定番のモンスター
誤字脱字と誤植を修正しました。
魔法説明のブレイブですが、30秒が30分になっていましたので
修正を掛けてあります。
午後から時間もあるのでギルドに向かう。今から護符の製作を行っても良いのだが、根本的にレベルが低いので、レベル上げをして新しい魔法を習得して商品層を厚くするのも手ではないだろうか。
この調子で商品が売れれば遠からず目標には達しそうなので、無理に稼がなくても大丈夫だと思う。それならば、討伐依頼でも受けてレベルアップしよう!
鼻歌交じりにギルドに来てEランクの討伐依頼を探す。
・常時依頼 ゴブリン討伐 1匹2銀貨
・常時依頼 ウッドモス討伐 1匹1銀貨
この二つの討伐依頼が残っていた。あとは相変わらず薬草類の採取とか町での手伝い系の仕事が合った。
カウンターでこの二つに付いて聞くと、常時依頼と言うのは討伐後に討伐部位を持ってくれば換金してくれる依頼で、依頼を受ける必要は無いそうだ。
ウッドモスというのは北側の森林地帯に生息する芋虫の巨大なヤツらしく、幼生態では草食なので人的被害は無いのだが、森林を食い尽くす勢いで食事をするので常時依頼として見つけ次第討伐となっている。
討伐部位は頭部にある右側の触覚だそうだ。
ゴブリンは繁殖率が高いので同様に常時討伐依頼が出ているようだ。討伐部位は右耳とゴブリンランクから魔核が取れることもあるので、それも別途で買い取ってくれるそうだ。
両方とも北門からでて北西にある森に生息しているとのことで、屋台でクラブサンドのようなものを買って食べながらのんびりと街道を北上して森林地帯が見えてきたところで街道を外れて西に向かう。 位置的にはいつも薬草を取っている草原の東側あたりになるのだろうか、森林地帯に入ったので念のために武器を抜いておく。
しばらくして森林からあまり日が差さない森の中に移動した辺りで、察知系の能力が敵を教えてくれる。
「ぐぎゃ、ぎゃぎゃが、ぐぎゃ」と、しゃべっているような奇妙な声が聞こえてくる。
たぶんだがゴブリンが右前方に居るのだろう距離にして20mぐらい先なので木々で視界がさえ切られて目視できないが、気配は3つ狩りの時間だ!
まずは魔力活性化を深呼吸と共に行い、循環された魔力で魔力弾を形成する。 視界の端にステータスバーとAPが表示され、精神が戦闘状態に高揚していく。
魔力弾精製・螺旋形状変化・魔導学によって4つに分割しそれぞれを木立ちの向こう側にAPを使って命中補正を付けていき、視界に入り次第狙撃を行う。
「螺旋魔力弾 ショット!」
最初の一体が見えた瞬間、敵の胴体部分に狙いを定めて等間隔に魔力弾を射出する。その魔力弾は一昨日に比べ精製速度、射出速度、そして威力までもが強化されていて、弾道にあった木立ちを貫通してその後ろに居たゴブリンごと粉砕した。
木々が数本倒れるなか打ちもらした1匹が騒いで居るが、まだこちらを視認していないようなので、もう一度魔力弾を作り慌てずに命中補正を掛けてから見え次第打つ。
ゴブリンは自分の胴体に風穴が開いたところで、ようやくこちらに気がついたのか驚愕の表情のまま倒れていった。
直視するにはグロいが極力冷静になってゴブリンの死体を観察する。
緑色の皮膚にボロ布を腰に巻きつけていて、武器は木切れの棍棒のようなものや、ボロボロに刃こぼれしたナイフを持っていた。身長は120cmぐらいだろうか、角はなく牙が鋭い毛の無い猿のような顔立ちをしている。見た感じでは筋力はそこまで無いようだ。しゃべっていた事と一般スキルに「ゴブリン語」があることから、一応言語能力がある程度には知能があるのだろう。
「ん、木が1,2,3,4……あれ、一昨日より威力強くなってない?」
近づいてゴブリンの死体と周りの惨状を見てみるのだが、ゴブリンは当たり前として前後にあった木々が7本ほど幹がくり貫かれて倒れていて、その奥の木も幹が半ばまで抉れていた。
昨日は、木には魔法防御なんてものが無いので、貫通効果が効いているのだろうと都合よく解釈したが、それにしても威力が強くなっている気がする。
もうちょっと込めるMPを減らしても大丈夫じゃないだろうか……
木が無くなりちょうどよい日差しが当たるようになってしまったが、気にしててもしょうがないのでさっさと剥ぎ取りをしよう。
まずは右耳をそぎ落として錬成で魔核以外をエネルギー変換してMPとマテリアル結晶にしてしまう。
この分解錬成にMPを30ほど使う。ゴブリン1匹から搾り取れるエネルギーは、MP換算だと100ほどだろうか、MPとして流用する分には自身の回復にもそのまま使えるのだが、結晶化をするには更に20ほどMPを消費する。結晶の上位変換をするにも20ほどMPを消費するので、実質手元に残る結晶はMR2の結晶が3個だけだ。もちろんMR1でも良いのだが1cm角の結晶がざらざらとあってもかさ張るので、目減りするがMR2の結晶で保存しておいている。
解体後、魔核は小指の先程度のちっちゃい魔核が1個残っただけで2匹からは何も取れなかったが、スライムレベルの初心者用モンスターだしこんなものかと納得した。
「3匹分げっとだぜ!」
せっかく切り倒した木なのでマテリアル結晶をMP代わりに使って木を乾燥させて、材木としてストレージに収納する。先日の切り倒した木も後日この方法で材木回収しておこうと思いつつ、ステータス確認をしてみるとレベルが上がっていた。
レベル:5
HP :43
MP :240
体力 :19
強さ :24
器用 :22
知能 :48
精神 :32
神気 :34
魅力 :42
残 6BP : 8SP
名前などは表示を省略して必要なところだけ表示させてみる、とりあえず知能と神気を伸ばして、8SPで危険感知と気配察知を1Lvずつ上げて、遠視を2Lv取得、古代魔法のサーチを取る。
サーチ 4SP 24MP 効果時間10分 :半径10m内の敵の場所が分かる、MPを10上乗せするごとに10m範囲が伸びる。
切り株に座ってレベルアップ作業をしていたら、早速レベルアップさせた察知に複数の集団が近づいてくるのが分かる。
「早速だけどがんばってみよう、2乗せ「サーチ」」
再度魔力を活性化させて半径30mサーチを展開する。
右前方30mギリギリに3匹、左前方20mに3匹、右30mに4匹、後方なし。
状況的に左に進んで時計回りに駆逐するのがベストだろう。30m以上向うにも居るかもしれないが、その場合にはサーチ範囲に入り次第表示される、なので10分で全滅させるかもう一度サーチを掛けるかだ。迅速に行こう!
隠密行動(1Lv)で左へ移動しながら魔力弾を精製して待機させつつ、なるべく音を立てずに敵に近づいていく。そしてサーチで敵の位置を認識しているので射程範囲に入り次第射出する。
この方法ならば、サーチで敵の位置がこちらからは分かるが、向こうは気配か匂いか音で判断しているはずだから、圧倒的優位から不意打ちができる。
「ビンゴ!」
木々をなぎ倒しながら、その後ろに居たゴブリンの胴体を粉砕した。駆け寄りながら錬成をイメージする。右耳と魔核を残しMPに変換して吸収、余ったMPはマテリアル結晶する。その工程を一気に行うために何度か工程をイメージして、ゴブリンの死体に触れながらイメージの具現化を念じる。
死体に触れた一瞬でゴブリンが光に包まれて消え、結晶と魔核と右耳だけが残る。
「よし、上手く行った。次を迎え撃とう」
木々をなぎ倒した音を聞きつけて、こっちへ急速に接近している敵6体を迎撃体制に入る。最初に3匹、数m後ろにさらに3匹がサーチで分かる。
「螺旋魔力弾ショット展開、固定 さらに2回」
先ほど打った魔力弾を結晶からMPを補充しつつ、空間に12発固定して敵の接近を待つ。
今度は後ろのも纏めて倒すために大量に弾を並べておく、そして数mの差を消すために最初の敵が見えるまで待ち構える。
ぎゃっぎゃ言う声がどんどんと近づいて来て、この魔力弾をはずしたら確実に接近戦で戦うことになると思うと、心臓がバクバクと音を立てているのが自分でもわかる。
「落ち着け、大丈夫だ。外しても全部が襲ってくる分けじゃない。2匹までなら10mあればもう1回魔力弾を展開して打つことが出来る。落ち着け」
自分に言い聞かせるように呟きながらその瞬間が来るのを待つ。そして最初の一匹が見えるが、サーチを見て射程距離に全部が入るまで、我慢だと自分に言い聞かせ、震えそうになる足を拳で叩く。
そして、最初の三匹がこちらを視認して声高に叫んでいる。おそらくは後ろの3匹にも場所を知らせたのだろう。そしてこっちに走ってくる。
最初の3匹が5m程度に近づいたところで漸く後ろに残りの3匹が姿を現した、その瞬間展開しておいた魔法を射出する。
「蜂の巣になれ! 螺旋魔力弾!」
空間に固定しておいた小指大の螺旋魔力弾が、空気を切り裂いて進む。
手前に居た3匹は体の何箇所かに風穴を開けて、その後ろに居たゴブリンを木々諸共に駆逐した。
深呼吸を繰り返して気持ちが落ち着くのを待ってから、討伐部位を剥ぎ取りにゴブリンに近づいて周りを見渡す。
夏の日差しが差し込む小さな広場になってしまった空間で、所々の部位になってしまったゴブリンから討伐部位と魔核を回収して、あまったMPで材木を作りだしたところでサーチの効果が切れた。
「2匹ほど頭が消し飛んじゃって討伐部位を回収できなかったけど、10匹分と魔核が3つ、MR2の結晶が3つ分と材木が20本ほどか……材木屋でも生活できるんじゃ……」
そして何か違和感を感じて居るのだがなんだか分からないので町へ戻ることにする、街道に出たところでステータスを表示してレベルを確認すると、レベルが一気に2Lv上がっていた。
「おかしいな、低レベルとはいえ妙にレベルアップが早いような気がするんだけど、こんなもんだっけか……あんまり低レベルでキャラ作ること少なかったし、まぁ上がるものは上がるんだからどっちでも良いか」
良い結果に付いてはあまり深く考えない能天気な性格なのでそれで善しとして、レベルアップ処理に移る。相変わらず知能と神気を上昇させて、SP16pで何を取るか悩みながら歩いている。
リフレッシング 3SP 20MP 「毒・麻痺・苦痛・気絶」を回復させる。
チェイン 4SP 24MP 射程5m 効果時間5分 対象を束縛する鎖が出現し行動不能にする。
ブレイブ 5SP 28MP 効果時間30秒 攻撃力・防御力・APを10点上昇させる。
あとは消費MP減少スキル1Lvを習得して、保険のために3SP残してレベルアップを終了する。
「とりあえずはこんなところだよね。状態異常の盲目・難聴・病気はなっても体力次第でなんとかなるし、先天的な盲目と難聴が治せるように一応3SPの保険は残したけど、次は病気治療魔法のために奇跡魔法の系統と合わせて11SP貯めないとね。疫病でも発生したら重要な魔法なんだけど、神官でもないのに奇跡は取りたくないんだよね……それよりかは鍛冶・細工・彫金・裁縫・大工スキルを上げておきたいし……久々に露店したから物造り魂が燃えてきたし、んー、でもやっぱり念のために奇跡は取っておくべきかな」
独り言をぶつぶつと呟きながら街道を歩いているのだが、傍から見たら危ない子供だが運良く人通りもなく、哀れむ視線を受けずに町へ戻ることができた。
空が夕闇に包まれる頃になって漸くギルドに帰ってこれた。カウンターに行ってゴブリンの耳と魔核を出して換金をお願いする。
最初の3匹と音を聞きつけてきた3・3・4匹で2個回収できなかったから11個分……と此処に至ってようやく違和感の正体に気がついた。
最後に出てきたゴブリンは3匹なので1匹足りていない、それに音を聞きつけて3方向から3匹ぐらいずつで向かってくるなんて、妙に統率が取れてないだろうか?
なにか嫌な予感がするのだが、この世界にもゴブリンロードのような上位固体は存在するのだろうか。
「はいお待たせしました。10匹分なので2大銀貨と魔核3個で15銀貨になります」
「ありがとうございます。あとちょっと……」
そう言って今日のあらましを説明しておく、気のせいだと思いたいがギルドには報告しておいたほうが良いだろう。
「分かりました。10匹ぐらいではありますが集落を作ってる可能性もありますし、マスターに報告を上げておきますね。ありがとうございます」
冒険者らしい報告にメルルがにっこりと笑う。まるで弟の良いところを見て成長を喜ぶようなちょっと誇らしげな笑顔だったような気がする。
私はお姉ちゃんっ子だったので、たまにこの笑顔をみて嬉しくなったのを思い出して嬉しくも悲しくなる。そんな感傷を振り切るようににっこりと笑い返し、礼を言って宿へもどるのだった。
お読みいただきありがとうございます。
今日はお休みだったので、続きを書いてみました。
読み返しをあまりしてないので誤字脱字があるかとは思いますが、ご容赦ください。
では次は24日に、おやすみなさい。




