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先輩冒険者ユーリ


 こんばんは、シルビアです。


 ついに私も魔法使いでびゅーです。

 手甲に魔法を付与していただいたので、それで衝撃波を打つことができるようになりました。 まだまだ、成功確率が低くて4、5回に1回しか打てないんですけどね。


 そして、早速魔法を使う機会が来てしまいました。 エイジア様は逃げる準備と言っていましたが、獲物を見据える目が輝いていました。殺る気のようです!かっこいいです!


 なので、言われた通りに手甲に魔力を込めて、発動をしっかりとイメージして発動率とか言うのを貯めました。 たぶん貯まってたんだと思います。 イメージ通りに発動しましたしね。


 そして、後ろから来ていた盗賊を1人殴り倒して勝利の咆哮ほうこうをあげておきました。

 きっとエイジア様に褒めてもらえるのです、ご褒美は串焼きでしょうか? 楽しみです!




 現在は寮に戻ってきている。戦闘での怪我は魔法で治療をしてある。

盗賊たちだが、出来るならば埋葬ぐらいはしておきたかったが、状況的にその余裕はないと判断して後顧の憂いを断つために、錬成で分解しておいた。


そして、私の前には正座したシルビアが耳と尻尾をうな垂れさせて反省中だ。

 褒めて褒めてと言わんばかりに尻尾を振り回していたシルビアを、一喝して正座をさせている。 最初はキョトンとした顔をしていたが、私が怒っていることをようやく察したのか涙目になってうな垂れている。

 可哀相ではあるが命に関わる話しなので、ケジメはしっかりとつけなくてはならないだろう。

 


「シルビア、私がなぜ怒っているかわかるね?」

「は、はい……」


 はい、の後が続かないのは解っていないからなのか、思い当たることが幾つかあるのかは分からないが、反省させる点は明確にしておこう。


「事前に3体以上の敵なら逃げるって言っておいて、なお且つ盗賊が見えた時に逃げる準備をしておくように言ったのに、なんで先制攻撃をしているのかな?」

「え、いや、だって、エイジア様の目を見たら獲物を狩る目だったから……」


 はっ? なにそれ、そんな目してたかな? いやまて、そんな凶悪な目をした覚えは無いぞ。


「いや、とにかくだ。ちゃんと指示を守らないとダメだってことを反省させるために、ペナルティーを設けます。一週間串焼き無しの刑に処します。」

「え、えーーーーーーーーーーーー、ひどいです。串焼き食べたいです」

「ダメ、駄々こねるなら刑期が延びるよ?」

「はい……」


 うな垂れてたときに輪を掛けてしょげてしまったが、罰は与えないといけないとは思ったが串焼き一週間食べられないだけで涙目って、そんな酷い罰なのか?


 さて、実は反省しないといけないのは私の方なのだが、内緒にしておこう。

 この数日で分かったことだが、日に6時間ぐらい街道を移動しているのだが、行商人なのどの商隊に、と言うか、誰にもすれ違わなかった。

 唯一出くわしたのが盗賊だった。 そして、遠方の採取依頼が長期に渡って完遂されていない。 ここまで判断材料が揃う前に気づくべきだったというか、先に情報収集しろよって話しなのだが、ケルベロス山麓までの間に盗賊が出没するようになって、行商が出来なくなっているため、行商人から手に入らなくなった山菜の採取依頼がギルドに依頼された。だが、ギルドもただの採取依頼として低レベル帯に依頼を出したが、低レベルでどうにかなる話じゃないので、横繋がりのある冒険者はこの依頼を受けないで放置されていた。

 と、こんな感じじゃないだろうか、ちゃんと情報収集をしていればなんらかの事情が分かったはずなのだが、低レベルの採取依頼で情報収集をするなんてことが頭の中で繋がらなかった私のミスなのだろう……たぶん。


 しかし、ギルドも盗賊が出るって事を知らなかったのだろうか? 低レベル帯の依頼内容とはいえ、そのまま依頼書を張り出しておいたら、私達でなければ今頃は盗賊に美味しく料理されていただろう。

 一度ギルドへ行って話しを聞いて見る必要がありそうだ。


「シルビア、これからギルドへ行くけどお留守番してるか?」

「ぐすっ、いっしょに行きます」


 涙目と思っていたら泣いてました。鼻水と涙でぐちゃぐちゃになっていたので、タオルを濡らして顔を拭いてあげたら泣きやんでくれたので、お昼を食べてからギルドへ行ってみよう。



 寮のお昼を食べてギルドへ向かっているのだが、シルビアの落ち込みが見ていて可哀相になってきた。 耳も尻尾もへろっとして元気が無いし、うつむいてとぼとぼと音がしそうな足取りで付いてきている。


「そういえば、シルビアは敵を1人しとめたから、そのご褒美を上げないといけないな」

「はい?」

「よし、串焼きを10本買ってあげよう。 でも、明日から一週間は串焼き禁止だからな」


 ちょうど目の前に串焼き屋があったので、10本買って呆然としているシルビアの手に持たせてやる。

 串焼きと私を交互に見てようやく理解したのか、涙を流しながら抱きついてきた。


「ご、ごめん、なさい、つぎは、ちゃんと、言うことを聞きます。ごめんなさい」


 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を、ぐりぐりと押し付けて謝っているシルビアをあやしながら頭を撫でてやると、ようやく耳がひょこっと起き上がり、尻尾が嬉しそうに揺れていた。




 その後、涙と鼻水と串焼きの油でべとべとになった顔を拭いてやり、ようやくギルドにたどり着いた。


 さて、どうしたものだろうか、ギルド職員に話しを聞くのが手っ取り早いのだが、そうなると盗賊を倒した話しもしなくてはならなくなる。

 一応盗賊のポケットとかを探って、身分証明できそうなものが無いかだけは調べたのだが、小銭が多少あるぐらいで何も持っていなかったので、全部分解してしまったのだがそれも問題だ。


「よう、お前ら新人か?」


 横から声を掛けられてそっちを向くと、12、3才ぐらいの子供が声を掛けてきていた。

 身長は120cmぐらい、ダークブロンドのくせっ毛で体格は細身だがちゃんと訓練をしているのか、年の割にはしっかりと筋肉の付いているの男の子、ちょっと大きめの革鎧を装備して、腰にはショートソードを挿して背中に丸盾を背負っている。


「あ、はい、そうですが……」

「そうだと思ったよ、なんかキョロキョロしてるしよ、俺はユーリってんだ、よろしくな」

「エイジアです、こっちはシルビア、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「おう、ところで何か困ってるんじゃないか? 相談にのるぜ」


 ユーリはシルビアに照れたように笑いかけている。 どうやら最初からシルビアに声を掛けているようで、私はあまり視界に入っていない様子だ。 まぁ12才と7才じゃ話しかけるのは12才の方になのは、当たり前ではあるのだが。


「実は、先日採取依頼を1個受けたのですが、いく途中で盗賊らしき人達を見て引き返して来たんです」

「ん、ああ、そうか、そりゃ逃げてきて正解だったな、で、その依頼をキャンセルするって話しか?」


 とりあえず、座れるところへ移動して話しをすることになり、盗賊は倒したではなく見かけたが逃げてきたと脚色して、依頼内容やこれまでの状況を話して私の推測を話してみた。


「あー、なるほどな、いや、話は聞いているんだよ。 ケルベロス山麓の村まで行商にいく商隊は居たんだが、ここ半年ぐらい盗賊が出て商隊が襲われることが多くなったんで、行商人が敬遠してるんだ。まぁ、村も行商が来ないと塩とか生活に必要な物資が足りなくなるんで、国が動いて騎士団が派遣されたんだが、盗賊を発見できなかったらしいんだ」

「そうなんですか、じゃぁ、ギルドは盗賊が出るって話は知っていたんですね?」

「報告は受けているだろうけど、国が盗賊は居なかったって発表しちまったから、ギルドでもその様に対応しないといけなくなったみたいだがな、まぁ、実際ギルドでも偵察をしたらしいんだが、そっちでも発見できなかったんだが、行商人は敬遠してるって話しさ、実質被害があって盗賊が討伐されてないところに行きたいってやつは居ないだろう?」

「ですよねー」

「それでも、ダンジョンの最寄町だから月1ぐらいで冒険者を募って行ってるらしいけどな。 ただ、ここから東に半日行った所と、南西に1日行った所にもダンジョンがあるんで、北西に4日も行った所のダンジョンには行く奴らが少ないんだよ」


 盗賊は居たが、国とギルドは発見できなかった。 商隊や私は襲われたということは襲う相手を選んでいるって事だろうけど、どこからか監視できると言うことかな、そして盗賊の拠点も見つからないとなると、どういうことだろう……


「まぁ、そんな訳だし、依頼はキャンセルしておいたほうがいいとおもうぞ、キャンセルの場合は達成報酬の倍の金額を払わないといけなくなるけど、この依頼だと2大銀貨か多少高い授業料になったと思って払っておいたほうがいいんじゃないか?」

「あー、そうですね、どうしようかな……」


 一度受けた仕事をキャンセルするのは嫌なんだが、命に関わる話しだし悩みどころだがさっき言っていた月1の行商に混ぜてもらえれば、行けない訳じゃないがランク的に護衛は無理だろう、そうするとお代を払って同行ということになるだろうが、それでは依頼達成しても赤字決定だろう。 だが、一度行ってしまえばテレポートで転移することができるようになる、同行のお代を調べてからでもキャンセルするかを決めるのは遅くはないだろう。


「その月1の行商に同行させてもらえないか、調べてからキャンセルするかは考えます。色々と教えていただきありがとうございます」

「ん、そうか、まぁ、無理はすんなよ。 あと、話しをするのなら早めに行っておいたほうがいいぞ、商隊は明日出発だからな」


 商隊に付いて妙に詳しいけどもしかして……そんな私の視線に気づいたのか、ユーリがニヤリと笑って言った。


「ああ、俺もその商隊に護衛で参加している。ただしCランクからの依頼なんで、新人じゃ受けられないけどな」




 ユーリに礼を言って、運がよければまた明日と言って別れ、急いで商業区にもどって商業ギルドに向かった。


 さすがに冒険者ギルドほど大きな建物ではなかったが、荷揚げ場や倉庫なども見えるので敷地面積はそれなりだろう、とりあえず中に入って商隊の話しを聞いてみよう。






 お読みいただきありがとうございます。

 台風でお休みが週末から今日まで飛ばされてしまいました(涙)


 ではまた週末に

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