
(ステルスゲームでも「喋ったら見つかる」は基本中の基本だった。基本ができてなかった)
## 偵察兵との遭遇
四人の魔族が立っていた。
全員が戦闘服のようなものを身に着け、手に武器を持っている。剣、槍、そして魔導器らしきもの。リーダー格は体格がよく、左目が義眼だ。顔に古い傷が刻まれている。歴戦の戦士、という雰囲気。
「人間ガ、ここマデ来タとはな」義眼の魔族が言う。
「様子を見に来ただけだ。戦うつもりはない」セラは平然と言う。
(言うだけ言ってみたが、向こうの雰囲気は全然「そうか帰れ」じゃない。完全に排除モードだ)
「戦ウ気ガナイ、ナラバ去レ。オ前ラハ、迷イ込ンダノダロウ」
「いや、そうはいかないわね」ミサトが剣を構える。「あなたたちが戦いを望むなら、応戦する覚悟はできています」
「フン、口ガ減利イ女ダ」義眼の魔族が笑う。その笑みには殺意が乗っていた。「オレラハ、偵察ノ任務ヲ受ケテイル。見ツケタ侵入者ハ、排除スル」
「排除、ですか」セラは魔力を高める。体内の魔力が、熱くなっていく。
「残念だけど、僕たちも用があるんだ。邪魔はできないよ」
「……傲慢ナエルフダナ」
魔族たちが一斉に武器を構える。
「戦ウノ確定ダネ」ミサトがセラに向かって言う。「私が前に出ます。セラ、後ろから援護を」
「了解。アリアは——」
「わかってる」アリアが頷く。「セラの魔力、安定させるね」
(この連携、いつの間にこんなに自然になったんだ)
## 圧倒的な魔力
戦闘は、瞬発的に始まった。
「ッ!」義眼の魔族が槍を突き出す。
速い。人間の動体視力では追えないような速度。
「ミサト、右!」
セラの声と同時に、ミサトが動く。剣で槍を弾き返す。金属音。衝撃で体が揺れるが、すぐに立て直す。
「強い!」
「油断しないで!」
セラは魔力を解放する。無詠唱で、イメージを直接魔法に変換する。
「光よ、矢となれ——ライト・アロー!」
三本の光の矢が放たれる。二本は躱される。一本が魔族の肩をかすめた。
「ぐッ!」
「やった!」アリアが小さく喜ぶ。
「まだだ」セラは言う。「本気出してない」
「えっ?」
「魔力を見て。まだ余裕がある」
その通り、魔族たちは即座に体勢を立て直す。
「人間ノ魔法、威力ハ不足」一人の魔族が言う。その手にある魔導器が、不気味な光を放ち始める。「デハ、コチラモ本気ニ」
黒い光が放たれる。
闇そのもの。吸い込まれそうな圧迫感。
「シールド!」
光の障壁が展開される。黒い光を受け止める——が、重い。ずっしりとした衝撃。セラの足が一歩、後ろに下がる。
「うぐっ……!」
「カズヤさん!」
「大丈夫。でも、こいつら強い」セラは額の汗を拭う。
(魔界の魔力で強化されてる。こっちも強化されてるはずだけど、地元有利には勝てない)
「私がやります!」ミサトが剣を構え直す。「カズヤさん、下がって!」
「ミサト——」
「やらせてください。私の力、試させて」
ミサトは剣に光を宿す。覚えたての、剣魔法。隠れて特訓してきた技だ——セラはなんとなく分かっていた。光が刃に集まり、輝く。ぎゅっと。刃そのものが光源になっていく。
「聖なる光よ、剣に宿れ——聖剣閃!」
剣から光の衝撃波が放たれる——さっきまでの魔族の黒い光をぶち抜いて、三人の魔族を吹き飛ばす。
どん、と音がした。いや、どん、じゃない。バァン、という光の炸裂音だ。
「す、すごい……!」アリアが目を丸くする。
「ミサトさん、こんなに強かったんですね!」
「いえ、まだまだです」ミサトは少し照れくさそうに言う。「でも、少しは役に立ったみたいで」
「めちゃくちゃ役に立った」セラは率直に言う。「あれがなければ、危なかった」
(いつの間に剣魔法を覚えてたんだ。いつもカズヤに助けられてばかりで悔しい——ってなる性格だから、こっそり鍛えてたんだろう。なんか……かっこいいな)
だが、リーダー格だけが残っていた。
義眼の魔族。三人が吹き飛んでも、彼だけは微動だにしなかった。
「……オ前ラ、マサカ正体ハ——」
セラが反応する前に、魔族は口を閉じた。
「……イカニモ。姫ニ、報告告グ」
そう言い残して、彼は闇の中に消えた。
「待ちなさい!」ミサトが追いかけようとするが、セラが止める。
「無駄だ。もう消えた」
「でも、あの人、何か言ってましたよね?」
「ええ、『姫』って」
(姫。魔族の姫。もしかして——いや、まだ何も分からない。でも、胸の奥に予感が引っかかっている)
「魔族にも、お姫様がいるんですね」アリアが首を傾げる。
「敵の組織の重要人物かも。気をつけよう」ミサトが警告する。
「とりあえず、ここを離れよう。戦闘の音で他の魔族が集まる前に」
三人は足を速める。
紫色の空の下——いや、今はもう夜に変わっていた。黒い空に、大きすぎる星々が輝いている。
「やっぱり夜の魔界は不気味ですね」アリアが囁く。
「でも、星は綺麗」セラは見上げながら言う。
「そうね」ミサトも空を見た。「カズヤさん、さっきの剣魔法、どう思いましたか?」
「最高だった。隠れて特訓してたんだろう?」
「……どうして分かるんですか」ミサトが少し驚く。
「なんとなく。いつもカズヤに助けられてばかりで悔しい——ってなる性格だよ、ミサトは」
「な、なんですかそれ!」ミサトが慌てる。「そんな見え見えでしたか!?」
「ふふ、バレてたね」アリアがにんまりする。
「二人で組んで笑わないでください!」
(ミサトってさ、こういう時の反応が正直だよな。素直なんだと思う、根っこは)
「……本当に、強くなりましたよ、ミサトさん」アリアが真剣な顔で言った。「さっきの聖剣閃、光が見えた瞬間に終わってました」
「褒めすぎです」
「褒めすぎじゃないよ」セラも頷いた。「あの黒い魔法を正面から打ち消すのは並大抵の剣技じゃない。魔法と剣を掛け合わせて自分のものにしてる」
「カズヤさんに言われると……照れますね」
「照れてる場合かよ」
思わず口から出た。ミサトが目を丸くする。
「カズヤさん、今ちょっと語気が」
「あ、いや。なんでもない。進もう」
(俺キャラが崩れた。「カズヤさん」モードを維持しないといけないのに「俺」がドバッと出た。要注意)
「休憩はここまでにしよう」セラが立ち上がる。「次はどう動くか、作戦を立てよう。あの偵察兵が言ってた『姫』——それが鍵になる気がする」
「姫を探すんですか?」
「探すというか……情報を集める。この世界は、僕たちが思っているより複雑だ。敵と味方の境界線は、そんなに単純じゃないかもしれない」
「……女騎士として、敵を倒すのが仕事ですが」ミサトが少し遠い目をする。「無益な殺生は、好きじゃないですね。子供が遊んでいるのを見てしまったら」
「その通りだ」
「行こう、二人」セラは言った。「明日、遺跡を探してみよう。何か手がかりが必ず見つかる」
「はい!」
「ええ、任せてください!」
二人の声が揃った。
夜の魔界で、三人の影が長く伸びる。
星の下で、セラはしばらく沈黙した。
(「姫」か)
偵察兵が消える前の一言が、頭から離れない。「姫ニ、報告告グ」。どの姫だ。魔王城には複数の幹部がいると、学園の資料にはあった。でも姫と呼ばれる存在については記述がほとんどなかった。
(手がかりを集めるしかない。いまある武器——感知魔法と仲間。それだけで十分だ)
「カズヤさん、今どんなこと考えてますか?」アリアが横に来て、小声で聞く。
「色々」
「おやすみを言う前に一つだけ」アリアは夜空を見上げた。「ここに来て、怖い?」
セラは少し考えた。
「怖い」と正直に言う。「でも、ひとりじゃないから、やれる」
アリアが微笑んだ。言葉はない。でもその表情に、千の言葉が詰まっていた。
ミサトがこちらを見ていた。夜空を見上げていたと思ったら、いつの間にかセラたちの方を向いている。
「何?」セラが聞く。
「別に」ミサトが視線を逸らす。「さっきの聖剣閃、完璧でしたよ」セラが言う。「あの黒い魔法を正面から打ち消した」
「……練習の成果よ」ミサトが静かに言う。「誰かに頼ってばかりじゃいられない、と思って。こっそりやってた」
「なんで内緒にしてたの?」
「驚かせたかったから」ミサトが少し口角を上げる。「サプライズ、というやつ」
(サプライズ。そういう気持ちも持ってるんだ、ミサトは)
「おかげで助かった」セラは率直に言う。「本当に」
「……そう」ミサトが小さく頷く。それだけだった。でも、それで十分だった。
三人はしばらく星を見ていた。
魔界の星は、人間界と並びが違う。でも、夜空に光が散らばっているという事実は同じだ。星というものは、どこで見ても星だった。
(一人で全部抱えてたら、ここには来られなかった。それだけで、もうここのほうがいい)
魔界の領域へ。
三人は岩陰に身を寄せ、交互に見張りをする約束をした。ミサトが最初の番を買って出た。「騎士の仕事ですから」と言い張って、セラとアリアの反論を受け付けなかった。
(意地っ張りだな、あいつ)
でも、温かかった。
そして、新たな旅の幕が上がった。




