王都ギルド
こんにちはシルビアです、ついに王都での生活が始まります。
寮での集団生活になるそうです、でも大丈夫です集団生活には奴隷商で慣れていますから、と思ったのですが案内されたお部屋が広くて凄いです、とても綺麗で置いてある壷とか絵とか凄い高そうでこれを壊したりしたらエイジア様に捨てられてしまわないかちょっと怖いです、でも、お布団はふかふかで最高でした。
お部屋は2部屋あって1部屋を私専用のお部屋にして良いって言われたんですが、そんな広い部屋に1人だなんて寂しいのでエイジア様の側に張り付いていよう、ここなら何があっても怖くないですしね。
そんな他愛も無いやり取りをしつつ商業区で買い物をして荷物を寮に配達してもらうが、そろそろ資金がヤバイ現実的な話をするとお財布にあと大銀貨が数枚ぐらいだ、早々に稼がねばならない、昨日から考えていたのだが世間の付与術士はどの程度の呪符や護符を売っているのかを市場調査して、同じレベルのものを販売してるぶんには目を付けられないんじゃないかと思っている。
「とりあえず魔導具屋だな、商業ギルドで話しを聞くか冒険者ギルドで話を聞くかするのも手ではあるが・・・」
ギルドマスターの濃ゆい人たちを思い出して普通の商店から見て回ることにした、道を聞きつつ一番近い大きい魔導具屋へ行き物色を開始する。
魔導具屋は中々の多きさで敷地面積で言うと20坪ぐらいレンガ造りの二階建ての建物で、入り口に警備員のような黒服が立っているお店だった。
中は上品に纏められて乱雑に物が置いてあるということは無く、格子棚には見栄えよく魔石やポーションが並んでいて、店内に置くと邪魔になりそうな大きな物は挿絵と説明が書かれた紙は張ってある、店内には相談用のようなテーブルが何個かあり植木で目隠しがされている、二組ほどが店員となにやら相談をしているようだ。
店内を見渡している私を目ざとく見つけた店員が近づいてくる、40代ぐらいの口ひげを生やしたナイスミドルな紳士が腰を折って綺麗な礼をする。
「ようこそお越しくださいました、何かお探し物ですか? 宜しければ私モルドがお伺いいたしますが」
「こんにちは、私達は王立学園の学生なのですが、付与魔法を専攻しているので呪符や護符とそれに使う素材を見せていただきたいのですが」
「そうでございましたか、お若いのに学院の専攻過程にお進みとは素晴らしいですな、ではこちらへどうぞ、カタログをお持ちいたしましょう」
私達をテーブルに案内するとカタログを持って対面に座り紅茶を入れてくれる。
「このポットも魔導具なのですが、保温・過熱をしてくれるとても重宝する魔導具なんですよ、もちろんこの魔導具に組み込まれている魔法も付与術士が作ったものです」
「なるほど、火精霊の術式ですか火力調節が可能というのは凄いですね、勉強になります」
しばらく雑談をしつつ商品を説明してもらったが、呪符はそこまでの値段ではなかったもちろんコストの大きいものはそれなりの値段ではあるが、そういう魔法の呪符は受注発注なので取り扱いはなく金額も時価だそうだ、そして呪符の大きさもコストに応じて大きくなるらしく1コスト10cm四方のサイズだそうだ、魔法を込める素材次第ではサイズをもう少し小さくできるできるそうだが、金額もそれに応じて高くなる上に使い捨てなのでかさ張っても大きくなるほうを選ぶのが普通だそうだ。
呪符は紙等に付与した使い捨てで使うと紙ごと消滅する、護符はその物品自体に耐久値が設定されているものに付与したものを指し、付与した魔法を発動させても物品は消滅しないが耐久値が多少減ってしまう、これは込めた魔法コストしだいなので大きい魔法を込めれば耐久値しだいでは壊れることもある、もちろんCP以下の魔法しか入らない、前に作ったペンダントトップはこの護符に当たる。
値段は1コストあたり1銀貨が基準、護符の場合は物品の値段がそれに上乗せされるが持ち込みは持ち込み料が取られる仕組みになっているそうだ。
「このリストに神聖魔法の呪符が無いようですけど、販売はしていないのですか?」
「この国では神聖魔法にかかわる物品は神殿の許可なく販売が禁止されているのです、唯一の例外は神殿や教会が無い村では商店やギルドが認可を受けて代行することがありますが、基本的に教会へ行ってお布施を払って頂く物なので商店で売っていることは無いのですよ」
シルビアは一般教養の効果なのか知っていたらしくうなずいている。
んー? なんか変なルールが出来ている、宗教がこういう独占をするってことは何か良くないことが起きている気がするんだが、しかし、ファンの町で神聖魔法の護符売りまくったけど、だれも何にも言ってこなかったけどな・・・
詳しいことはいずれ学校で習うだろうと思い、頭の隅にとどめておくだけにする。
「そうなんですか不勉強ですみません、ところで、こちらでは買取もやっているのですか? 私も今後それで生活をしていきたいと思っているので、今のうちからアルバイトをしていこうと思っているのですが」
「買取ですか、そうですね、一応当方も専属の付与術士が居るので基本買取はしていないのですが、そうですね売値の4割でなら買取ましょう」
つまりは1コスト4銅貨換算か、普通の羊皮紙とかにエンチャントして売ったとして羊皮紙代や魔力インク代を差し引いて3銅貨、1コスト程度の魔法ならひたすら作れるけど、100枚作っても3大銀貨だと労力に見合ってるかは微妙だが、この年齢の子供がと思えば破格・・・・なのか? 普通の子供の基準が分からないな・・・
「分かりましたありがとうございます、試作ができたら持ってきます」
「さて、どうやって稼ぐかな・・・っと、そうだ冒険者ギルドに行って結界につぎ込んだMPの報酬もらってこよう」
旅の間に立ち寄った街道の結界で寝る前と起きてからの2回分をつぎ込んでおいた、MPが枯渇してから回復すると容量が増えるし、お金がもらえるという二度美味しいお仕事だ。
ギルドカードを出して履歴を見てみると
________
賞罰
結界MP供給 未払い分
3620 MP
________
10MPで1銅貨のレートらしく結界に立ち寄った冒険者は路銀の足し程度に供給をしているそうだ、結界柱から100平方メートル内部にはモンスターが自力で入り込むことはないので野営地として利用されてはいるが、野盗を防ぐものではないのでMP供給を強要はしていない。
「んー、30日の間に6箇所ぐらいだったかな、それで3大銀貨ぐらいだと本当にお小遣いレベルだね、ギルド行ってお小遣い貰って串焼きでも買おっか?」
とたんに目が輝き、ぴんっと耳を立てて尻尾をばっさばっさ振りまくる。
「串焼きこっちにありました! こっちです!」
ギルドそっちのけで先に串焼き屋へと引っ張って連れて行かれた、そして両手に串焼きを持ってホクホク顔で齧っている。
「さて今度こそギルドに行こう、どの道夏休み期間はギルドで簡単な依頼でも受けてお小遣いを稼いでおかないといけないしね」
「ふぁい、もっきゅもっきゅ、がんばっれ、かせぐれすよ、もっきゅもっきゅ」
「食べ物を口に入れながら話しをしてはダメですよ」
はて、イヌ科の獣人だったような気がするんだが、頬袋を膨らませて食べているところを見るとどうしても齧歯類に見える、ほっぺたを突きたいのを我慢してとりあえず注意をしておく。
ギルドは商業区の北門近くに合ったそして冒険者ギルドはでかかった・・・窓の数での判断だが5階建て敷地面積は表から見たところじゃ分からないが、ギルドの周りを囲っている塀は表通りに面している分だけでも100mはある、前の町のギルドは宿舎や鍛錬場もあったことを思えば奥行きがどれほどあるかが知れない。
ギルド内に入ると案内板がありざっと目を通した限りでは、1階は依頼の受注受付、発注受付、買取と鑑定受付、会計所、相談所となっており、まるで市役所のようになっている、窓口の数も1箇所5個としても30はありそうだ。
2階は冒険者用の総合販売所、3階は資料室、4,5階はギルドの施設らしく立ち入りできないように階段は別になっているようだ。
「はて、この報酬っていきなり会計行って良いのかな・・・」
「どこも並んでますねー」
どこの窓口も数人ずつ並んでいて確認のために並ぶのも面倒だと思い、時間もまだお昼前なので何か簡単な依頼を受けてその達成報酬と一緒に請求しよう考え、依頼掲示板へと行ってみる。
「とりあえず慣らしになにか依頼でも受けてみよう、簡単な採取系のがあるといいんだけど」
掲示板はランク分けされていて未達成の古い物ほど上のほうに貼られているようだ、シルビアと私でパーティーを組むのでランクはEランクまで受けることが出来るのでEランクの掲示板を見てみる。
Eランク掲示板はすでに10枚ぐらいしか依頼が貼っていない、まぁお昼に来てまともな依頼があると思うほうが悪いのだが、街中の雑用依頼が何枚かと、運河での漁の手伝い依頼とか、沼地のジャイアントトード討伐依頼、上の方に貼られたのでは清水の湧くところでしか取れない薬草の採取依頼とかだ、街中の依頼は安いのでパス、漁も微妙なのでパス、あとは薬草採取かジャイアントトードの討伐かだが、地図を取り出して清水が沸くと思えるところを目で追っていく、北門を抜けて北西のケルベル山脈麓付近か多少山に入らないと無理かもしれない。
討伐は北門を抜けて運河をたどっていくと途中で湿地帯があるがその辺りにジャイアントトードが居ると思われる。
討伐は今からだと夕方にたどり着いて、明日に討伐してから帰ってくる行程になりそうだ、報酬は10匹で1大銀貨追加1匹で5銅貨、別途でトードの腿を1対で1銀貨買取となっている。
薬草は数日から一週間は掛かると思われる、報酬は5本で1大銀貨追加1本につき1銀貨となっている日当換算すると最低でも60本以上取ってこないと赤字だろう、正直どっちでも良いトードだとお金が、薬草だと多種の薬草が取れる可能性と今後テレポートで行けるようになるという利点がある。
「シルビア、これとこれどっちが良い?」
「んー、カエルは気持ち悪いんでこっちの薬草がイイです」
「そ、そう、でもこのまえ・・・・いや、なんでもない」
「くんぅ?」
可愛く小首を傾げているが、ここに来るまでの間にトードの腿肉を焼いたのを美味しそうに食べていたんだが、カエルだと知らないで食べてたみたいだ、現実は知らないほうが良いこともあるだろう。
「じゃこれを受注して行こうか」
受注窓口に並びながら回りを見ているとなんとなく注目されているみたいだ、Fランクの仕事は町の雑用などだから10才前からでも出来る仕事ばかりだから、別に私達が特殊だとは思われないと思うのだが。
「この仕事の受注お願いします」
私達の順番になり依頼書とギルドカードを出す、受付のおっちゃんは依頼書と私達の顔を何度か見比べてからため息を付きつつ諭すように言ってきた。
「お嬢チャンたち、これがどこに生えているか知っているのか? この薬草がどんなのかとか分かっているのか? 分かってないなら止めておきな」
「この近くならケルベル山脈の麓辺りですかね、綺麗な水の流れるところじゃないと生えない薬草ですけど何かありましたか?」
おっちゃんは軽く片眉を上げて、ふんっと鼻息をつくと受領印を押して依頼書をこっちに返してくる。
「まぁ、そんだけ分かってるなら後は自己責任だ、がんばってみな」
「はい、ありがとうございます」
依頼書を受け取って一応他でも取れないか調べるために資料室へ寄って行く、資料室はシンっとした空気に包まれた静寂で、荒くれたる冒険者に似つかわしくなく紳士のような雰囲気の人たちが資料を読んでいる、革鎧とか着てるのに紳士に見える。
入り口に受付があり鞄などの手荷物はそこに預けて中に入ると、資料室というよりも図書館に近い感じで本が並んでいる、受付で依頼書を見せてその植物がケルベル山脈以外で取れないか聞いてみるが、ケルベル山脈の麓で取れると言うことしか分からなかった、途中の道のりで町が1つと麓の村が1つ、最初の町は迷宮のある町で馬車で4日そこから麓の村まで3日、つまり移動手段にもお金が掛かるのにこの報酬じゃどうやっても足が出るってことだ、なんでまたこんな依頼が有るのか分からないのだがとりあえず向かう道のりは分かったので礼を言ってギルドを出る。
「それじゃ寮へ戻ってしたくして出かけようか」
「はいです!」
お読みいただきありがとうございます。
前話は戦闘ルールの一部なので読み飛ばして大丈夫です。
ただ戦闘中にはどのような処理がされているかというだけでストーリーには
出てくる予定はありません。
ついに7月です、暑くてへろへろですががんばっていきましょう。
ではまた




