↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
女王蜂

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
164/168

第7話 シンクロする証言

ベルヴェット邸。

夕刻。


重い空気。

誰もが疑っている。


その中で

オズワルドは一人、動いていた。


廊下の奥。


小さな応接室。

向かい合う三人。


セルス

エルナ

双子の姉妹。


そして

エリザベスの名前が話題に出る。


オズワルド

「白猫ソフィア」


静かに切り出す。

「誰の猫だ?」


セレスとエルナが顔を見合わせる。


同時に答える。


「エリザベス様です」


“まったく同じタイミング”

キャロラインが小さく驚く。


「……ぴったり」


オズワルドは無言。


ただ観察している。


“ズレがない”

続ける。

「昨日の夜」

「エリザベスはどこにいた?」


また。


二人が同時に口を開く。


「自室にいらっしゃいました」

「外には出ていません」


声の高さ。

間。

言葉。

完全に一致


キャロラインの表情が曇る。


「……覚えすぎてない?」


セルナが微笑む。


「双子の姉妹ですから」


エルナも同じように微笑む。


「当然ですわ」



オズワルド


「時間は?」


間髪入れず。

「午後十時には部屋に」

「その後は一歩も外へ出ていません」


キャロライン、息を呑む。

“完璧すぎる証言”


オズワルドは軽く頷く。


「なるほどな」


だが。

その目は冷たい。


(揃いすぎている)



廊下。


キャロラインが小声で言う。


「エリザベス……怪しくない?」


オズワルド


「そう見えるようにできてる」


キャロライン


「え?」


オズワルドは立ち止まる。


「完璧な証言はな」


一拍。


「逆に不自然だ」


その時。

視線が動く。

遠く。


エリザベスの部屋。


扉がわずかに開いている。


オズワルドが近づく。

ゆっくりと中を覗く。


部屋の中。


整然。

そして

机の奥。


“違和感”

引き出し。

ほんの少しだけズレている。


引き出しを開ける。

そこにある。


細い金属片

針。


キャロライン、息を呑む。


「これ……!」


オズワルドは触れない。


ただ、じっと見る。

(露骨すぎる)


そっと閉じる。

キャロライン


「証拠じゃ……」


オズワルド、小さく首を振る。


「まだだ」


振り返る。

廊下の奥。


セルスとエルナの

双子が廊下に立っている。


こちらを見ている。


同じ角度。

同じ表情。

“鏡のように”


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。