謎の依頼者
ギルドの役員に呼ばれたムラサメたちは、ギルドの会議室にいた。
「依頼に出る前に話をした、謎の人たちから連絡がありました」
「またか。今度こそ自己紹介とかしたのか?」
ムラサメがこう聞くと、ギルドの役員はいいえと答え、その答えを聞いたムラサメたちは呆れた表情になった。
「そっちの都合かどうか分からないけど、訳の分からない人の依頼を受けるわけにはいかないわ」
「裏ギルドの可能性もある。私たち、いつの間にか有名人になっているみたいだし」
ソワンはそう言いながら、手元の新聞を広げた。新聞に大きく映る自身の写真を見て、ムラサメは小さく笑った。
「いつの間に撮られたのやら。サービスしてポロリの一つでもしとけばよかったか?」
「そーすれば、マスコミ連中も写真が使えないから新聞が出せなくなるね。ムラサメ、今度厄介なマスコミが現れたらそうしようよ」
「そうだな。サービスだって言えば、あいつらもまんまと引っかかるだろ」
「今はバカなことを話ししている場合じゃないでしょ」
と言って、リミスはムラサメとプレイの頭に軽く拳骨をした。ギルドの役員はムラサメたちを見回し、話を続けた。
「話を戻して、連絡なのですが……明日には、ウターンに到着するとのことです。そこで、自己紹介や依頼、報酬金について話をすると言っていました」
「おいおい、そっちの都合で話を進めてんのかよ」
再び呆れた顔のムラサメがこう言った。ギルドの役員は少し戸惑いつつも、答えた。
「私もそう思い、ムラサメさんたちの都合を考えてくださいと返しましたが、向こうは何も答えずで……」
「はー、ここまで身勝手だと呆れるを通り越して、ある意味羨ましいぜ」
ムラサメは手を頭の後ろで組み、深く椅子に座り直した。リミスは小さくため息を吐き、口を開いた。
「明日にはここに到着するんですよね? 話をして、変な連中だったら力づくでも追い出しますので」
「いざって時は、そいつらを氷漬けにしてバラバラにして……」
「ソワン、それはやりすぎ。ま、<イノセントワールド>で危険な毒虫を召喚してグサッと刺せば……」
「それもそれでやりすぎだっつーの」
と、ムラサメとリミスは呆れてこう言った。
翌朝、寝る前に風呂場であれこれしたせいで、ムラサメは着崩れをしたパジャマを直しながら立ち上がった。
「ふぁーあ、昨日も風呂場でガキみたいにはしゃいじまったよ……あ、今俺ピッチピチの十五歳に若返ったんだっけ」
そんなことを呟いていると、突如電話が鳴り響いた。ムラサメはあくびをしつつ、受話器を取った。
「はい、もしもし」
「ギルドです。ムラサメさん、昨日お伝えしていた依頼人が到着しました」
「こんな朝早くにですか?」
と、ムラサメは会話中だが大きなあくびをした。電話の相手の役員はムラサメのあくびが終わるのを待ち、言葉を続けた。
「どうやら、長時間運転してきたみたいで……」
「長時間のドライブで、時間が分からなかったってわけか。しゃーねーって言えば……まぁしゃーねーのか。準備したら向かいますんで、ちょいと時間をください」
と言って、ムラサメは受話器を戻した。話をする中、寝ていたリミスたちが目を覚ました。
「誰からー?」
リミスが目をこすりながらこう聞いてきたので、ムラサメはギルドと簡潔に答えた。その答えを聞き、リミスは依頼人が到着したと察した。
支度を終えたムラサメたちは、急いでウターンのギルドに向かった。ムラサメたちの姿を見た役員はすぐに接近し、ムラサメたちを会議室に通した。
「お待たせしました。ムラサメさんたちのご到着です」
ギルドの役員はそう言って、そそくさと去って行った。会議室の中を見たムラサメは、少しだけ驚いて声を漏らした。白いフードの人物たちが、美しい姿勢で椅子に座っていたからだ。
「ありゃま、こりゃまた美しい姿勢だこと」
「全員同じ服装って……何かキモイ」
「私も同じ気持ちだけど、口に出して逝っちゃダメよ」
ムラサメの後ろにいるリミスたちは、しゃがんで小さな声で話を始めた。ムラサメはリミスたちの方を振り返り、行くぞと合図した。
「失礼します」
ムラサメの声を聞き、白いフードの人物たちは一斉にムラサメの方を向いた。威圧のようなものを感じたムラサメは、驚いて声を出した。
「すまない。威圧を与えてしまったか?」
「ええまぁ」
丁寧な人だなと思いつつ、ムラサメは白いフードの人物たちの迎えに座った。その後に続くように、リミスたちも椅子に座った。
「あなたがムラサメですね。ご活躍は聞いております」
「挨拶もなしに話を始めるのか。あんたらは俺のことを知っているみたいだけど、俺はあんたらのことは一切分からない。はっきり言うぜ、俺があんたらを敵だと判断したら、この場で暴れるつもりだ」
ムラサメの言葉を聞いたリミスはムラサメの耳を引っ張り、小さな声でこう言った。
「ちょっと、いきなり敵意を与えないでよ!」
「こっちが警戒しているってことを教えただけだ。これで、あいつらが攻撃をしてきたら、頭のいかれた連中だって分かるからな」
「けど、ストレートすぎるわよ!」
「ま、ここからの話は俺に任せてくれ」
そう答え、ムラサメは白いフードの人物たちを見た。
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