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オオカミ男なんて怖くない


 オンキと戦っているムラサメと合流したリミスは、ムラサメの呼吸が少し荒いことを察し、心配して近付いた。


「ムラサメ、さっき派手に大技を使ったの?」


「まーな。でも、余裕はある。魔力も十分に残ってる」


「そう。なら心配いらないわね」


 と言って、リミスはヒアラを手にし、剣先をオンキに向けた。


「こんな時間にオオカミ退治をやるなんて思わなかったわ」


「ハッ! そりゃーわるーござんしたね! 乳と魔力はでけーが、所詮はガキ! 死体がもう一つ増えるだけだ!」


 リミスを見て、まだ勝機があると考えたオンキは、手っ取り早くリミスを殺すために先に動いた。あふれるような殺気を発しているオンキを見て、呆れたリミスは小さな砂利を手にし、<フワフワタイム>で操った。


「何をするか知らねーが! ぼさっと立っていると殺しちゃうぜぇ‼」


「やかましいオオカミね。発情して遠吠えするのはいいけれど、周りの迷惑も考えなさい」


 と、冷ややかにリミスはこう言った。ふざけやがってと心の中で思い、怒りを爆発させたオンキはリミスを鋭い牙で噛み砕こうとした。だがその前に、<フワフワタイム>で操られた目では確認しにくい小さな砂利が、オンキの右の二の腕を貫いた。


「ガッ⁉」


 攻撃を受けたオンキはその場で動きを止め、攻撃を受けた右の二の腕を抑え、その場で態勢を崩した。


「な……何だ、この痛みは? 俺はいつ、攻撃を受けた?」


「隙ありィ!」


 大きなダメージを受け、隙だらけのオンキに向かってムラサメが飛び蹴りを仕掛けた。ムラサメの飛び蹴りはオンキの顔に命中し、攻撃を受けたオンキは後ろに吹き飛び、地面を転がった。


「このメス猫が!」


 痛みが治まらない右の二の腕を抑えながら、オンキは立ち上がった。だが、リミスは別の砂利を<フワフワタイム>で操り、追撃を行っていた。無数の砂利が、オンキの体を貫いた。


「グォォォォォ‼」


 体中から血を流し、オンキは倒れた。ムラサメはリミスに近付き、倒れたオンキを見ながら話しかけた。


「体中穴だらけにするのか?」


「そのつもり」


「小さな弾丸で体中を貫くもんだ。下手したらあいつ死ぬんじゃねーか?」


「私が人を殺すわけないでしょ? あんたから復讐の無意味さを学んだの、まだ覚えてるから」


「そりゃーありがたい」


「構えてて。あいつ、まだ立ち上がるわよ」


「おいおい、あいつバケモンかよ。結構血が流れているけど、それでも立つのかよ」


 ムラサメがこう言うと、血まみれながらも、オンキがゆっくりと立ち上がった。




 ソワンとプレイはリムジン内にいるドンナとレイロを見ていた。レイロは頼りにする部下たちを失い、意気消沈していた。ドンナも知っている人がこの場で命を落としたことを知り、大きなショックを受けていた。


「とにかく、今はムラサメとリミスに任せるしかないわね……」


 と、ソワンはプレイにこう言った。だが、プレイは何かを考えており、ソワンの言葉に反応しなかった。プレイの様子を察したソワンは、プレイに近付いた。


「何を考えてるの?」


「今回の依頼に関して、いろいろと思うところがあるのよ」


「何か引っかかるところがあるの?」


「まーね。ま、今はあれこれ尋ねる状況じゃないし、話をするならムラサメとリミスもいた方がいいから、またあとで話すわ」


「気になるじゃない。少しだけでもいいから話をしてよ」


「まとめて話したいのよ。それとソワン、ムラサメとリミスが倒された時のために、いつでも動けるように構えて」


 プレイの言葉を聞き、ソワンは嫌な声を上げた。


「えー? あの二人が倒されると思ってるの?」


「思ってないわよ。でも、負ける確率もあるってこと。いざって時に動けるようにしてなさい」


「考えすぎもよくないわよ」


「頭には入れておいて。大きなショックを受けて、何もできないでいるよりはましよ」


 と、プレイはこう言葉を返した。




 あのメス豚共が! この俺をここまでズタボロにしやがって!


 心の中で、オンキはムラサメとリミスに大きな怒りを爆発させていた。<フワフワタイム>で動く砂利のせいで、オンキは大きなダメージを受けた。体を動かすたびに、体中にできた小さな穴から、大量に血が流れるのを、オンキは感じているのだ。


「体中穴だらけになってるが、臓器まで貫通することはできなかったか」


「それほど、あいつの中身は頑丈ってわけよ」


 緊張感のないムラサメとリミスは、怒りを爆発させるオンキを見てこう会話をしていた。そんな中、オンキが叫び声を発しながら迫ってきたが、リミスがヒアラを手にし、迫るオンキに向かってヒアラを振るった。ヒアラの刃はオンキが振り下ろした爪に命中し、激しい金属音が鳴り響いた。


「こいつの爪、結構頑丈ね」


「気を付けろよリミス。その爪でズタボロにされたらたまったもんじゃねぇ!」


 そう言いながら、ムラサメは<イビルアイ>を発動した。オンキはムラサメの魔力を感じ、後ろに下がった。


「何をするか分からんが、その前にお前から殺してやる!」


 ムラサメが動く前に、確実に始末すると考えたオンキは、すぐに行動に移った。リミスはムラサメの方を振り返り、<イビルアイ>を使っていることを察し、ムラサメが動いた後で、自身が動こうと考えた。


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