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隠れたものを引きずり出すには


 オレムはリミスたちが察しないように動き、何とかドンナたちがいるリムジンが見える場所に到着した。


「いいか? 俺の準備が終わり次第、お前たちは一斉に持っている銃をぶっ放せ。俺は奴らの隙を狙い、跳弾をドンナ王女の額にぶち込む。そうすりゃー仕事は終わりだ」


「分かりました」


 トランシーバーから、部下たちの返事が聞こえ、銃のリロードをする音が聞こえた。あと少しで仕事が終わると思ったオレムは大きく息を吐き、気を引き締めた。




 一方、そのことを知らないドンナはリムジンの中にいた。その横には、リンゴを向いているムラサメがいた。


「ドンナ王女、これ食います?」


 と言って、ムラサメはきれいに切ったリンゴをドンナに渡した。ドンナはムラサメを見て、少し驚いていた。


「ムラサメさんって意外と器用なんですね」


「一応料理はちゃんとできますよ。リミスたちからも料理の腕は太鼓判を貰ってます」


 ムラサメは笑いながら答えた。ドンナは切ったリンゴを食べ、ムラサメも自身が切ったリンゴを食べた。そんな中、レイロがこう言った。


「仲間が無事かどうか、不安じゃないのか?」


 その問いに対し、ムラサメはリンゴをレイロに渡した。


「不安じゃねーよ。リミスたちがそう簡単に死ぬわけねー」


「む……」


 レイロは受け取ったリンゴを見つめていたが、ムラサメは笑いながらこう言った。


「どうした? まさかリンゴが苦手とか言うんじゃねーだろうなー?」


「私には好き嫌いはない。だが、今は食べてる暇は……」


「何でもいいから食べとけ。少しは腹に何か入れとかねーと、いざって時動けねーぞ」


 ムラサメはそう言ってリンゴを食べ、<イビルアイ>を発動した。ムラサメの目にはオレムたちの姿が映ったが、リミスたちが猛スピードで戻ってきていることを察した。


「なぁ、このリムジンって防御力はある方か?」


 このムラサメの問いに対し、レイロは少し考えて、答えた。


「それなりにある方だ。ガトリング砲を受けても、壊れはしない」


「そっか。それならずっとこの中にいた方が安心だな」


 この言葉を聞いたレイロは、ムラサメが何かを見たと察し、近付いた。


「敵がいるのか?」


「ああ。でも、リミスたちがこっちに戻ってる。リミスたちがどうにかするさ」


 と言って、ムラサメはレイロに向かってウインクをした。




 イダテンクモに乗っているリミスは、嫌そうな顔をしながらプレイにこう聞いた。


「で、どうやって木の中の敵を倒すってわけ? それなりに数がいると思うけど」


 プレイは小さく笑い、リミスに答えた。


「あいつらは木の裏に隠れているんでしょ? 隠れている奴を表に出すには、どうすればいいってリミスは思う?」


「私が質問をしてるんだけど……うーん……とにかくさっきのように<フワフワタイム>を使えば……」


「半分正解」


 プレイの言葉を聞き、リミスは思わず声を荒く出した。


「半分って……じゃあ模範解答を教えてよ」


「あんたの<フワフワタイム>を使うまでは正解。けど、さっきのように砂利と小石を使うつもり?」


「そりゃーそうだけど」


「今は時間がない。そんな小さなものを使って攻撃しても隠れている奴を引きずり出すことはできない。じゃあどうするか? 答えは簡単、奴らが木の裏に隠れているのなら、その木を<フワフワタイム>で動かせばいい」


 プレイの答えを聞いたリミスは、予想外であまりにもぶっ飛んだやり方だと知り、口を開けて驚いた。


「そんな荒々しい方法で……」


「でかい木を<フワフワタイム>で動かせば、敵を一気に蹴散らせる! これからの動きを伝えるわ。ソワン、リムジンの近くに到着したら、クルアで周りの木々を斬り落として。リミス、あんたは<フワフワタイム>で斬り落とした木を操って隠れていた敵を攻撃! 私もイダテンクモを操って、糸で木を動かすから!」


「それで大丈夫なの?」


「ちゃんと動けば問題ない! ソワン、返事は?」


 プレイは後ろを振り向き、嫌そうな顔をして半分気を失っているソワンを見て、大声を発した。


「ソワン! 話聞いてた⁉」


「ハッ⁉ ごめん、何の話?」


 半分寝ぼけているソワンを見て、プレイはもう一度話をした。話を聞いたソワンは頷き、こう言った。


「この気持ち悪いクモの背中から降りれるのなら、木だろうが何だろうが斬ってやるわ」


「気持ち悪いは余計。とにかくあと少しでリムジンが駐車してある場所よ!」


「それじゃあ、先に降りるわね!」


 と言って、ソワンは魔力を開放してイダテンクモの背中から飛び降りた。リミスはソワンの無事を祈り、プレイはひたすら前を見ていた。


「さぁ、あと少しでリミスの出番よ! <フワフワタイム>で暴れまわって!」


「分かったけど、リムジンの方は大丈夫かしら?」


「ムラサメがいるから大丈夫よ! レイロさんもいるし、どんなへまもしないと私は思っているわ!」


「そう。それじゃあ、行ってくる」


 その後、リミスもソワンの後に続く形でイダテンクモの背中から飛び降りた。


「イダテンクモ! ソワンが木々を斬り落としたら糸を出しまくって! あんたもリミスと一緒に暴れるのよ!」


 プレイの言葉を聞いたイダテンクモは、返事をするかのように甲高い鳴き声を発した。


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