露店
戻ってきたらポーターとして雇うことを告げて、戻り次第連絡をしてもらえるよう段取ってもらい今日のところは帰ることにする。
適当な屋台で夕飯をすませて魔導具を売っている店や武器屋を見て回り、今の私で作れる装備品を箇条書きしていく。
・防御護符 防御力+10 効果時間:1時間
・清浄護符 5m四方清浄化 効果時間:一瞬
・回復護符 10HP回復
・回復護符 30HP回復
・武具へのエンチャント 永続化
こんなところだろうか、永続化のエンチャントは製作者じゃなく発動者の能力値で起動するから、戦士の装備に掛けても上昇率が低いので実用的じゃないし、今付けられる魔法が弱いことから売り物としては無理じゃないかと思う。 もちろん製作者の能力値で発動するようにもできるのだが、まだその魔法を習得できていないので保留にする。
あと露店を見て回ったときに面白いものを見つけたのであるだけ買い占めておいた、
結界維持に使用した魔核で内包していた魔力は無くなったが、この町の記念品みたいな物として大小あるが1個3銅貨と安く売っていた。 鑑定をすると大きさ次第だがCPが小さいのでも10以上あるのだ。 つまりはこれを素材に護符を作ればコインサイズでもかなりの魔法を入れることができそうだ。
・防御護符 1ch:5銀貨
・清浄護符 1ch:5銅貨
・回復護符弱 1ch:5銀貨
・回復護符中 1ch:1大銀貨
清浄護符は安い気もするのだが類似品が売っていなかったし消費魔力も少ないので、このぐらいの値段で良いかと思う、というか護符の類が売っていなかったのでポーション価格とかを参考にしている。
これらを明日までに出来るだけ作って南門で冒険者相手に売ればまずまずの売り上げになるんじゃないだろうか、売れなかったとしても実用品として使えるのでやれるだけやろう。
まずは護符の形状だが籠める魔法ごとに形状を変えて起きたいので、魔核を錬金術でコインのペンダントトップにして、回復魔法は表面には十字架だけのと、茨と十字架の2種類にして裏面には神聖魔法の魔方陣を書き込みアクセサリとしても通用するようにしておく、防御魔法も神聖魔法なので魔方陣は同じくして、表面を十字軍の盾をモチーフにした華美な盾を描いた。
清浄護符は古代魔法の魔方陣を裏面に、表面はデフォルメした竹箒にしておいた。 これらを原型にして作れるだけ作っていく、とりあえず1種類50枚できたところで魔法を付与していくことにする。
魔力が切れるたびに瞑想してMP回復に努める、ゲーム時代10秒で1MP回復する計算だったので180回復するには安静にして30分で回復する、魔力回復のスキルも色々あるのだが初期で持つものでは無いので持っていない。
防御護符5ch 25銀貨 10枚
清浄護符5ch 25銅貨 10枚
回復護符弱5ch 25銀貨 10枚
回復護符中1ch 1大銀貨 10枚
都合40枚できたので、これを吊るすためのネックレス用のチェーンを40本作る。
回復護符は乳白色の地金に薄い緑色の模様が縁取りのように現れて装飾品としても中々の出来映えだった、中回復の方はMPを多目に使っているせいか緑が濃くなっている。 清浄護符は白地に水色で、防御護符は白地に黒で構成されていた。
ここまで作った段階ですでに日が変わる時間になっていたので、自身に清浄魔法を掛けて汚れを消してから眠りに付いた。
「シルビア、待ってろよすぐにお金貯めて迎えに行くから・・・」
「ん、見事に寝坊したな、日が昇ってる・・・・」
魔力を使い切っては回復してを繰り返したせいか、疲れが出てぐっすりと眠ったようだ。 時計を見るとすでに7時になっていたので、朝の体操だけ行って朝ごはんを食べてから露店を出しに南門へ向かう、机と椅子を作るために材木とテーブルクロスになりそうな布を途中で買って、裏路地に入って錬成するそして外見年齢を偽装するためにキャラクターシートを呼び出したのだが、昨日見たときよりもMPがあがっているのと「瞑想」のスキルが2Lv習得されていた。 MPを使い切って回復させてを連続したおかげなのか、嬉しい誤算だった。
「さて、気を取り直してと、まずは7才はまずいから20才にしてみよう」
ステータスの年齢を20才に変更するのだが何の変化も無い、相変わらず偽装が出来ているかどうかは自身で判別付くものじゃないらしく、手足が伸びて大人の体になるわけじゃなく、あくまで対外的に20才に見えるようになるという効果のようだ。
ナイフの表面で自身を写してみると20代ぐらいの銀髪の男が写っているのだが、物理的に大きくなっていないので、何かを掴むとか手を伸ばすような動作をしても手の長さが合わないのだが、どういうことになるのかさっぱり分からない、ごまかせてくれることを祈ろう。
南門が見えてきた辺りになると露店が並びはじめる、露店は冒険者や商店の小間使い風の少年達が多く、売っているものも多種多様で迷宮で取れた素材から農産物まで、色々なものが売られていて朝市のようだ。 果物屋の横にスペースが空いてるのでリンゴのような果物を買いつつ店主に隣を使っても良いか聞くと、同じ業種でないかぎり隣に店をだしても何も言われないそうだ。
組み立て式のテーブルと椅子を出してテーブルクロスを掛け、商品になるペンダントトップとチェーンを出して飾る、平置きしてみたのだが色気が無いので鞄から取り出す振りをしてチェーンを吊り下げて飾る天秤のような装飾台と、ペンダントトップを飾る階段式の置物とシルクの布をイメージして作り、その上にペンダントトップを乗せる。
プライスカードを作ってくるのを忘れたので、鞄からルーズリーフを何枚かと薪を少しとハンカチを取り出して、隣の果物屋から葡萄のような色素の強い果物を買って机の下でそっと錬成する、薄い紫の色カンバスに濃い色のイーゼルを作り出してプライスを書き込んでおく。
「よし、準備完了だ、うまく売れると良いんだけどね」
気合を入れて周りの喧騒に負けないように声だししていく、最初は興味がなさそうな感じで人が通り過ぎて行ったが、20代後半ぐらいの戦士風の女性が立ち止まって話しかけてくれた。
「この護符ってどの程度効果があるんだい? 気休めじゃなくちゃんと効果があるなら買っても良いけど?」
「ちゃんと効果はありますよ、どれかお求めになりたいやつをおっしゃってください、お試し用のもちゃんとご用意してありますので」
効果があるなら全部欲しいとのことで、チェーンに清浄・回復弱・防御を通して首に掛けてもらってからキーワードを教える。
「まずは分かりやすい清浄ですが、失礼ですが手に土を付けてから「クリーン・オープン」と発声していただけますか?」
「ふむ、そのぐらいなら構わないよ、っと、これで「クリーン・オープン」」
地面から土を一握りとって自分の手に塗ってキーワードを唱える、その瞬間青白い光が瞬き手の土汚れを消し去った。
「こ、これは凄いな、手の汚れだけじゃなく色々と清々しい感じになってる、大した効果だ」
「次は防御ですが、「シェル・オープン」と発声してください、回復は「エード・オープン」で発動します」
女戦士の驚きにちょっと嬉しくなり、次のキーワードと効果を説明して試してもらう。終始驚いていたようだが最後に回復中の効果を説明したときが一番驚いていた。
「はい、ですから、このペンダントトップは30HPを回復する効果と、非常時には自動で効果を発揮するように出来ているのです、意図せず勝手に効果を発揮してしまうので付与していないものもありますが、どちらも初回なので同価格で販売しております」
「そ、そんな効果のものを1大銀貨で良いのか? それなら買えるだけ欲しいのだが」
「あ、すみません価格のほうは、今日から露店を始めさせていただくので、顔見せと喧伝を兼ねての金額設定なので、お一人様一種類ずつでお願いしてるのですよ」
「ちなみに、顔見せが済みましたら、自動発動効果の付いているものはこの価格から5銀貨上乗せさせていただく予定ではいますので、ご了承ください」
「それでもこの効果で1.5大銀貨なら安い、また買いに来させてもらうよ、あと、知り合いにも是非伝えておく」
「ありがとうございます、またのお越しをお待ちしております」
4種類全部が売れてセット価格で85銀貨で売れた、この調子で頑張って売れれば一週間でシルビアを引き取りにいけると、なんとかの皮算用をしつつニンマリ笑うのだった。
それからはちょっとずつお客さんも来て売れていく、効果を知って全種類買う人、装飾を気に入って効果も聞かずに買っていく人、安いのだけ買っていく人が居たりとまずまずの売れ行きだ。
そしてお昼頃には用意しておいた商品は全部売れてしまい、早々と店じまいとなった。
お読みいただきありがとうございます。
次は24日に投稿いたします。




