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「おーい、聖女さまだよね?こんなところで寝てたら死ぬよ~?」
「ッ⁈」
突然、声をかけられて私はまどろみの中から現実に引き戻された。反射的に結界の強度を上げる。
「おっと、危ない」
相手は私に伸ばしてきた手を引っ込め一歩下がった。私も意識がはっきりしてきて相手をにらみつけると、そこにいたのは教会の騎士の一人だった。剣は持っているが、騎士の服装ではなく私服だ。
「今逃げてもここらへんにはもうすでに教会の騎士が数名、あなたの捜索をしてますよ~」
とっさに走って逃げだそうとした私はその言葉を聞いて動きを止めた。騎士はあくびをしながらだるそうに路地の反対の壁にもたれかかる。
「ん~せっかくの仕事終わりのお酒を楽しんでたのに仕事なんて最悪ですよね~。でも少し裏路地のほうに入っただけで捜索対象である聖女さまがいるじゃないですか~。ラッキ~。聖女さま、騎士たちの睡眠のためにもおとなしく捕まってくれません?」
「嫌、私はあそこには戻らない」
私は騎士の目をまっすぐ見つめながら告げた。
騎士は一度目線を外し剣を手に取った。
「ですよね~。抵抗されると少し傷つけてしまうかもしれませんからできるだけおとなしくしてくださいね!」
騎士は私の足をめがけて剣を振る。
私は足付近を重点的に結界を強め、剣をはじくが、剣があたった結界付近にはひびがはいった。
「結界が物理攻撃の影響を受けた⁈なんで⁈」
「剣に魔力をまとわせれば、結界も剣がまとっている魔力部分からの衝撃は受けますかよ~。なんであと2回で割れるかな~。さて、聖女さま?もう一度言います。おとなしく捕まってくれません?」
騎士は改めて剣を構えなおし私の返答を待つ。
つくづく自分の愚かさに嫌になる。まさか、魔力をまとわせれば物理攻撃も結界に効くことすら知らなかったなんて。彼の言う通りならここから逃げてもすぐに別の騎士と鉢合わせてしまうだろうし、でも早く逃げないと捕まってしまう。
「誰か、助けて」
泣きそうになりながら呟いた言葉。いままで何度も祈り、願い続けてきたこと。
それが何の意味もないことはわかっていた、今回もどうせ何も起きないはずだった。
「なら、神に代わり俺が君を助けよう。」




