↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
人形屋敷の呪い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
136/168

第4話 怪しい人物

霧の午後。


人形屋敷の調査は続いていた。


オズワルドとキャロライン。

そして警察のブレイブ。


それぞれが屋敷の中を探る。


骨董商ヴィクター


応接室。


人形が並ぶ中、


一人の男が静かに眺めている。


ヴィクター・ラング。


手袋をはめ、


一体の人形を丁寧に持ち上げる。


「素晴らしい……」


「この保存状態……奇跡だ」


オズワルドが声をかける。


「人形、好きなんだ?」


ヴィクターは微笑む。


「“好き”では足りない」


「これは芸術だ」


キャロライン


「この屋敷の人形って、そんなに価値があるんですか?」


ヴィクターはゆっくり頷く。


「ええ」


そして。


少し声を落とす。


「特に……“それ”があるならね」


オズワルド


「それ?」


ヴィクター


「この屋敷には」


「伝説の作品がある」


間を置いて言う。


「魔導人形(オートマタ)だ」


空気が変わる。


掃除係エミリー


廊下。


エミリーが床を拭いている。


だが手は震えている。


キャロライン


「大丈夫?」


エミリーは首を振る。


「……ここ、怖いです」


オズワルド


「人形?」


エミリーは頷く。


「夜になると……」


「動くんです」


その目は本気だ。


嘘ではない。


オズワルドはじっと観察する。


(この子……)


(“知ってる”な)


修理職人トーマス


地下へ続く扉。


そこにトーマスがいる。


工具を持ち、


無言で作業している。


オズワルド


「何直してんの?」


トーマスは一言だけ。


「床だ」


キャロライン


「床?」


トーマス


「古い」


それ以上話さない。


オズワルドはしゃがみ、


床を見る。


わずかに。


擦れた跡。


(動かしてる……?)


屋敷の秘密


地下。


重い扉を開く。


冷たい空気。


そこに広がっていたのは

古い人形工房。


歯車。

滑車。

ワイヤー。


錆びた機械。


キャロライン


「これ……」


オズワルド


「工房だな」


さらに奥へ進む。


そして。


一体の人形が置かれている。


他のものとは明らかに違う。


精巧すぎる造形。


ガラスのような瞳。


胸部に小さな装置。


オズワルドが触れる。


カチ……


微かな音。


キャロライン


「……何それ」


オズワルドは低く言う。


「これが」


「魔導人形(オートマタ)か」


魔導人形(オートマタ)

・ゼンマイ式機構

・精密な内部構造

・自動動作が可能


そして。


ヴィクターの言葉が蘇る。


「市場に出れば……」


「数千万円の価値になる」


キャロライン


「そんなに……!?」


オズワルド


「なるほどね」


目が細くなる。


「動機は十分だ」


緊張


その時。


背後で足音。


振り向くと


ブレイブが立っている。


「勝手に入るな」


オズワルド


「もう入ってるけど?」


ブレイブは人形を見る。


一瞬で理解する。


「……高価品か」


オズワルド


「狙われる理由はある」


ブレイブ


「だが証拠はない」


オズワルドは笑う。


「そのうち出るよ」


地下の闇。


人形。


金。


そして嘘。


すべてが繋がり始める。


オズワルドは呟く。


「だんだん見えてきた」


霧の中。


事件は

“怪異”から“人間の欲望”へ姿を変えていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。