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研究所訪問

 こんばんは、シルビアです。


 昨日の研究所めぐりでした。なんの話なのかさっぱりわかりませんでしたが、エイジア様はしきりに頷いていて、なにかすごく感心したようでした。


 最近はお散歩の時間が1日2回になって、時間も大幅に長くなって大満足です。

 でも、エイジア様はまだ体が小さいので、長時間は走れないみたいで休憩を挟みつつでしたが。


 そういえばお散歩の途中で敵が出てきたら、お散歩が中止されてしまうんでした。

 敵が出てきたら2匹までは戦うと言ってましたが、ランニング中にたまにですが野犬の匂いがしていました。 2、3匹だったので問題なく倒せると思うのですが、エイジア様はとても慎重派なので、3匹出てきたらお散歩が中止されてしまうから放っておきました。

 なんとか近くに来る前に倒せないものでしょうか……





 2日目は魔装研究所、午後は魔力文字研究所を見学となっている。


~魔装研究所~


 この研究所は何をしているのかが分からなかったやつだ。 ゲーム時代には魔装と言うものは無かったので、どんなものなのかとても楽しみである。


 昨日と同じく訪問して自己紹介などをして、早速研究に付いて説明を受けた。

 この研究所は人気が無いのか所長ただ1人で行っている研究らしく、16才の彼は学院を今年卒業してそのまま研究室を与えられた人だ。 名前をイグニス・アルクウィードと言うそうだ。


 そして、研究内容を聞いて驚いた。その研究はGMゲームマスターが何度かNPCとして登場させたことがある、辺境の部族が使っていた魔粧墨ましょうぼくと言われる特殊なインクで入れた刺青の研究だった。


 ルールブックにはその記述は一切ないし、GMのイベント用NPCだったため魔粧墨はプレイヤーには与えられなかったものだ。 そして、その効果は魔法の術式を刺青にして、習得していない魔法すらも自分のスキルとして使用できると言うものだった。


 私の付与魔法で作る護符との違いは、物品として持ち歩かなくても良いと言う点と、刺青に魔力を通すだけで発動できるのが違いだ。 ただ1つ難点があるとしたら、発動難易度は存在するので最低限発動できるレベルのものまでしか使えないということだ。


 私もこの刺青が欲しくてその時のシナリオ終了時に、この魔粧墨を調べさせてもらったのでGMから情報を引き出すことができた。 しかし、この刺青はそのイベントのNPC彫師しか入れられないということで、墨の解析などはできたのだが実用品として使用することはできなかった。


「まぁ、そんなわけで、そういう刺青があったことが文献に載っているんだ。そして僕の腕にその刺青が施されているんだが、生憎と10才以前の記憶が無くて出所が分からないんだ。」

「はぁ、そんな大事なことを初対面の私達に教えてよかったのですか?」

「いや、構わないよ、記憶を失ってさまよっていた僕を引き取ってくれた方が、僕の素性を調べる際に刺青のことも調べてくれていたんだ。 残念だが分かった事はこの刺青が魔粧墨と言われる特殊な刺青であることが分かっただけだが……まぁ、この刺青のおかげで学院にも入れたし、こうして研究もできる。 と言っても、宮廷魔術師がある程度まで調べた結果、複製もできないことが解ってその研究を引き継いだだけなんだけどね」

「そうなんですか、複製ができないって事は、墨の原料は分かったのですか?」

「ん?、いや、墨の原料が幾つか分からなかったんだよ。 まぁ、それを調べている最中でもあるんだけど、ここに現物が存在しているんだからいつかはたどり着けるとおもっているよ。」


 そう語るイグニスの魔粧墨を見つめる目は、魔粧墨を通して故郷を思っているようだった。


 墨の原料を知ってはいるのだが、1つを除いて手に入れることが可能だ。というか、その1つ以外は普通に店で売り買いされているものばかりだ。

 その1つとは、その魔粧墨を使っていた一族の血と意思だそうだ。 たぶんだが、GMがその場の思いつきで作った設定だったはずだ。

 刺青に込める魔法を習得していることが前提で、その魔法を詠唱して未発動の状態で体の一部(指先とか)に集めて、その部位から血を抜き取って、鉛や宝石粉を墨混ぜたものに、その血を合わせて魔粧墨となり、それで刺青を彫ると魔法を発動できる刺青になるそうだ。


 本当にその通りの設定が、現在に生きているのかは分からないが、今のところ試す気にはなれない、試すのであればなぜそんなことを知っているのかが問題になりそうだし、そんなことが国に知られればイグニスがどうなるかは、火を見るより明らかだろう。


「今は成果がでていないので、人は集まらないのだが墨の原料が分かればこの分野は大きく化けるはずだ。 研究員も随時募集中なので考えておいてくれると嬉しい」


 他にも刺青の図案や現存している魔力文字など、そういった話をしてこの研究所を出た。 当面この研究所は保留といった感じかな、梃入れして研究を進めてしまうのも問題だろう。


 食事をして午後からの研究所めぐりをしよう。 次は魔導具研究所だ。


~魔導具研究所~


 魔導具研究所は、本当に研究所と言った感じだった。

 別棟になっていて、入り口には守衛が居て、来訪を告げると入館章を渡されて案内人が来るのを待たされることになった。 待ち時間に軽く説明を受けたが、入館章で開かない扉には進めないようにセキュリティーが成っていて、仮に何かしらの手違いで入ってもすぐに警報が鳴るそうだ。 入館章なしで入ると捕縛の魔法が発動して警報が鳴るそうだ。

 どんだけ警戒しているんだって話しだが、魔導具を研究、開発している機関なら当然の措置なんだろう。


 しばらくして案内人が来たようだ。 年は20才ぐらい、くせっ毛の金髪に青い目、190cmぐらいの長身に愛嬌のあるそばかす笑顔の青年だ。


「やぁ、こんにちは。君達が今日の見学者だね。 俺はデビットだ。よろしくな」

「よろしくお願いします。 私はエイジアです」

「従者のシルビアです。よろしくお願いします」

「それじゃ、案内しよう。 といっても開発所の方は案内できないんで、市販されている魔導具の研究所の方だけなんだけどな」


 王都内で販売されている大半の魔導具は、この研究所で開発されたものが多く、従来品も効率を上げてあり、性能が上がったものが流通しているそうだ。


「外来の見学用の施設があるんで、そっちを案内するから実際には研究所じゃないんだけどなっ」


 すばらしいドヤ顔ありがとうございます。 そう言って案内された施設で、魔導研究所の成り立ちを説明されて、いままでに上げてきた功績と公開している魔法式などを一通り説明されたが、たしかに魔導具と言う面では過去の魔導具よりも進化している。 主に魔導具が消費する魔力の軽減、魔導具の縮小化が従来品よりも何割か性能が良くなっている。


 魔導具って何って話しだが、現実世界で言うところの家電製品だと思ってくれたら良い。

 もちろん、戦闘用の物もあるし、結界を張るなんてのもあるので、家電かって言われたら微妙ではあるが、物を暖めるだとか、そんなレベルの家電製品は魔導具で実現しているんで、とりあえず日本の生活家電は魔導具で存在していると思って欲しい。テレビは無いけど、音楽を封入する魔導具があるので、ステレオ的なものはある。

 だが、結構高価なシロモノで、それらを日本人のように当たり前に使えるわけではない、存在はしているが買えるかどうかは個人資産次第って話しだ。




「というわけで、魔導具研究所は更なる飛躍をするべく、日夜研究・開発をしている。こんな感じでこの魔導具研究所のことは解ってもらえたかな?」

「はい、ありがとうございました」


 小学校の頃に授業で工場見学とか行ったことがあるんだが、そんな感じだった。

 まぁ、分かりやすく纏めてあるし、話せる範囲まで研究の話しもしてもらたから不満はないんだが、なんかつまらなかった……お土産はもらえなかったと追記しておこう。




「さて、気を取り直して今日もトレーニングの時間だ」

「はい、がんばりますっ」


 転移をして柔軟してから走り始めたのだが、すでに民家というか人の気配が無い地帯になっている、見渡すと草原と立ち木があり、その向こうには雑木林が見える。 時折兎のような生き物や、野鳥が飛んでいて大きな獣は見かけない、小動物が居るところを見ると危険は少ないのだろう、水辺も近くにあるはずだが、集落でも作ってこの辺の土地を耕したら穀倉地帯にでもなりそうなものなのに、と思いつつランニングをしている。


「エイジア様、私も魔法使いたいんですけど、魔法ってどうやったら使えるんですか?」

「え? 魔法?」

「はい、魔法です。 エイジア様みたいに遠くの敵を攻撃できるようになりたいんです」


 唐突に魔法というからどうしたのかと思ったら、遠距離攻撃の話しか、だが、格闘家に遠距離攻撃と言っても、かなり無理があるんだが……

 戦技のソニック系を覚えて斬撃を飛ばすか、投擲用の武器を持って置くか、本当に魔法系統を覚えて使うかだ。 戦士は魔法系統を覚えられないというわけではない、が、当然発動率の問題がでてくる。 戦士のスキルも発動率があり、体力・力・器用が発動率になっているので、その上に魔法系統の知能・精神・神気を高めたらどうなるか、器用貧乏と言われるものになるのか、汎用戦士になるのか、どちらにしても、低レベルで両方となると戦いに影響がでることは間違いない。


「あー、今はまだ格闘技の修行中のシルビアが魔法までというのは、無理があるので今は格闘技に集中したほうが良いんだが、なんで遠距離攻撃をしたいのか教えてくれるか?」

「えっと、遠くに居るうちに敵に先制攻撃をして、数を減らせたらいいなとおもって」

「んー、そうだな、遠距離攻撃が出来るようには考えているけど、とりあえず魔法は……」


 あれ、そういえば、私は付与術士なんだから、作れば良いのか、帰ったらちょっと考えてみよう。


「うん、ちょっと帰ったら考えてみるよ、ほら、シャドーが止まってるよ、手を動かして」

「わかったゼ、おやっさん」


 シャドーを再開させるが、しっぽが千切れんばかりに振られている、尻尾に釣られてお尻も振られている。


__________


 名前 :シルビア

 種族 :獣人族

 性別 :女

 年齢 :12才

 属性 :炎

 レベル:6            

 ジョブ:格闘家

            

 HP :186

 MP :139


 体力 :48

 強さ :58

 器用 :43

 知能 :22

 精神 :17

 神気 :31

 魅力 :16


 スキル 

格闘技

「拳弾」「蹴撃」

気孔術

「武息術」「合気」


徒手空拳 手刀・足刀 鉄拳 修練気孔闘法 鋼の肉体 脳内麻薬


奴隷作法1Lv 教養3Lv 語学(共通語) 頑健3Lv 毒耐性3Lv 錬金術(簡易) 気配感知1Lv 危険感知1Lv 消費魔力減少1Lv 能力値上昇1Lv


_______



 ステータスのMPを見て思い出したが、私の魔核を移植したためにMPが戦士にはありえない量になっている、これなら魔法を使ってもいきなり枯渇したりしないだろう。

 これならば魔法武器を作っても何とかなるだろう、発動も無理すればなんとか出来るかも知れない。


 なんだかんだと魔法武器の構想を考えている間に、日がだいぶ落ちてきている、もうそろそろ夕暮れ時だ。


「さて、シルビア、今日はもう帰ろう」

「はーい」


 なんか残念で嫌そうな返事が返ってくるが、こういうときはコレだ。


「帰ったら夕飯前に買出しするし、その時串焼き買ってあげるよ」

「はい!すぐ帰りましょう」


 耳ぴこーんの尻尾ばっさばっさと喜びを全身で表している、口の端に光るよだれがチャームポイントだ。




 買出しと夕飯を済ませて部屋でくつろいでいるところだ。シルビアはベットで満足そうにお腹を撫でて幸せそうだ。


 机に向かって魔法武器の図案を書き出してみているのだが、かなり難易度が高いといえるだろう。


 まず私が使える魔法が問題なのだが、攻撃魔法はウエイブしか持って居ない。

 魔力弾は通常攻撃扱いなので魔法ではない、そして、それを魔導学で形状変化して攻撃をしているので、これを術として魔法武器にするのは無理なので、ウェイブを使うことになる。


ウエイブ SP1 消費MP12 必要知能18 発動難易度+20% 対象全体 射程距離20m 威力10ダメージ 副効果として対象を後方へ移動させる。


 このままだと、ダメージは魔法防御力を突破するのは厳しいだろう。

 追加威力を乗せたとしても、魔法使いでないシルビアだと5ダメージほどつまり15ダメージしか出ない計算だ。ちなみシルビアでも魔法防御力は10点あるので、通るのは5ダメージ、シルビアのHPは186あるので38回打たないと倒せないわけだ。 そこで魔導学で強化するのだが、知能22なので確実に発動させるには80%の発動率上昇が必要になる。


 それを作るMPを軽く計算してみよう。

 マテリアルの魔法発動率上昇コストは50、魔法発動率上昇MR1(マテリアルランク)を1つ作るのに、51MP必要になる。

51MP=1% 510MP=10% 4080MP=80%


 ざっくり計算して11時間ずっと集中してないと作れない、いや、11時間の集中で作れるというほうが凄い話しなのか、どっちにしても11時間集中は無理なので、前回同様にMR結晶を作って貯めていこう。


とりあえず、ウェイブを凝縮+貫通を乗せてエンチャントしておこう、発動は運がよければ2割の確立で発動するし……


 そしてMR結晶を作るために瞑想、錬金を寝るまでの間繰り返しておいた。




 お読みいただきありがとうございます。

 大変遅くなって申し訳ありません。 ようやく時間が取れるようになりました。


 次は8月1日の更新予定です。

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