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「え?聖女ではなく?」
「ああ、聖女というのは神のみが使える権能を使える者を指す。まあ、簡単に言うと聖女は神の力の一部を使える者のことだ。」
「それが、結界を張ることや治癒を施す力ではないのですか?」
「いや?それは神聖魔法というもので現在の地上ではまともな文献はほぼないが、理論は普通にほかの魔法と同じようなものだ」
「そんなっ」
まさか、自分が聖女ではないなんて。私はただの一般人だったということだろうか。だとすると、なんのためにいままで祈ってきたのだろうか。自分の全てが否定されたような気がして涙があふれてくる。必死に涙を止めようとする手を天使様が優しく取り私の目をまっすぐみて言った。
「君は確かに聖女ではないが、神聖魔法を感覚で使えてる。それは立派な才能だし、君が国の大規模結界を維持しているのも事実。それに、君の祈りは届いていた」
「届いてた?」
「ああ、君がこの十年間毎日国のことを思って捧げた祈りはしっかりと天まで届いていたよ。だから、俺が君のもとに来た。今まででよく頑張ってきたな。」
そういうと天使様はやさしく私の頭を撫でて「すごいな」とか「えらいな」とか私がずっとほしかった言葉をたくさんくれた。おかげで私は涙があふれて止まらなかった。
気がつくと私はベットの上だった。きっと昨日は泣きつかれて眠ってしまった私を天使様が運んでくれたんだろう。
「ふわぁ。ひさしぶりにこんなにたくさん寝たなぁ」
私はしばらくぼーっと外を眺めていたが、
「いやいやいや!泊めてもらったんだからこんなにまったりしてられないよ!朝ごはんくらい作らなくちゃ」
すばやく身だしなみを整えて、私はリビングにおりる。すると、ダイニングテーブルにはすでに朝食が並べられており天使様が準備をちょうど終えられたところのようだった。
「あっおはよう。ちょうど朝食ができたところだ。食べよう」
「おはようございます。すみません。泊めてもらったのに、何もしてなくて」
「別にいいよ。昨日は疲れてただろ?俺は君がしっかり休んでくれてうれしいよ」
そういってほほ笑んだ天使様は本当に天使、いや神のように思えた。
「なら、お言葉に甘えて。いただきます」
天使様が作った朝食はパンにレタスやベーコンが挟んであり手に持って食べる形式のものだった。
私は初めて食べるので少し緊張したが、とても美味しかった。というか、こんな温かい料理はひさしぶりで少し感動した。




