奴隷の首輪
戦士とバカが討伐隊を連れ帰った後、残っていた肉と果物を食べて寝ることにした。
討伐隊には、バカがゴブリンを牽制している間に戦士が眼を覚まし、何とか討伐したという説明をしたらしい。
やはりあの戦士は名が知られるほど有名らしく、誰も疑うことなく受け入れられた。
そして、その二日後、再び森に足を踏み入れる者がいた。
夜中にも関わらず、たった一人で森に入ってきたのは、あの時逃げた魔法使いだった。
だが、あの時と違い、身につけているローブはボロボロであり、何より、その首にはあってはならないものが存在した。
『奴隷の首輪』
大陸法で所持が禁じられているはずのそれが、魔法使いの少女の首に付いていた。
付けた者に服従するだけでなく、逆らうことすら許されず、見た目麗しい女性などは、性奴隷として扱われていた。
だが、あまりにも非道徳的なことから、第六次魔王戦争が終ってから新しく大陸法にて、使用・所持の禁止が決まった。
脳裏に過るのは、かつてこの首輪のせいで死んだ者の姿。
最も過激であった前線に投入された者たち。
変態貴族の夜の相手を命じられ、精神を壊した少女。
暇つぶしと称し、命のやり取りを命じられた親兄弟。
中には要人暗殺の為に教育された子供もいた。
「クソが。」
吐き捨てるように呟いて、俺は少女の前に姿を表した。




