戦士に休みはない
カマンズベリーの騒動を解決した後、この事件のことを知った各地のマスコミが連日ムラサメたちの元に姿を見せた。
「お疲れのところ申し訳ありませんが、今回の事件に関して一言お願いします!」
「申し訳ありませんって気持ちがあるなら自重しろ。こっちはお前らの相手をするのは嫌なんだ」
ムラサメは冷めた目でマスコミたちを見ながら、手を動かして去るように告げた。だが、マスコミたちはそれに負けじとムラサメに質問をしていた。
「はぁー、邪魔くせー」
深いため息を吐きながら、ムラサメはリミスたちに助けを求める視線を送った。だが、リミスたちにも別のマスコミが質問をしていた。
「本当にマスコミってのはしつこいな。悪いけど、こっちは仕事があるんだ! お前らの仕事に付き合う必要も義理もない!」
「ですが、こちらにも知る権利はあります! あなた方がいろいろと事件を解決してどう思っているか、知る必要がありんですよ‼」
「誰もが知りたいわけじゃねーだろ。報道に自由を与えた奴は一体誰だ? 知る権利よりもお前らが欲しいのは金だろうが」
「ムラサメさんの言う通りです」
ここで、ギルドの役員が姿を現し、口を開いた。
「皆さん、ムラサメさんたちは依頼があるのです。あなた方のような常識と礼儀がない人たちの相手をする暇はないんですよ」
「私たちは質問を聞きにきただけです! 何か一言貰わないと、こっちも戻れないんですよ!」
「そんなこと知りません。クソした後の犬のケツでも写真に収めれば、動物好きに褒められると思いますよ。さぁ、早くあの野良のケツを写真に撮ってきなさい!」
と言って、ギルドの役員はムラサメたちにまとわりついているマスコミを追い払った。ムラサメは役員に礼を言って、リミスたちと一緒に出掛けて行った。ムラサメたちが走って去って行く姿を見て、肩を落とすマスコミを見たギルドの役員は面白い光景だと思い、写真を撮った。そんな中、役員の上司が姿を現した。
「おーい、ムラサメさんたちはどこに行ったんだい?」
「今、依頼の現場に向かいました」
「そうか……」
上司の浮かない顔を見て、役員は不思議に思った。
「何かあったのですか?」
「ムラサメさんたちに超重要な依頼が入ったんだよ」
上司はそう言った後、依頼が書かれた用紙を役員に見せた。
「ムラサメさん……それと、リミスさんとソワンさん、プレイさんも一緒ですね」
「そうだ。話は後でするから、とにかく四人に時間を空けてくれとのことだ」
「他の戦士じゃダメなんですか?」
「私もそう言ったが、相当な実力者ではないと無理だと言っているんだ」
「で、相手は誰なんですか?」
「それが……名を名乗らなかったんだよ。とある理由で、名前と身分は教えたくないそうだ」
「怪しいですね。そんな人の依頼を受けたんですか?」
「断ろうとしたら、その前に電話を切っちゃったんだよ」
「はぁ……」
話を聞いた役員は、マスコミ並に非常識で礼儀がない人がいるもんだと思った。
数時間後、ムラサメたちはウターンのギルドに戻ってきた。
「どもーっす。依頼の品、ネツサマシ草を大量に採ってきました」
「危険なとこに生えていたネツサマシ草もちゃーんと採ったから、ボーナスマシマシでお願いね」
と、ムラサメとプレイはこう言った。リミスはため息を吐き、ソワンと話を始めた。
「危険なとこって、プレイの<イノセントワールド>の虫召喚で楽に採ったくせに」
「ま、こっちは楽だったからいいじゃない」
ソワンは嬉しそうに尻を振るプレイを見て、こう答えた。そんな中、ギルドの役員が近付いた。
「皆さん、報酬金を受け取ったら、私の元へ。話があります」
この言葉を聞き、ムラサメたちはきょとんとした表情になった。
ウターンから離れた場所、広い草原の上に一台の車が走っていた。
「ウターンまではあとどれくらいだ?」
「このスピードで走れたら、明日の早朝には到着します」
質問に対し、顔を隠した運転手がすぐに答えた。質問をした男は、うつむいてこう言った。
「長時間の運転は、かなり苦だろう……」
「気にしないでください。これくらい苦しくありませんよ」
「そうか。だが、無茶をするなよ」
「了解してます!」
運転手の生きのいい返事を聞き、男は頼むと小さく呟いた。その後、男は後部座席に移動し、隅に座る白いフードを被った人物に近付いた。
「もう少しです。あと少しであなたを守ってくれる戦士たちと会うことができます」
「ですが……話が一方的すぎます。気持ちよく了解してくれればいいのですが……」
「今はそうこう言っている場合ではありません。あらゆる手を使っても、あなたを守らないといけないのです」
その直後、いきなり爆発音が聞こえた。男はフードの人物を守るように抱きしめ、周囲にいる白いフードの人物にこう言った。
「追っ手か! 反撃するぞ!」
「了解」
白いフードの人物は窓を開けて魔力を開放し、魔力を使って攻撃をした。しばらくして、後ろから爆発音が響き、男の悲鳴が聞こえた。
「あいつら、俺たちの動きを察知していますね」
「そのようだな。早く、この戦士たちと話ができればいいのだが……」
白いフードの人物は、座席の中にある新聞を目にしながらこう言った。その写真には、ムラサメたちの姿が映っていた。
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