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朝食を食べ終わって、2人でお茶をすることにした。
「君、どこにも行くあてがないならここに住まないか?この家は山の中にあるから教会からの追っ手も来ないだろう」
「えっいや、そんな申し訳ないですよ」
行くあてがないのは事実だが迷惑はかけられない!と全力で遠慮する。
「俺は休暇の時しかここには来ないから家を任せられる人が欲しいから君が住んでくれると助かるんだ」
「そ、それならお言葉に甘えて。天使様、ありがとうございます。ふつつか者ですがよろしくお願いします」
「うん、よろしく」
天使様はふわっと微笑んだ。私はその笑顔を見てここに来られて良かったと心の底から思った。
(これから少しずつでも恩返ししていこう)
「そういえば、君の名前を聞いてなかったな」
「エミリーです。いつもは聖女様って呼ばれてたのであまり馴染みないんですけどね」
初対面の人も基本的に私のことを「聖女様」と呼ぶ。だからあまり名前を呼ばれたことはない。まぁそれで困ったことはないから良いんだけど。
「エミリーか。良い名前だな。」
(名前を呼ばれただけなのにすごく嬉しいなぁ)
涙が出てきそうになったが、心配をかけてしまうので必死に抑えた。
「天使様のお名前はなんですか?」
「俺には名前と呼べるものはないな。あっそうだエミリー、俺に名前をつけてくれないか?」
「え!?天使様に名付けなんて差し出がましいですよ!」
聖女ですらない私が天使様に名を付けるなど本当に差し出がましすぎる。全力で拒否を示すために顔の前にバツマークをつくる。だが、天使様は私の手を取り柔らかく微笑んだ。
「ほう?君が天使様と呼ぶなら俺も聖女様と呼ばせてもらおうか?」
「うっ、わかりました」
「あぁ、楽しみだ」
天使様は満足そうに笑って、私の手を離した。
私はじっと天使様を見る。黒髪に綺麗な藍色の瞳、整った顔立ちをされているなぁと改めて思う。
「そうですね、天使様はカヤナイトのような綺麗な青い瞳をお持ちですのでクロードとかはどうですか?」
「クロードか、あぁ気に入った。私はこれから地上ではクロードと名乗ろう」
クロード様は心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべた。
(クロード様が喜んでくれて良かった)




