第9話 仮面の終わりチェックメイト
怪人カフェ
ナイトレクイエム。
沈黙の中。
オリオンが崩れ落ちる。
「……あいつらは……笑ってた」
震える声。
「人をモノみたいに……」
誰も何も言えない。
ブレイブ警部補が一歩前に出る。
「事情は聞く」
低く、重い声。
「だが罪は消えない」
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オリオンは抵抗しない。
ただ静かに頷く。
警官に連れられていく。
店の扉が閉まる。
その音がやけに重く響いた。
キャロラインがぽつりと言う。
「……怖い」
一拍。
「でも……悲しい」
オズワルドは窓の外を見る。
霧の街。
「人はな笑顔の下に」
静かに言う。
「仮面を被る」
「守るためにも」
「壊すためにも」
テーブルへ戻る。
チェス盤。
残された駒。
オズワルドはそれを見つめる。
そして。
一つ、倒す。
コトン。
「謎は解けた」
もう一つ。
「チェックメイトだ」
■■■
後日
事件は広がりを見せる。
ナイトレクイエムを“拠点”として利用していた外部の人間
メニュー開発者マイケルの逮捕。
さらに。
殺された夫婦が関与していたマイケルとの“裏の取引”も暴かれる。
失踪者リスト。
証言。
記録。
点と点が繋がり
子供の誘拐事件として再捜査が開始
オリオンの証言が決定打となる。
そして。
■オリオン
被害者である事実が認められ、
情状酌量により罪は軽減
だが。
彼が背負ったものが消えることはない。
ナイトレクイエム
再び営業開始。
怪人と人間が笑い合う場所。
だが
どこか空気が違う。
優しさの裏にあるものを、
誰もが少しだけ知ってしまったから。
キャロラインが店内を見渡す。
「……ここ、変わったね」
オズワルドは肩をすくめる。
「変わったんじゃない」
「見えるようになっただけだ」
霧の街。
人々の偽善という仮面は消えない。
だが。
その下の顔を知ることはできる。
・善と悪の境界の曖昧さ
・搾取の連鎖
・仮面社会の恐怖
・“優しさ”という偽装
オズワルドは探偵ノートに書いた。
「弟子の探偵日記」
ページがめくられる。
第三事件 仮面夫婦 解決。
霧都ヴァル・ロンドリア。
そのどこかでまた、新たな謎が生まれる。




